スポーツ医学を基盤に高知県の競技レベルを底上げする

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高知大学 医学部整形外科 関節・スポーツ外科 内の医療関係者が連携して推進していきます。池内昌彦 教授

私立 六甲学院 六甲高校卒 1995 高知医科大学医学部医学科卒業 1995 高知医科大学整形外科 1999 仁生会 細木病院 整形外科 2001 東京逓信病院 整形外科 2002 高知赤十字病院 整形外科 2003 高知医科大学 整形外科 助手 2007  University of Iowa(アメリカ)留学 2009 高知大学 整形外科 講師 2013 高知大学 整形外科 准教授 2014 高知大学 整形外科 教授

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― 関節外科と脊椎外科のほか、スポーツ医学を研究されています。

 整形外科としてスポーツ医学を前面に出しているわけではありません。

ーツ競技レベルがすごく低いんです。国体などでも最下位になることが多い。そういった状況を改善するため、メディカルチェックなどの活動を通じて競技レベルの底上げを図っています。

― 高知県のスポーツレベルが低いというのは意外です。ご自身のスポーツ歴は。

 野球とテニスをやっていました。私自身が離断性骨軟骨炎、いわゆる野球肘に悩まされていて、今でもその骨片が肘の中でかけずりまわるんですよ。関節鼠と呼ばれるのですが、時折ひどい痛みがあります。

 かつては「スポ根」が普通で、投球制限もなく変化球をたくさん投げていたので、それが原因でしょうね。私自身の経験もふまえ、子どもたちにはできるだけスポーツ障害を起こさないようにしてあげたいと思っています。

― 高齢化に対応する医療とスポーツ医学の二本柱ですね。

 高知県の高齢化率は約30%。へき地にいたっては40%という驚くような数字を目にすることもあります。

 高知県をスポーツで底上げしたいという気持ちはあるんですが、高齢者が多いこともあって、県民のニーズは健康に怪我なく生活できるようにサポートしてほしいということが大きいようです。

 外来診療は週に3回実施し、1日にのべ150人から200人くらいの患者さんを診ています。患者さんは圧倒的に高齢者の方が多く、私自身はスポーツ外来をやっているんですが、それは半日の枠で収まるんですね。若い方はあまり病院に来られず、腰痛やひざ痛といった症状で来る高齢者の方が多いんです。超高齢者の方もいらっしゃって、あまり病院に行けないような方を家族が連れて来られますね。

― 高知県で人気があるスポーツは。

 野球が多いという印象ですね。野球に関しては健康状態をチェックする手帳があります。小学生のうちからメディカルチェックを受けて、肩や肘に故障がないかチェックしています。

 メディカルチェックにに関しては、個々の病院単位ではなく、体育協会やスポーツドクター協議会、整形外科医師が中心になって、それぞれの病院が協力して実施しています。国体の強化選手などは体育協会のサポートですね。

― 昨年、教授に就任されました。後進の医師養成にも目配りが必要になってきます。

 地方大学医学部の、一般的にマイナーと認識されている科というのは、とにかく人員がいないんです。人材不足というのは極めて深刻な問題ですので、地域医療やへき地医療などに興味のある方にどんどん来てもらいたい。来ていただいたら、間口は広く設けていますので、どういう形であっても受け入れられる自信はあります。一般的に医局制度は、入局したら「生涯ずっとそこでがんばりなさい」となっています。そうではなくて、短期間でもいいのでここに来てほしい。

 高知県は、おそらく高齢化率で日本の最先端にいるような地域です。つまり、へき地医療を含めて全般に診ることが

 たとえば膝しか診られない、股関節しか診られない、という狭い「専門」医ではとてもやっていけない。そういう意味ではジェネラリストとして大きく成長できますし、数多くの症例を診ることもできます。そういう意欲や志のある方たちに、短期間でも構わないのでたくさん来てもらいたい。

― 整形外科の醍醐味。

 整形外科医になってよかったと思います。私だけでなく、整形外科を専門にして後悔してるという人には会ったことがありません。

 専門にしているからということではないのですが、整形外科というのは非常にやりがいのある診療科です。臨床という面でいえば、自分の手術の結果で患者さんが歩けるようになることなどを経験すると、医者冥利に尽きます。

 研究の分野でも、他のメジャーな学問と比べるとまだまだ「未熟な学問」で、それは裏を返すとやるべきことがたくさん残されているということなんです。

 興味を維持できて、努力できる分野をみつけたら、その分野ではすぐにリーダーになれるチャンスがあります。

― 最後に、高知県と高知大病院の魅力、強み。

 高知大学は中央の医療機関に比べると圧倒的に医師一人あたりの症例数が多く、手術を経験できる件数も多い。やらざるを得ないので度胸がつきます。

 ずっとここにいてほしい、というよりも、一度はこういう地域で医療に携わるという経験が医師には必要だと思います。私は兵庫県出身ですが、高知が好きになって残りました。そういう人が意外と少なくないんですよ。

 高知県の整形外科医療は、各医療機関が連携してロコモティブ・シンドローム対策を行っています。県によっては開業医と大学の仲があまり良くなかったり、学閥があって集まれないという地方もあるようですが、高知県は非常に仲良くやっています。大学をサポートしてくれる開業医の医師も多い。

 県はロコモ対策で健康長寿を目指すという政策を掲げていますので、県内の医療関係者が連携して推進していきます。


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