リラックスできる環境で最適の乳がん治療を

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JA岐阜厚生連 岐北厚生病院 山本 悟 名誉院長

山本 悟(やまもと さとる)
1974 岐阜大学医学部卒業 同第二外科 1982 岐北総合病院(現岐北厚生病院) 1983 同副院長 2005 同院長 2012 同名誉院長 ■2003 県乳がん部会委員 2005 あけぼの岐阜(乳がん患者の会)顧問

 岐北厚生病院の乳腺センターでは、乳腺専門医や乳腺専門女性スタッフが連携して乳がんをはじめとする乳腺のさまざまな診断と治療を行っている。

 山本悟名誉院長に乳腺センターや岐阜県の乳がん検診の現状について話を聞いた。

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―乳腺センターの特徴を教えてください。

 女性は男性と比べデリケートだと思います。待合室で隣に男性が座るのを気にされる方も多いですね。そうした悩みを解消すべく2011年に岐阜県で最初の乳腺センターを設立して女性専用の空間を作りました。

 センター設立には乳がんの認定看護師の存在が大きかったですね。

 常勤の認定看護師がいつでも治療上の悩み相談にのり、術後の患者さんのケアをできるところが、われわれの強みです。

 当センターの認定看護師のひとりは岐阜県で最初に資格を取りました。実は彼女の母親は乳がんで、私が主治医だったんです。彼女はもともと看護師だったので、お母さんの看護にもついていました。

 母親の看護の過程で乳腺について関心をもってくれて、勉強して認定看護師の資格をとってくれました。医師がやらなければならないことも代わりに一生懸命やってくれますので、私たちも診療に力を注げます。

 患者さんに親身になって接してくれているので、センターがうまく運営できているのも認定看護師のおかげだと思っています。

―女性の悩みに寄り添うには女性看護師の力が大きいですか。

 そうですね。私も乳腺をやるようになってから、女性は男性とはまったく違うということが分かりました。男とは180度感性が異なりますね。

 女性は、世の中すべての事象に対して、「かわいい」という表現をします。女性は「かわいい」かどうかで物事の評価が大きく分かれるんです。乳腺センターのPRチラシやインテリアも女性スタッフの意見を尊重しています。女性が考えてくれたおかげで当センターの柔らかい雰囲気を表現でき、患者さんもリラックスできるのではないでしょうか。

 女性は患者さんに対して、まず慰めの言葉を言います。心から支えてあげたいという気持ちが根底にあるのでしょうね。病気の説明のときは、まず「支え」の気持ちから入っていきますね。患者さんの悩みや不安などを支える言葉から入っていって、医療面で患者さんに必要なことは、じわじわと話していくというスタイルをとります。そういうところは女性ならではの感性でしょうね。

 女性の「強さ」も実感しています。歴史を動かしてきたのも実は女性なんです。戦国武将の命運も女性次第でしたよね。古今東西、英雄の盛衰に女性の存在がありました。やはり女性は、男よりも芯が強いと思いますね。

―乳がんの出張検診を行っているそうですね。

 1994年に、日本で最初にマンモグラフィーを積んだバスを購入しました。

 県内の施設などをまわって写真を撮ったり、エコーや触診をしたりしています。

 乳がん検診を2年に1回受けることが推奨されています。自治体から検診の依頼をいただいて、現在では岐阜・美濃地域の多くで出張検診を行っています。

 出張検診に力を入れることで、多くの人に検診を受けていただく機会をつくって、がんを早く見つけてあげることが、われわれの使命です。

―岐阜県の乳がん検診の現状を教えてください。

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 岐阜県の検診受診率は、2012年で26%ですね。全国平均よりはちょっと高いですが、われわれは50%を目指しているので、道半ばといったところです。今後、受診率を上げるために新しいバスを導入しました。イベント会場などに赴いて無料検診を行っていくつもりです。

 また、ピンクリボンキャンペーンの時期に近くの百貨店「高島屋」で講演をしています。

 2009年のピンクリボンキャンペーンでは実行委員長を務めさせてもらいました。アグネス・チャンさんをゲストに迎えてトークショーとイベントをやって、とても盛り上がりましたね。

 今後も県民の乳がんへの理解を深めるための活動に力を入れていきたいと思っています。

―患者にとって家族の存在は大きいものですか。

 患者さんが乳がんの告知をされて最初に頭に浮かぶことは「なんで私が」という思いと子供の存在だそうです。

 母親にとって子供の存在はかけがえのないものです。女性が生きていくうえでのモチベーションは、やっぱり子供ということでしょうね。自分ががんばらないと、と思うんでしょう。

 私たちから患者さんのご主人には「手術で、たとえ傷が残ってもこれまでと変わらず女性として見てあげてください」と言います。

 現在は乳房温存手術や形成手術があって、傷が昔に比べて目立たなくなりましたが、乳腺は他の箇所と違い、メスを入れることで精神的なダメージが少なからずあります。ご家族には、その辺を理解していただきたいですね。


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