地域の医療を守るために、我々にできることを

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高千穂国民健康保険病院 久米 修一 院長

1996 年、熊本大学医学部大学院卒。済生会熊本病院、熊本労災病院、健康保険人吉総合病院、熊本市立植木病院副院長を経て、2015 年4月から現職。医学博士。日本外科学会指導医、専門医、認定医。日本消化器外科学会指導医、専門医、認定医。消化器がん外科治療認定医。日本癌治療認定医機構がん治療認定医。日本乳癌学会認定医。

 昭和26年(1951年)に高千穂町国民健康保険直営診療所として開設され、現在まで60年以上にわたって、地域住民の健康を守り、宮崎県県北の西臼杵郡の中核病院になるまでの発展を遂げた。

 平成27年4月現在の状況は、1日当たりの外来患者数=300〜400人、一般病床60床(利用率約85%)、療養病床60床(同約80%)、診療科は内科、外科、整形外科、小児科、循環器科、神経内科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、皮膚科。人工透析も約65人の維持透析を行っている。

 今年4月に赴任した久米修一院長を訪ねた。

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 4月に院長になったばかりです。

 当院はこの西臼杵郡の中では規模が大きく、中核病院としてできるだけのことはやっていこうと思っています。この郡で透析施設があるのはうちだけで、65人ほどが利用されています。16列のCTや1・5テスラのMRIなどもありますので、ある程度の診断はできます。ただ、脳外科や循環器内科の専門医はいませんので、それらの疾患の患者さんは診断がつけば他の病院に搬送することになります。脳外科は県立延岡病院、循環器内科は、熊本市内の済生会病院などが多いですね。

―医療が地域を支える時代になりました。

 本年3月の、総務省の「公立病院改革ガイドライン」をみると、公立病院の再編・ネットワーク化ということが明記されていました。しかし、これは一つの病院、自治体だけでできることではありませんので、周辺の病院や町とも連携をとりながら、考えていきたいと思います。

 私はここに来る前、熊本市立植木病院にいました。熊本市内であれば、くも膜下出血や心筋梗塞になっても15分くらいで病院に行けたのに、2時間近くかかるとなると、その間は患者さんもご家族も心配だと思います。しかし、昼間であればヘリでの搬送が可能です。

―赴任して最初の仕事は。

 地域医療を守るには、医師の確保が大切です。

 当院には常勤医が10人いますが、診療科によっては足りない状態で、熊本大学や済生会熊本病院からの非常勤医師にも来てもらっています。

 職員はとても元気で、前任の箕田誠司院長がずいぶん改善や改革をされたようです。

―熊本から来て、宮崎や高千穂の印象は。

 熊本大学の学生だったころ、宮崎出身の同級生はお

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だやかな性格で、やさしい人が多いという印象がありました。高千穂峡には10年以上前に観光で来たことがあります。

 赴任が決まっていろいろ調べたら、高千穂町は医療についても日常生活についても、けっこう熊本市との交流が深いようです。それで、搬送の際も熊本市の病院を希望される方が多いのかもしれません。

―どうして医者になろうと。

 高校に入ったころ、あまり本を読んでいなかったことに気がついて、いろんなジャンルの本を読みました。その中で心理学や精神分析に興味を持つようになり、そこから医学にも関心を持つようになりました。心の病気を治療するのは、すごいことだと思ったんです。

 医学部に入ってから、いろいろ勉強するうちに外科に興味を持ちました。外科は他科に比べて、治療の効果が見えやすいと思ったのが理由です。

―気分転換には何を。

 疲れをなるべく翌日に残さないようにしています。出張などで移動の時間が長いので、最近はNHKラジオの「攻略・英語リスニング」のCDをiPodに録音して、車を運転しながら聞いています。

―仕事を通じて学んだのは。

 学校では成績で判断され、教師や親から規範を示されますが、世の中にはいろんな価値観や生き方があるということを勉強しました。

 高千穂に来て、100歳を越えても元気な方が何人もいらっしゃることに驚きました。 普通に座って食事をしたり、散歩をしたり、あるいは家の手伝いをしている人も多いです。農業などで身体を動かされていたためでしょうか。ただ、糖尿病の方は多いようですので、内科医と相談しながら、対策をとりたいと思います。

―若い医師に助言があれば。

 実際に医療をやってみると、医師になる前に想像していたこととはだいぶ違うということはあります。情熱を持って救急医療などに取り組んでも、途中でバーンアウトする人もいます。でも、医師の働き方も一通りではないですから、他の職場を見つけることもできます。宮崎県のへき地では、どこも医師を必要としていますので、そういった所で、少し落ち着いて診療するのもいいのではないでしょうか。当院でも、特に内科の医師が足りませんので、ホームページなどを見て興味がある方は、連絡をお待ちしています。


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