昨年12月20日、福岡県久留米市の久留米市民会館で「こころを元気にするコツ」をテーマにうつ病対策講演会が開かれた。講師は国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター長の大野裕氏。一般市民や医療関係者など約650人が参加した。
大野氏は講演の中で、よくある心のクセとして「どうせ何をやってもムダだ」などと「思い込み・決めつけ」で自分を追い詰めていないか、現実に目を向けることが大事だと語った。質疑では「うつ病の友人の話を聞いていると落ち込む。対応を知りたい」など9人の質問に応じた。
ある参加者は「すべてがダメだと思わないで、どこがダメなのか絞り込む大切さを学んだ」。また40代の男性は「うつ病の治療中です。回復のきっかけが見つかればと思って参加しました。少し出口が見えた気がします」と明るい表情で語った。主催した久留米市保健所保健予防課は「同氏を招いた3年連続の講演会で参加者は毎年200人ずつ増えている。認知行動療法の注目度は高い」と話している。