久留米大学 学長 永田 見生
謹賀新年。皆さまは、清々しく新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
本学には文系学部、医学部(医学科、看護学科、臨床検査専門学校)、附設中学高等学校がありますが、教学の長として医学部に関する所感を述べます。
昨年末の医学部教授会で、積年の念願である医療の開発・革新を支援するARO(Academic Research Organization)設立に向けたWG が組織されました。国際水準の質の高い臨床研究・治験が確実に実施されるARO は、臨床研究を強みとする「教育と研究」の機関として全国に周知され臨床研究を収益事業として展開する事で、基本構想である「安定した財政基盤の確立」に貢献できます。本年、ARO の頭脳であるデータセンターの設立で、平成15 年度文部科学省科学技術振興調整費(年間1億、5年間)による人材養成ユニットとして開設したバイオ統計センターが生かされ、本学の臨床研究は加速されます。
医学部の使命はブランド力の向上です。医学科は、新設される医学教育研究センター主導でレベルアップされ、医師国家試験合格率等の向上が期待されます。
看護学科は、新卒の国家試験合格率が100% と常に高い合格率を維持し、認定看護師教育センターの充実、大学院構想など、着実に進化しています。全国的な看護学科の増設で競争が激化していますが、医学部を持つ本校の学修特性を生かした一層の充実した教育を期待します。
臨床検査専門学校は、新卒者の臨床検査技師国家試験合格率、就職率とも100% で、レベルの高い教育を行っていますが、新時代の臨床検査技師養成を目指した益々の充実を願っています。
学校教育法の一部を改正する法律が施行規則の一部を改正する省令と同時に平成27 年4 月1 日から施行されます。主な改正は学長のガバナンス、すなわち、学長の最終的な決定権の担保です。今回の改正により、学長は現在に増して大学運営に権限と責任を有することになります。私は、各機関を有効に活用し、意見を参酌し、久留米大学が果たすべき役割と進むべき道を的確に捉えた上で、自らの説明責任を果たし、透明性の高い大学運営を行う所存です。
平成27 年の干支は乙未(イツビ、きのと・ひつじ)で、干支学では、創造的着実に事を進めて成果を得る年です。大学のガバナンス改革、ARO 創立等、本学の将来を担う構想を神代正道理事長のご協力を仰いで具現化する決意です。本年も皆さま方の一層のご発展とご清栄を祈念し、久留米大学に対するご支援を心からお願いいたします。