5月21日、22日 熊本市内4会場で第51回日本肝臓学会総会に全国から3000人

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 第51回日本肝臓学会総会(会長= 佐々木裕・熊本大学大学院消化器内科学教授 )が5月21日、22日の2日間、熊本市内の4会場で開催された。熊本での肝臓学会総会開催は初めて。参加者は3,000人を超えた。

 出席者が会場でナンバー登録すれば、ネット上で4会場の様子をライブやオンデマンドで視聴できる「e学会」は日本で初めての試みだという。ホテル最上階で昼食をとりながら「ポジティブアクションの必要性と推進」を語る男女共同参画委員会の企画も佐々木裕会長のアイデア。2つを取材した。

「実りの多い学術集会に」と佐々木裕会長が開会あいさつ

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 総会会長を務めた佐々木裕・熊本大学大学院生命科学研究部消化器内科学教授。(5月21日午前8時半=ホテル日航熊本)

 佐々木総会長は冒頭、51回目の本総会を次の50年に向けた第一歩とするべく、メインテーマを「肝臓学のevolution̶より広く、より深く」と設定したと説明した。C型肝炎の治療も大幅に進歩するなど、 肝臓領域の疾病構造は必ず変わっていくことが予想される。そのため、次の研究や治療の対象をどのような疾患、どのような病態に置くか、そしてそれにどのようにアプローチするかを、ほかの領域の最新情報も聞きながら、一緒に勉強していきましょうと話した。

 さらに、「総会では4つの特別講演、3つのシンポジウム、6つのパネルディスカッション、12のワークショップなど多くのプログラムを企画しました。専門領域や興味ある領域の発表や討論を通して、これからの肝臓学を、参加された皆さんと共に考えていきたい」との希望を述べた。

 また新しい試みとして、ウェブを使った「e学会」を導入し、見逃したり、もう一度見たい講演や発表を視聴できるようにしたとの紹介もあった。学会というものは素晴らしい発表と活発な質疑応答が必要で、演者や司会、そして聴衆の先生方の協力と支援で、実りの多い学術集会にしていきたいとのメッセージで、 開会のあいさつを締めくくった。

男女共同参画委員会企画

―ポジティブアクションの必要性と推進―

 政府は男女共同参画社会の実現に向け、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」と目標を掲げているが、多くの分野で達成されていないのが現状。女性の参画の拡大はわが国では喫緊の課題で、男女間の格差を改善するため、暫定的に必要な範囲内で機会を積極的に提供するポジティブ・アクション(自主的かつ積極的な女性の登用)を推進している。

 日本肝臓学会の男女共同参画委員会もこの目標達成の取り組みが必要だとして「ポジティブアクションの必要性と推進」をメインテーマに企画を組んだ。

 総合司会を滝川一・帝京大学医学部内科学教授と橋本悦子・東京女子医科大学教授が担当した。

 特別講演は塩満典子・理化学研究所仁科加速器研究推進室室長(前内閣府男女共同参画局企画官)。わが国の女性研究者の少なさとその原因、対策に関して具体的に数字を示し、最重要課題は、働きやすい環境の整備、リーダーシップ教育だとした(ビデオ講演)。

 パネルディスカッションのあとランチを挟み、滝川教授が「新専門医制度の概要」を説明。コンセンサスの得られている事項とそうでない事項を明確に示した。

 「若手女性研究者から学ぶ」のコーナーでは、中川美奈・東京医科歯科大学医学部附属病院消化器内科医が「C型肝炎の新たな治療戦略」を講演した。

 橋本悦子教授のコメント。「佐々木裕会長のご高配で、熊本城の見える素晴らしいお部屋でおいしいランチを楽しみながらの会となりました。女性の活躍推進に実践的に取り組んでいる男性リーダーの先生方をまじえ、熱いメッセージを発信できたこと、多くの先生方にご参加いただいたことに感謝しています。『若手女性研究者から学ぶ』のコーナーは若手女性研究者の活躍の場となるよう設定しました。中川先生には良い経験となったと信じています。来年のこの会がさらに発展することを期待しています」。

学会総会を終え、佐々木教授のコメント

 第51回日本肝臓学会総会は、平成27年5月21日、22日の2日間、熊本にて初めて開催されました。お天気にも恵まれ、3000名を超える先生方にご参加いただきました。メインテーマ「肝臓学のevolution ―より広く、より深く ―」の元に、肝臓学における次なる研究対象、診療対象をどのように設定し、どのようにアプローチするかを、他領域の最新の知見も学びつつ一緒に考えるという趣旨で、特別講演、教養講座、シンポジウムなどの主題演題を企画いたしました。約1000題の素晴らしい演題のご発表と活発な討論を通して、本学術集会として何らかのメッセージを発信することができたように思います。

 また超音波ハンズオンセミナーやインターネットを用いたe学会を、肝臓学会として初めて取り入れました。とりわけe学会は、主要なプログラムをライブやオンデマンドで視聴できるため、複数の会場にまたがった本総会ではその利便性が証明できました。さらに若手の先生方に肝臓研究の面白みや充実感を伝えるサテライトセミナーも、開催いたしました。

 今回の総会が、これからの肝臓学、そして日本肝臓学会の発展に少しでも貢献できておりましたら、会長としては望外の喜びです。

 最後になりましたが、多方面より多大なご支援をいただきました同門会の先生方、九州地区の先生方、そして教室の皆さんに深く感謝いたします。


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