「プラズマローゲン」で認知症改善。世界が変わる、やっと変わる。

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九州大学名誉教授・社団法人プラズマローゲン研究会副代表・レオロジー機能食品研究所代表
医療法人社団ブックス 藤野 武彦 理事長

1964 九州大学医学部卒 1976 同大医学部第一内科講師 2000 同大健康科学センター教授 2002 九州大学名誉教授、レオロジー機能食品研究所代表 2003 医療法人社団ブックス開設、同理事長 2011 NPO 法人BOOCS サイエンス設立、同代表理事 2014 一般社団法人プラズマローゲン研究会設立 同臨床研究部 代表理事日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本超音波学会専門医・指導医など

 「脳疲労」という理論を聞いたことがあるだろうか。医療法人社団ブックスの藤野武彦理事長が提唱し、注目されている。

 この脳疲労の研究を長年続ける中で「プラズマローゲン」という物質が認知症を改善・予防する効果があることを突き止めた藤野理事長。

 500万人ともいわれる認知症の患者を救いたいと奮闘する藤野理事長に話を聞いた。

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―プラズマローゲンとは何なのでしょう。

 人や動物の体内にあり、抗酸化やイオン輸送に重要な役割を果たすリン脂質の一種です。ストレスを受けると脳細胞が酸化され劣化してしまう、これが脳疲労の主な原因ですが、プラズマローゲンは、脳細胞の酸化、脳疲労を守ってくれるのです。

―認知症とプラズマローゲンの関係は。

 認知症の中でもっとも多いアルツハイマー病の研究は、患者の脳内に異常に蓄積するタンパク質「アミロイドβ」や「タウ」に関するものが中心でした。

 プラズマローゲンに関しては、20世紀末にアメリカで、アルツハイマー病患者の解剖された脳で減少していることが明らかになり、その後カナダや我々のチームが、生存中の患者血液で減少している事を見つけました。私は長年の脳疲労の研究から、プラズマローゲンが脳疲労、認知症のカギになると考えるようになりました。

 そこで、国のプロジェクト研究として、プラズマローゲンの抽出・精製から始めたのです。それは予想以上に困難を極めましたが、幸いにも研究チームの馬渡志郎博士がそのほとんどすべてを突破する発見をし、2009年、ついに高純度のプラズマローゲンを大量抽出・製造することに世界で初めて成功したのです。彼は、九州大学の同期で脳神経・赤血球膜の生化学的研究に関しては世界的権威です。これで一挙に動物、ヒトへの投与が可能になりました。

 その結果、九州大学医学研究院( 片渕俊彦准教授) とレオロジー機能食品研究所における動物実験( アルツハイマー病モデルマウス) で、プラズマローゲンは①海馬の神経細胞を新生する②βアミロイドによる認知学習障害を改善する③神経炎症・βアミロイドの蓄積を防ぐ事、及びそのメカニズムが明らかとなりました。

 そこで、今度は2013年に、福岡大学医学部( 坪井義夫教授、合馬慎二助教) と共同でアルツハイマー型認知症40人を対象に単盲検臨床試験を実施。プラズマローゲン1㎎投与群では、プラセボ群に比べ統計的有意に認知レベルの向上が見られました。その後、レビー小体型認知症や意味性認知症でも改善例が見られています。

―現在の状況は。

 昨年11月から、軽症アルツハイマー病400人を目標に、多施設二重盲検臨床試験(6カ月)が開始されました。主宰は、社団法人プラズマローゲン研究会( 代表 大村 裕九大名誉教授) で、医師主導型臨床試験です。

 一方、軽症アルツハイマー病を除く全認知症に対して3カ月間のオープン試験(実薬のみ投与)も実施しています。認知症を治療しておられる医療機関で希望されれば臨床試験機関として登録されますので、是非ご参加下さい。

―医薬品となるのですか。

 新薬の開発には、日本では10年間、200億円かかると言われています。そんなに時間がかかると、団塊の世代が認知症世代になった今、その対策として間に合いません。ですから、プラズマローゲンは、間もなくサプリメントとして実用化するつもりです。その時は、医療機関での利用を中心にする事で、患者さんとその家族に対する的確な支援ができるのではないかと考えています。

―飲み始めたら続けなければなりませんか。

 その研究はこれからになります。中等症の認知症だった方が正常化して3年間維持している例がありますが、止めてくださいと言うのも難しいところがあります。

―認知症のタイプを選ばないというのは特長的ですね。

 アルツハイマー病以外の認知症でも有効であろうということは具体例から推定できますが、実証は今、進行中のオープン試験を待たねばなりません。

 一方、プラズマローゲンは「脳疲労」の時に血中濃度が減少することが次第に明らかにされつつあります。言い換えれば、正常な人は、脳疲労でプラズマローゲンが減っても自力で回復できますが、認知症はそれができなくなった状態と考えています。いずれにしろ、これから血中プラズマローゲン測定は、健康診断の必須項目となるでしょう。

レオロジー機能食品研究所は、そのための簡便なプラズマローゲン検査システムを開発・実用化したので今でも応じる事ができますが、さらに、多数検査を簡単に短時間でやれる方法を開発・実用化中です。

―後進に助言を。

 今の日本、地球の危機を解決するには、医療・医学の急速かつバランスのとれた進歩が必須です。そのためには、専門家のみでなく、すべての医療関係者がそれぞれの立場で、「未知の扉」「夢の扉」を開くチャレンジャーとなることが重要だと思います。また実際、それは可能だと思います。そうすれば、世界は変わります。危機から脱出できます。ただそれは、しばしば絶望体験を伴いますが、しかし必ず「危機は発展の時」という歓喜体験が与えられることも確かですから。

認知症に対するプラズマローゲン含有食品の臨床試験 参加者募集

■募集人数 400 人
■募集期間 2015 年9月まで(募集人数に達した場合終了)
■対象 医師が適当と判断した認知症(軽度認知症または軽度認知障害)で、月に1回7か月間、実施医療機関に通院が可能で、家族(施設等)の協力が得られる人。60 歳以上85 歳以下。問い合わせはプラズマローゲン研究会(電話092-273-2411)へ。


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