災害拠点病院としての機能を強化

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徳島県厚生農業協同組合連合会 麻植協同病院 院長 橋本 寛文

1980 徳島大学卒 同医学部泌尿器科学教室入局 1983 高松赤十字病院泌尿器科 1986 高知高須病院副院長 1994麻植協同病院泌尿器科部長・腎センター長 2003 同診療部長 2007 同副院長 2009 同院長■日本泌尿器学会ボーディングメンバー 日本泌尿器内視鏡学会評議員 日本透析医学会評議員・統計調査委員会地区委員・指導医認定委員会委員・専門医制度委員会委員・専門医試験委員会委員・危機管理委員会委員 日本透析医会徳島県支部長 徳島臓器移植研究会幹事 中国四国臨床臓器移植研究会幹事 徳島透析療法研究会幹事・事務局 四国透析療法研究会幹事

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―5月に新築移転しますね。

 現病院から西に2kmの位置に、新しく病院を建てました。入院患者が比較的少ない5月11日に、「JA徳島厚生連吉野川医療センター」として開院します。由緒ある院名に愛着のある職員も多くいましたが、難読のため学会などで座長の先生に苦労をかけていましたから、移転を機に改めることにしました。全国の人に、吉野川市にあることが分かりやすい名前になったと思います。

 新病院は市から約34,000㎡の吉野川遊園地跡地を提供していただき、建築しました。市内では最も病院に適した場所です。この場所が見つかったので、新築の計画が進んだと言ってもいいと思います。病院にヘリポートを作る案もありましたが、病院の横に国交省の土地があり、そこに防災ヘリのヘリポートを作るそうで、作らないことになりました。偶然ですが、そういう意味でも良い立地だったように思います。

 現病院は駐車場に困っていますが、400台以上停めることができ、問題が解消します。市民の要望の声が高いので分娩を再開し、また将来は診療科目を増やせるようにもしています。また特殊疾患は看護師による外来も視野に入れています。鉄筋コンクリート造7階建てで、延べ床面積は25,000㎡ほど。4階から7階部分に8病棟を配置します。回復期病床をなくし、323床から一割減らし290床。すべてが急性期病床になりますので、今後はますます地域との連携を強固にしなければなりません。アメニティに気を配ったので、患者さんには喜んでもらえると思います。大部屋では、4床すべてが窓際になる個室的多床室です。

 救急室は現在1つですが、多くの救急患者に対応できるように、4部屋に増やします。部屋自体も広く作り、またCTやMRIへの動線も短くなります。

―19年前に災害拠点病院に指定されています。

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(写真上)新病院を南側から撮影したもの。南側は四国旅客鉄道の徳島線が敷かれており、列車から見えるのもこちら側。現病院は徳島線の主要駅である鴨島駅の目前にあるが、病院利用者のおよそ3%しか利用していないため、駅から離れるデメリットは少ないと判断された。(写真中)病院の北側には交通量の多い、徳島県道122号板野川島線が走っており、病院西側にアプローチがつくられている。(写真下)新病院を東側から撮影。西側によく似た外観を見ることができる。病院は水源のそばに所在し、病院の南側を川が流れている。

 救急医療に熱心なこともあり、指定がはじまってすぐに災害拠点病院になりました。今も災害や救急に対する意識は高い病院です。医師の数を増やして、もっと対応力をつけたいと考えています。今医師は35人しかいないので、もう10人くらい増やしたいですね。

 今年の1月17日で阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)から20年が経ちました。当院も当時は揺れましたので、以後耐震構造への改修をすすめてきましたが、一部補強できない建物もありました。また老朽化の問題などがあり、6年前に移転計画が持ち上がりました。私自身、この地域で大規模災害が起きた時、今のままでは建物に被害が及び、十分な医療を提供できない可能性があると、ずっと考えていました。

―県内11か所ある災害拠点の一つが建て替わるということで、機能強化が期待されています。

 新病院は、南海トラフ巨大地震が現実になった際、機能できることを重視しています。徳島市は海に近い医療圏ですので、場合によっては当院が県内の中心的な役割を果たすことも想定しています。水や食料の備蓄も十分です。

 1階は入り口から奥までの100mに、ストレッチャーなどを並べられる広い空間になっています。災害が起こった場合は、ここに患者さんたちを収容することが可能です。

 DMATが今1チームありますが、現在2チーム目を申請中で、開院するころには編成されている予定です。チームを編成することは、単に対応力を上げるということではなく、院内の意識も高まります。

 そして、徳島県は高齢者が多いので、災害弱者に心を配るような病院にしたいですね。

―院長は泌尿器科医ですね。

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 当院は透析患者の多い病院です。災害の時の透析の体制もまた、大事なことだと思っています。私は腎センター長として、阪神淡路大震災の直後から透析患者の災害対策を考えており、県と一緒になって、全体の対策とは別枠で対策をしていました。透析患者に対する訓練は、以前から熱心に行なっています。今は病院全体の防災計画に携わる立場ですが、そうなる前から私は興味を持っていました。

 新病院は水道のほか、1985年に環境庁(現環境省)が全国名水百選に指定した江川湧水源の近くにあり、井戸水も使えます。透析などに必要な、水の心配はしなくてもよさそうです。水・空気・緑と、本当に抜群の環境だと思います。


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