リウマチ診療の充実と地域医療への貢献を目指して

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医療法人千寿会 道後温泉病院リウマチセンター 奥田 恭章 院長

1986 年香川医科大学卒 同大学附属病院研修医 1987 年西条中央病院 1989年道後温泉病院リウマチセンター 1992 年同内科部長 2009 年同副院長 2013 年同院長
■愛媛大学医学部内科学非常勤講師 厚労省アミロイドーシスに関する調査研究班研究分担者 厚労省我が国における関節リウマチ治療の標準化に関する多層的研究班研究協力者 日本アミロイドーシス研究会幹事 リウマチ臨床セミナー代表世話人 膠原病フォーラム世話人 等

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千寿会のサテライト外来は愛媛県内に3カ所のほか、高知と広島に各2カ所、岡山に1カ所ある。奥田院長は高知で診療することが多いそうで、「お酒も美味しいし、高知は好きだ」とのこと。医療従事者に必要なものを聞くと「責任感。ごまかさないこと。協調性。向上心」と答えた。趣味はテニス。

―出身は愛媛ですか。

 生まれは愛媛ですが、三重で育ちました。三重県内の高専に入学し、金属工学の勉強をしていたのですが、エンジニアには向いていないと思い3年で辞め、香川医科大学に進学しました。大学卒業後は、同大第一内科に入局し、リウマチ膠原病グループに所属しました。一年間の大学病院での研修の後、広島の西条中央病院という、リウマチや膠原病の治療に熱心な病院で研修を受けました。ここで臨床の面白みを教えてもらったように思います。

 広島での研修が終わるころ、当時の教授が別の病院でもリウマチを診ておいでと薦めてくれたので、半年のつもりで当院に入職しました。しかし来てみると、本格的に臨床の魅力を知ってしまい、教授や医局長から「帰ってきたら」と言われても「もう少し現場で」と言い続け、今に至ります。

 当院は研究ができるぐらいリウマチの症例が多く、またフローサイトメトリーやPCRのような研究機材も備えています。私は当院での診療をもとに、リウマチに併発する肺病変に関する論文を提出し、博士号を取得しました。学位の制度が変わってしまったので現在はそういうことはできませんが、今でもリウマチ専門病院として、研究ができる病院です。リウマチだけを診ているわけではありませんが、内科、リウマチ科、整形外科、リハビリテーション科の4科が連携して、専門的に治療しています。

 当院には、リウマチを診ていない医師はいません。常勤医は13人で、日本リウマチ学会の指導医が7人います。コメディカルが学会発表を頑張っていることも私の誇りで、病院として援助しています。日本リウマチ財団に認定されたリウマチケア看護師は40人以上います。四国各県のほか、広島や岡山からの患者さんも少なくないんですよ。

 将来的には、リウマチに関わらない医師がいてもいいと考えています。

―ロビーが広くて開放的な病院です。

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別館を解体している様子。(2月25日)

 当院はホテルを改装した病院で、ホテルらしさが患者さんには喜ばれています。設計は病院専用のものではありませんが、私は不便を感じていません。しかし老朽化が始まっており、また耐震基準を満たしていないなどの問題もあります。建てた時の図面も紛失しており、大規模な改修工事は難しい状況です。それで病院の建て替えを決めました。再来年ぐらいには、新病院が建つ予定でいます。

 現在は建て替えの前段階として、立体駐車場を造るために別館を解体しているところです。立体駐車場ができた後に、現駐車場に新病院を建築し、その後リハビリ棟を残して現病院を取り壊す予定です。

 当院は入院の患者さんだけが温泉に入れます。今は大きな岩風呂ですが、新病院では必要な広さがあればよいので縮小予定です。私は医療で勝負したいので、「温泉に入れる病院」であることが重要だとは思っていません。

 現在病院は9階建てです。新病院も敷地面積の関係上、階数の多い病院になると思います。また現病院と同じく、手すりの多い病院になります。

―病床数に変化は。

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病院は小高い丘の上にあり、眺めはよい。敷地内に手すりが多いのも特長で、歩行の練習を楽しむ患者も多く見られた。

 現在の総病床は234床で、新しい病院は1割減の210床にする予定です。外来を重視するならば、外来管理加算の関係で199床まで減らすという考え方もあるでしょうが、さすがにそこまで減らしたら、この地域の医療に十分な貢献ができなくなってしまいます。

 当院は急性期病院や開業の先生からの紹介も多く、外来に特化することはできません。私は2年前に院長になり、病診連携の会議に出たり、周辺の病院にあいさつに行ったりという仕事が増えました。当院はリハビリが非常に充実しているので、近隣の急性期病院に頼りにされることも多いのですよ。近年リウマチ治療の進歩は目覚ましく、特に生物学的製剤はよく効きます。入院が必要な人は減り、退院も早く、その分ベッドが空けられるようになりましたので、リウマチ以外の患者さんも多く受け入れるようになってきました。

 回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の2つで、脳血管障害、運動器手術後、心不全の患者さんを多く受け入れています。現在在宅療養支援病院にもなっており、在宅の方が悪くなった時に受け入れることも多くあります。今後はもっと、PTやOT、STを増やしたいですね。まだ単位をとる余地もあり、今後地域に貢献していく上でも、拡充すべきだと考えています。

 一般病棟は関節リウマチの患者さんが多く入る障害者病棟で、神経難病の患者さんが入院することも多くあります。他院では引き受けづらい患者さんが紹介されることが多く、地域の受け皿になっていると思います。新しい病院でも、障害者病棟を維持していきます。

―新病院の新機能は。

 現在は、生物学的製剤を投与しても化学療養加算がとれません。新病院ではこれがとれる基準を満たします。

 また今は3室と診察室が少ないのでこれを増やして、外来機能の強化もはかりたいと計画中です。特化はしませんが、外来の患者さんを増やしたいと思っています。

 専門病院ですから、リウマチ診療をさらに充実できる病院を作ります。


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