人を診る医師として、心に寄り添う医療を

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医療法人ブレストピア ブレストピアなんば病院 駒木 幹正 理事長

駒木幹正(こまき・かんせい) ■略歴 1978 徳島大学医学部医学科卒 1982 財団法人・癌研究会癌研究所病理部留学 1983 徳島大学大学院医学研究科入学 1989 同大医学部附属病院助手 1990 同大医学部附属病院講師 2003同大医学部歯学部附属病院 乳腺甲状腺外科科長 2004同大医学部歯学部附属病院食道・乳腺甲状腺外科副科長 2006 ブレストピアなんば病院院長 2008 同院理事長

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―理事長就任の経緯は。

 私は徳島大学附属病院の食道・乳腺甲状腺外科に勤務していましたが、乳腺科専門病院として全国的に有名な当院の難波清先生から院長就任の要請を受け、9年前、宮崎にやって来ました。難波先生とは財団法人癌研究所乳腺病理部で机を並べた仲で、2008年に退職した難波先生の後を引き継ぎました。

―鹿児島市の相良病院と提携されたそうですが。

 社会医療法人博愛会相良病院は、おもに乳腺に特化した病院でありながら、昨年、乳がんでの「特定領域がん診療連携拠点病院」の認定を受けました。

 この認定には、通常「4大がん( 胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん)」の診療・治療実績が必要ですが、年間約600例、国内5番目の乳がん手術数の実績を持ち、「へき地医療拠点病院」にも指定され、社会医療法人という公共性が、厚生労働省から認められた結果だと思われます。

 医療の道を志し、現場と経営に立つ者として、公共性を重視する相良病院の快挙を、尊敬と羨望の眼差しで見つめていました。以前から乳がん診療の同志であった相良吉昭理事長と拠点病院認定のお祝いの席で、より深い交流が始まったことがこのたびの提携のきっかけです。

 相良病院と連携し、薬品や医療機器の共同購入を行なうことで経済的優位性を確保出来れば、その利潤を患者さんへのサービスに充当し、より患者さんの満足度を上げることが出来ます。

 当院の年間400例の症例数と相良病院の600例を合算すると乳がん1000例に及び、診療数における大規模化、さらには診療の「質の向上」につながります。

 また、専門を同じくする病院同士の交流は、多科からなる病院同士の提携に比べ、互いの事情が分かるため、診療の専門性を高めるのに有効です。

 この提携は決して吸収合併ではなく、それぞれの地域を大切にすることが基本で、ブレストピアにとっては「宮崎の患者さんに寄り添う」ことが主目的です。相良病院のスタイルの模倣ではなく、宮崎の患者さんを救うための提携です。このため、今年7月から「ブレストピア宮崎病院」と改名し、その理念を九州全圏に広げていこうと考えています。

―今後の医療方針は。

 標準的な医療からぶれず、日本の医療の枠組みの中で、ハイレベルな診断・治療を行なう。患者さんの気持ちに寄り添った医療をすることがすべてです。

 乳房を調べると初回の検査でさまざまな所見が見つかります。この所見の中に悪性のものが何%あるかは、長い診療実績から分かってきます。検診はこの所見を見つけ出す作業ですが、その質に関しては玉石混交と言えます。どの程度の所見を要精検としているかは、簡単に識別できません。検診を経て、精密検査をするために当院に来られた患者さんを診断すると、他院で指摘された病変以外のより問題の大きな病変が見つかるケースも多くあります。

 当院では、5ミリ大の病変を見つけ出し、的確に病理診断を行なう実績と誇りを持っています。

―診断力について。

 一番大事なことは、多くの乳がん症例の経験を積み、画像に精通すること。日々同じ業務を誠実に務めている者が最も高い診断力を持てます。 二番目に大事なことは、診断の手段を多く持つこと。

 三番目に大事なことは、その病変が本当に「がん」か否かを見極める「病理診断力」があるかどうかです。初学者は明瞭に良性か悪性かを判別できるケースがベテランより少なく、良悪性の区別が難しいと判断する症例数が多くなります。ベテランはこの判別困難な症例が少なくなります。

 所見に対して検査を行なうべきか否かは患者さんの負担を考えた上で行なうべきです。検査を多用すればするほど、「良性」であった場合は結果的にする必要は無かった検査ということになります。がんを見落とさないためには、所見に対して検査するか否かの判断力が問われます。

 他院に診断や治療の意見を求める「セカンドオピニオン」は患者さんにとって重要な手段です。オピニオンを求める病院の見定めは、一般的には難しいのですが、やはりその疾患の学会ホームページなどが参考となるでしょう。

 一時期どこの病院も温存手術が多く、温存率が70〜80%という状況にありました。温存手術後の放射線照射で、後々障害が残るケースもあり、きれいな乳房の形が残らない場合も「無理な温存はしない」という考えが今では主流で、現在は約50%の温存率です。

 今後は、保険適用の拡大で適確な切除により命を救い、後に乳房を美容的に美しい形へ修復するう手術・治療法に移行していくと思われます。

 「薬物療法」については、乳がん学会等でエビデンスに基づく治療法が議論され、まとめられており、これにならうことが大切だと思います。

―病院の方向性は。

 法令順守に徹し、ハイレベルな診療力のある病院との信頼を得て、乳房のことで心配があれば「あの病院へ行こう」と思われる病院であり続けたい。

 不安な気持ちでシコリの存在を訴える患者さんの気持ちに立ち、病気を告げるタイミングや伝え方に配慮すること。人の数だけ感じ方があることを想像し、相手の心に寄り添うように努める。具体的には、患者さんの病気の状況、家族構成、経済的事情、通院距離なども考慮した上でサポートしていきたいと思っています。


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