人の心は銀行口座 稗田 尚

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 人の心は銀行口座に似ていて、日頃から人を大切にしていると、それが少しずつ「感謝」という預金になって相手の心に貯えられる。逆に苦痛を与えると、それは少しずつ「恨み」という借金になって増え続ける。

 例えば上司の軽はずみな言葉で部下が傷ついた時、立場上これに反論できない部下は恨みを「上司への貸付け」として心にしまい込む。

 この貸付けは、たとえ上司が忘れても、借金の利子が加算されるように少しずつ膨張を続け、やがて上司と立場が逆転したり、上司が不利な状況に立たされた時、部下はこの時とばかりに足を引っ張る。「江戸の仇を長崎で討つ」のである。子供が非行に走るのも、彼らは体力や知恵の逆転を息を殺して待ち続け、その日がくると公然と親から取立てをはじめるからであり、また会社に労働組合が誕生するのも、「仕事の仇を組合で返す」が引き金になった場合も多い。

 逆に、上司が日ごろから部下を頼りにし、人格を認めてやると、部下はそのありがたみを「感謝」の形で心に積み立て始める。これは低金利で、先の借金ほどには急速には増えないが、これを少しずつでも積み重ねていくと、本人は忘れてもやがて大きな預金となり、同じく立場の逆転や大きなピンチに見舞われた時、部下はここぞとばかりに上司の役に立とうとする。なぜなら上司が困った時にしか、部下には預金を返済するチャンスがないからである。

 人は今の優位な立場が永遠に続く保証はない。やがてピンチが訪れた時、部下が走り寄って助けてくれるか、ここぞとばかりに足を引っ張り始めるかは、毎日の何気ない言動の結果による。

 ボールは投げた数だけ、同じスピードで投げ返される。自分がどんな目にあうかは、過去に自分が何を為したかによる。預金すれば引き出して使え、借金したら必ず取り立てられる。あなたは自分のまわりを借金だらけにしていないだろうか。


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