スキルス胃がんの患者会「希望の会」

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理事長 轟 哲也 さん

2013 年12 月、スキルス胃がん、ステージ4の診断を受ける。同じ病気の人やその家族を対象とした患者会「希望の会」を設立し、理事長として駆け回る日々。
■希望の会ホームページ
http://npokibounokaihp.wix.com/kibounokai
■スキルス性胃がんに勝つ
http://benimitsu.blog.fc2.com/

 8月号から始まった、スキルス胃がんの患者会「希望の会」理事長、轟哲也さんの寄稿、第2回。

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写真は東京で開いた希望の会交流会の様子。東北から関西まで、広い地域から多くの人が集まった。

2.希望の会の創設

 2013 年12 月、スキルス胃がん、ステージ4の診断を受ける。同じ病気の人やその家族を対象とした患者会「希望の会」を設立し、理事長として駆け回る日々

 大抵は、胃がんの書物の中に「進行が速い、悪性度が高い、予後が悪い」などの落ち込むような情報が数行から数ページ程度、書かれているに過ぎません。行間からは「残りの短い時間、頑張って生きてね」という、あきらめのような感覚がにじみ出ているようで、虚しくなるだけでした。

 インターネット上を検索しても、スキルス胃がんを詳しく説明したサイトにはヒットしませんでした。このように、スキルス胃がんに関する情報は乏しいのが実情です。

 私はスキルス胃がんの患者の生の声を聞きたいと思い、インターネット上に公開されているスキルス胃がんの闘病ブログを検索しました。他のがんに比べて少ないですが、いくつかブログを見つけることができました。しかし、そのほとんどで更新が滞っていたり、ご遺族の「亡くなりました」という書き込みで終わっていました。

 それならば、スキルス胃がんを患っていても普通の生活をして生きていることを知ってもらうとともに、自覚症状や治療法や抗がん剤の副作用など、同じ病と闘っている人の参考になる情報を提供したいと思い、私は闘病ブログ「スキルス性胃がんに勝つ」を書き始めました。

 ブログを書き始めて数カ月経って、一方的に情報を発信するだけでなく、同病の他の患者がどのような治療を受けているのかを知りたくなりました。そこで、スキルス胃がんの患者会を探しました。しかし、胃がんの患者会はあっても、スキルス胃がんの患者会はありませんでした。

 「ないのならば創ろう、同じように思っている人はいるはず」、そう思い立ち、昨年10月に、ブログを通して知り合った数人のスキルス胃がんの患者やその家族で患者・家族会を立ち上げました。そして、スキルス胃がんでも希望を持って生きようとの思いを込めて会の名称を「希望の会」としました。

 私は、治療開始当初、家から外に極力出ない生活をしていました。それは、すでに抗がん剤の副作用で髪の毛やまゆ毛が抜けていたため、友人や知人に会って尋ねられたときに、がんであることを告白しなければならない事態になるのを避けていたからです。

 がんである、ましてや悪名高いスキルス胃がんであることを知られれば、友人や知人に「この人、もうすぐ死ぬんだ」と思われて、憐(あわ)れみの目で見られるんじゃないかと思っていました。そんな風に見られるのは嫌だという思いが強かったのです。従って、人との接触を避け、家族以外に話をする人もなく、孤独でした。おそらく、家族も同じ思いでいたことでしょう。

 希望の会の患者や家族は、皆、同じ思いをしています。孤独で絶望感を味わっています。仲間と出会うことで、そのような境遇から抜け出すことができます。孤独感や絶望感を和らげ、会員同士が相互に支え合える会にしたいと思いました。

 また、治療法や抗がん剤の副作用など、病気に関する情報も会員同士で共有することができるようにしたいと思っていました。希望の会を創ってからわかったことですが、標準治療であっても病院や医師によって少しずつ治療内容が異なります。臨床試験や治験を受けている会員もいます。そのような情報を皆で持ちより、蓄積することによって、乏しいスキルス胃がんの情報を補おうと思っています。

 2015年8月の時点で希望の会には、患者70人ほど、患者の家族50人ほどの会員がいます。スキルス胃がんの患者数が全胃がんの10%程度であることを考えれば、かなりの数の会員がいるといって良いでしょう。

 会員からは「悩みや不安を吐き出せた」、「わからないことを質問するとすぐに答えてもらえた」、「支えてくれている家族の気持ちが分かった」、「前向きに治療に取り組めるようになった」、「生きようという気持ちがわいてきた」、「自分の知らない治療法があることを知った」、「臨床試験や治験のことを知った」などの声が寄せられています。入会して良かったとの声は、大きな力となっています。


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