経営が念頭になければ患者も職員も守れない

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医療法人 美﨑会 国分中央病院 藤﨑 剛斎 理事長・院長

1999 関西医科大学医学部を卒業し内科研修医 2000 同大学第2 内科入局 2001 医療法人同仁会京都九条病院循環器科勤務 2002 国分中央病院院長に就任 2003 医療法人美﨑会を設立し理事長に就任 2011 日本慢性期医療協会理事

 6月1日に地域密着型特別養護老人ホーム「ソ・ウェルこくぶちゅうおう」が開設し、国分中央病院とサービス付き高齢者向け住宅「メディカーサ国分中央」の3施設が半径100m内にそろった。ソ・ウェルこくぶちゅうおうの藤﨑貴子施設長(国分中央病院理事)は「地域に愛される施設となるよう、職員と着実に歩んでいきたい」と話す。「ハード面はできた。次はソフト面」と言う藤﨑剛斎理事長・院長に思いを聞いた。

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左手前から時計回りに、藤﨑貴子(施設長・理事)、四元隆一(看護師)、中村剛(総務人事部)、満留義高(地域連携室)、黒木博和(施設長)、藤﨑剛斎(院長)

 2025年から団塊の世代の人たちが後期高齢者になり、そこから高齢化率が急激に高くなります。そうなると当然、医療と介護のニーズが増え、重症の方を診ることになります。そこに力を注いでいきたい。ベースは病院であり、医療機関ですから、軽度の方ではなく、特養の場合でも要介護3以上ということです。

 病院はもちろんのこと、高齢者施設も経営がしっかりしていなければ良質なサービスが提供できません。職員への福利厚生面も低下するとなると、全体が沈滞します。

 これからは、胃ろうが付いているとか気管切開されているとか、そのような人を当たり前のこととして診ていかなければならなくなると思います。

 昨年、病床機能報告制度ができて、各病院は機能や役割分担を厚労省に報告しなければならなくなりました。それが地域包括ケアシステムに活かされてくるわけです。

 基本的には慢性期病院ですから、誤嚥性の肺炎とか、慢性の心不全や呼吸不全が悪くなるとか、そういったことが起こります。高齢者は一度入院すると短期間での退院は難しいですから、今までのような急性期病院には行けません。だからこれからはそういった人たちをどんどん診ていくことになるでしょう。医療者が楽をしたのでは生き残れないんです。

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上から国分中央病院、メディカーサ国分中央、ソ・ウェルこくぶちゅうおう。広報誌「こくぶセントラルニュース」はタブロイド判16ページ。業務の紹介や健康管理、地域イベントを載せている。

 今後は地域包括ケアが進められ、在院日数が短くなって、医療区分の高い人を入れて病床として残すのか、あるいは思い切って施設にするのかといった案が出ています。今年10月から研修が始まる特定看護師は、認定看護師とは違って純然たる国家資格ですから、今後はこういった人たちが前面に出て、慢性期医療・在宅医療に従事する時代が来ます。おそらくここ数年で、構図ががらりと変わってくると思います。

 やはり常に経営を念頭に置いて施設運営をやらなければ、冒頭にも言いましたように、利用者や家族の皆さんが満足のいくサービスができません。今後は患者さんの負担額も大きくなってくるのかなと思っています。国にも財源の限界がありますからね。社会保障費だからというだけで、どんどんお金を注ぎ込めるわけではないですから。

 そうなってくると利用される方々に選んでもらえなければ淘汰(とうた)されていきます。このような危機感を抱きながら今後を考えています。

 ここは国分の中心街ですから、「ソ・ウェルこくぶちゅうおう」の地域交流のホールを有効活用して、町おこしとまでは言わないにしても、町自体が元気になるようなことに使えればと考えています。高齢者の施設だからといって高齢者だけが集まるんじゃなくて、老若男女、小さい子供まで来てこの空間を使ってもらえたら、入居者も参加してよろこばれるとお思います。

 今後の取り組みはこれまでとは全然違ってくるはずですが、そのためには職員にどれだけ自覚があるかです。それがないことには住民の人たちを巻き込むことはできません。これからはソフト面です。


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