日本尊厳死協会ふくおかは2月8日、福岡市中央区天神の西鉄イン福岡で公開講演会を開いた。
講師は原信之日本尊厳死協会常任理事(九州支部長=上写真)と、九州中央病院の十川(そがわ)博心療内科部長=下。司会を尊厳死協会ふくおかの原田サトミ保健師が務め、開会あいさつを西野宇志(たかし)同ふくおか事務局長が行なった。参加者数は78人で、そのうち会員は51人だった。
原常任理事のテーマは「理想の終焉をめざして」。満足した最期を迎えるためには、死を悲しんでくれる人がいることが大切で、そのためには日ごろから周囲の人との信頼関係を築いておくことだと話した。
十川医師は「緩和ケアにおける心理的サポート」がテーマ。緩和ケアがうまくいけば予後が延びることが証明されているが、がん専門の病院でも緩和は半分くらいしかできていない。麻薬やモルヒネに誤解があるからで、医師の指導で使用した場合に中毒になる確率は0・2%、安心して使ってほしいと語った。また「患者さんは家族に言えない胸の内を吐露することがある。それは生きた証を託していると私は理解している。会話が生まれた時、短い時間でも患者さんは病気から抜け出している」と話し、医療者はメッセージを受け取る立場でもあり、それが寄り添うことだと述べた。