大分県北部をカバーできる病院に

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独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 酒井 浩徳 院長

■略歴 1978 九州大学医学部卒業、同第三内科入局 1980 九州大学大学院博士課程入学 1984 同学位取得、国立中津病院内科勤務 1986 九州大学医学部第三内科助手 1990 カリフォルニア大学アーバイン校病理学教室客員研究員 1992 九州大学医学部第三内科助手、同講師 1998 国立病院九州医療センター消化器科医長 2001 九州大学医学部臨床教授併任 2006 国立病院機構別府医療センター副院長 2015 同センター院長■学会 日本内科学会指導医 日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員 日本肝臓学会専門医・指導医・西部会評議員 日本生化学会

 10年近くかけて病院の建物、設備を一新してきた大分県の別府医療センター。この春、就任した酒井浩徳院長に、同センターの目指す姿を聞いた。

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学生のころは、長髪でバンドマンだったという酒井浩徳院長。「学生時代は安いギターを使っていた。今は余裕ができたのでちょっと高価な楽器を買ったら、今度は指が動かない」と笑う。

◆この病院をどう生かすのか

 2008年に病棟ができ、2012年には外来管理棟が完成、今年4月には精神科病棟が稼働し始めました。また、ヘリポートの整備、電子カルテ導入、フィルムレス化も終わり、ここ10年ほどの間に当院は目まぐるしく変わってきたことになります。

 私は2006年に九州医療センター(福岡市)からこちらに移ってきました。10年間の病院の移り変わりを、この目で見てきたことになります。

 これまでは「みんなで新しい病院をつくるんだ」と同じ方向を向いて頑張ってきました。今度は、この病院をどう生かしていくのか、それが大切になってきます。

◆県北の救急、急性期を担う

 この辺りは高齢化が進み、人口は減少傾向にあります。現在、当院の病床数は500床。新規患者を確保することが、経営面の1つの課題です。

 病院が新しくなった今、言い訳はできません。病院はきれい、医療機器もそろっている。それでも選んでもらえないとしたら、努力不足ということになります。

 患者さんの住所を見ると、50%以上の方が当院から10km以上離れた場所から来院してくれていることが分かります。ドクターヘリも週に1回弱のペースで使われています。遠くから来ていただけているというのは自信になりますね。

 目標は、高崎山から北の地域、いわゆる県北をカバーできる病院になることです。そのためには、救急を頑張りたい。このエリアで麻酔科医が2人以上いるのは当院だけですので、2次・3次救急の最後の砦の役割を果たしたいんです。

 ただ、人員的には厳しいです。100人を超える医師がいますが、救急の専門医は現在1人。負担が大きいと思います。また、救急車の要請件数は年々増加していますが、当院の受け入れ体制に限界があり、受け入れ件数はほぼ横ばい。その結果、応需率が低下してきてしまっています。

 救急、また急性期医療を担う病院としての役割を果たすために、医師の確保はとても大切です。

◆臨床研修医数アップ医師獲得に光

 医師確保という面で言うと、1つの大学に依存していては、なかなか厳しい時代です。当センターは以前から九州大学と大分大学の2大学から医師を派遣していただいています。

 また、幸いなことに当院での初期研修を希望する人が増えてきました。

 初期研修医には当院で研修する基幹型と、九州大学、大分大学から来る協力型の2パターンがあります。当センターでは従来、基幹型研修医の定員を4人としていました。それでも、その定員を満たさない状態が続いていたんです。

 しかし昨年、初めて定員を満たす4人が基幹型研修医として来てくれました。今年は定員を6人に増員したにも関わらず、定員以上の応募が来ました。さらに、九州大学、大分大学からの協力型研修医も希望が多くなっています。

 研修希望者数が増えている理由は、臨床研修部長が熱心にやってくれているということもありますし、施設が新しくなったということもあるでしょう。研修医の希望に合わせて、ある程度、融通を効かせた研修メニューが組めること、研修医の数が適度で、多すぎず少なすぎずというのも、いい点だと思います。

 研修医に対してしっかりと指導し、やりたいことには挑戦してもらって「仕事をしていておもしろい病院だ」と感じてもらえればうれしいですね。当院に魅力を感じ、研修終了後も残ってもらえたらいいなと思っています。

◆患者の背景にも目を向ける

 小さいころから何度も入院してきました。小学生で急性腎炎、集団赤痢、高校2年の時には肝炎。肝炎の時は2度にわたって計1年4カ月入院し、その経験が人生を決めました。

 入院先の病院の窓から、通学する学生を見ていました。いろいろやりたい高校生の時期に入院していましたので、思うようにならない患者さんの気持ちが多少は分かる気がします。ですから、医師の基本は病気を治すことですが、それに加えて患者さんの背景にもできるだけ目を向けたいと思っています。

 私の主治医は高校生の私に対しても同じ目線で話しかけ、接してくれました。当直の日は部屋に遊びに来てくれる人でした。私も、患者さんと同じ目線でいたいと思っています。ベッドで寝ている患者さんに話しかけるときには、かがんで目線を同じ高さにする。ささやかですが、そういうことからやっています。


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