成人の8人に1人が慢性腎臓病

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福岡市と福岡市医師会が公開講座で予防よびかける

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参加したのは256人。熱心に聞き、メモを取る人も多かった。

 CKD(慢性腎臓病)を正しく知って予防と治療に役立てようと、福岡市博多区博多駅前の福岡ファッションビルで3月22日、市民公開講座が開かれた。

 主催したのは福岡市と福岡市医師会。開催に際し、福岡市保健福祉局の荒瀬泰子理事と福岡市医師会の西秀博常任理事が主催者あいさつを行なった。

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西秀博福岡市医師会常任理事

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荒瀬泰子福岡市保健福祉局理事

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 講演したのは四枝英樹(福岡赤十字病院腎臓内科副部長)と金澤孝治(同管理栄養士)、鳥巣久美子(九州大学病院腎疾患治療部助教)の3氏。

 またパネルディスカッションは3氏をパネリストに、鶴屋和彦(九州大学大学院包括的腎不全治療学客員准教授)と満生浩司(福岡赤十字病院血液浄化療法内科部長)が座長を務めた。

健診でわかるCKD

 四枝氏は腎臓の機能を①血液の浄化/老廃物や毒素の排泄②体内の水分量や電解質の調整③ホルモンの分泌と調節の3つに分けて説明し、腎臓の働きは年齢とともに低下し、慢性腎臓病=CKDになると腎不全の症状が徐々に進行して、末期になれば透析療法や腎移植が必要となること、脳卒中や心筋梗塞などが起こりやすいと話した。そして「自分がCKDかどうかは検尿と採血でわかるので、まず健診をうけ、もしも異常があれば、近くの内科に相談を」と呼びかけた。

薄味に慣れましょう残す勇気も必要です

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写真=上から、講演する四枝英樹、金澤孝治、鳥巣久美子の3氏。

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左=司会の井芹美穂さん(フリーアナウンサー)。

 金澤氏はCKDを予防する食事療法として、「減塩」、「肥満予防」、「食事のバランス」について話した。

 日本人の塩分摂取の基準は、男性=1日8g未満、女性=7g未満(WHOは5g未満)だが、実際には平均10.2g摂取しており、減塩のコツとして「薄味に慣れること」を挙げた。そして「調味料は上からかけず、つけて食べる」、「調味料で食べるのではなく素材を味わう」、「薄味でありがとうの気持ちで食事を」などと語った。

 肥満予防については、「カロリーの摂取と消費のバランスをとるだけの単純なこと」だと言い、「毎日がお祭りの食卓になっていませんか」と問いかけた。

生活習慣病の予防と血圧コントロールを

 鳥巣氏はCKDの予防と治療について、慢性腎臓病になってしまった状態を完全に正常に戻すことは今の医療ではできないが、ゆっくりと進んでいく病気なので、早期発見と今ある治療法で進行を遅らせることができると述べた。

 生活指導としては①食塩は1日6g未満②アルコールは中等度なら腎障害のリスクは報告されていない③喫煙と肥満は蛋白尿・腎障害の有害なリスク因子④過激な運動や過酷労働でなければ健康維持のための運動や生活のための労働は許容される、などとした。腹膜透析と血液透析のメリットとデメリットについてもそれぞれ触れた。

 パネルディスカッションでは事前に参加者から寄せられた質問に答えた。

 「iPS細胞で腎臓は再生できるか」の問いに四枝氏は「自分の生きているあいだはおそらく無理ではないか」と答えた。

 「食品に記載しているナトリウムは食塩と同じか」の質問に金澤氏は「違うもの。ナトリウム400mgが塩およそ1g分」と説明した。

 「透析は遺伝するか」の問いに四枝氏は「いろんな種類があるから一概には言えないが、こまめに検査を」、また鶴屋氏は、「親子代々引き継がれる家庭環境、家庭の味の影響も大きいのでは」と答えた。

 「透析を続けながらどれくらい生きられるか」には鳥巣氏が「日本の透析医療はとても優れている。35年以上透析をしている人は全国で2000人以上おり、福岡市内にも40年以上の方もいる」と述べた。

参加者アンケートより

回答数=219 人(回答率86%) 
■職業=主婦66 人 無職76 人 医療従事者24 人 会社員28 人 公務員8人 不明1人 学生2人 その他14 人 
■年齢=80 代22 人 70 代 62 人 60 代62 人 50 代30 人 40 代15 人、30 代11 人 20 代7人 10 代1人 不明9人 
■性別=女137 人 男81 人 不明1人 
■講座開催を知ったのは=市政だより57 人 新聞82 人 医療機関35 人 区役所・公民館・図書館等の行政機関8人 福岡市医師会ホームページ7人 RKBラジオ10 人 その他15 人 不明5人 
■糖尿病または腎臓病の 治療を受けているか=はい74 人 いいえ141 人 未回答4人 
■CKDを理解できたか=理解できた129 人 何となく理解できた63 人 理解できなかった1人 未回答26 人 
■講座は役に立ったか=とても役に立った93 人 役に立った100 人 あまり役に立たなかった4人 未回答22 人 
■最も印象に残った内容(抜粋)=食事療法について 定期的 な検診の大切さ 薄味には「慣れる」ということ 
■もっと知りたいことは(抜粋)=たんぱく調整を家庭でどのようにすれば良いか 生活習慣病との関係 初期段階の対応 年齢 における治療基準 糖尿性腎臓に関してもっと知りたい 日本で透析療法が多いのはなぜか 
■参加者の声(抜粋)=来年も是非開催してほしい 大変参考になった ディスカッショ ンの時間が有意義だった 3人の先生の説明を一度に聞けて良かった 資料が手元にあったので良かった 次は分かりやすい場所(会場)でお願いしたい 講師が一方的に話すの ではなく、クイズ形式にして皆が参加できたらよりおもしろいのではと思った 話のスピードをもう少しゆっくりしてほしい 時間が少し短いと感じた


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