生活者としての社会復帰を手助けする

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独立行政法人 労働者健康福祉機構吉備高原医療リハビリテーションセンター 徳弘昭博 院長

私立 土佐高校卒業 1976 岡山大学医学部医学科卒業 同年 岡山大学整形外科教室、川崎医科大学附属川崎病院整形外科レジデント 1977 三木病院 1978 香川労災病院整形外科 1979 香川県立ひかり整肢学園整形外科 1980 三原赤十字病院整形外科 1982国立福山病院整形外科 1983 落合病院整形外科 1984 高知県立宿毛病院整形外科 1987 松田病院整形外科 同年 吉備高原医療リハビリテーションセンター理学診療科部長 1988 オーストラリア・西オーストラリア州 ロイヤルパースリハビリテーション病院にて研修 1999 吉備高原医療リハビリテーションセンター副院長 2004 同センター院長代理 2006 同センター院長

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車イスの元プロレスラーがリハビリのために使っているサンドバッグ。体力維持のために頭突きを繰り返している。

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主に上肢に不自由がある方のために開発されたパソコン用製品。マウスの代わりにあごでポインターを動かす。

社会復帰を目指して

 当センターは、隣接する職業リハビリテーションセンターと協働して、早期の職業復帰をサポートします。障がい者だからといって家に引きこもる時代ではないのです。障がいの程度に応じて、可能な限り自立することで社会性を持っていただこうと、希望される方には社会復帰のお手伝いをします。

目的に沿ったリハビリ

 当センターは95.4%という高い社会復帰率を実現しています。

 高復帰率の要因はしっかりしたリハビリテーションシステムが確立されていることです。

 最初に患者さんの身体的、社会的、精神的評価をしっかりと行い、インフォームドコンセントにしたがってリハビリをスタートします。特長的なのは、理学療法や作業療法、言語聴覚療法だけではなく、社会復帰に何が必要なのか、包括的・具体的に方針を立て、診療報酬に反映しないアプローチも積極的に行うということです。

 たとえば、自動車免許が必要なのであれば、免許試験場にMSW(医療ソーシャルワーカー)が同行して免許取得をサポートします。また、脊髄損傷は合併症を起こしやすいため、患者さん向けに合併症予防の自己管理教育も行っています。

 車イスでADL(日常生活動作)が自立したとしても、すぐに社会生活に移行することはできません。家屋改造の指導を行ったり、社会的なリハビリへの接続など、患者さんが希望する生活の形を実現するために、具体的・専門的な支援の形を考えることになります。車イスや寝たきりの方は、IT環境を駆使することでコミュニケーションが容易になり、SOHO(在宅ワーク)も可能になりますので、あごでマウスを動かす機器なども独自開発して社会復帰をサポートしています。

 リハビリテーション計画作成については、スタッフミーティングを行います。復学なら学校、職業復帰であれば職場の方に来ていただいて共有のゴールを設定し、「それを実現するために何をすべきか」というカンファレンスを行うことがリハビリテーションのコアになる部分ですね。

ヒーローは患者さん

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イスラエルのReWalkRobotics 社が開発した歩行アシストスーツ「ReWalk /リウォーク」。主に脊髄損傷患者の歩行再建を助ける。日本製のロボットスーツと異なり、装着者の重心位置変化を検出してスムーズな歩行を可能にする

 センターのスタッフに大事にしてほしいのは、イマジネーション(想像力)とエンパシー(共感)を持って患者さんと向き合うということです。同情ではなく、何を望んでいるのかを感じ取る姿勢ですね。

 「神の手」がいる外科などと違って、リハビリテーションは医療者側にヒーローがいません。医療者の人間性すら問われる場合もある、総合力でお手伝いをする医療です。当センターはスタッフの意識が非常に高く、たとえば重度の患者さんが紹介されたときでも、「やれるだろうか」ではなく、「ここでなければできないでしょう」と言ってくれる看護師やセラピストがいます。

 見学にいらっしゃった方に、「リハの概念が変わりました」とおっしゃっていただくこともありました。今後も、患者さんとスタッフがともに歩むことでADLが向上し、社会復帰へむけての意識が高まるという好循環を、ていねいに時間をかけて取り組んでいきたいと思います。


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