新春にあたり

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福岡市医師会 会長 江頭啓介

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 年頭にあたり新年のご挨拶を申し上げます。

 今年の干支は乙未(きのとひつじ)です。羊は群れをなして行動するため、家族の安泰や平和をもたらす縁起物とされています。長く平和と繁栄を享受してきた日本は、羊のようにおとなしい国民性となっていますが、これが却って周辺国にあらぬ考えを起こさせているのかもしれません。お互いの平和を守るには、羊の皮をかぶった狼とまではいかなくても、時にはハリネズミぐらいにはなる覚悟を持った国となる必要があるのではないでしょうか。本年は安泰と平和をもたらす羊にあやかって、我が国と周辺国との外交・国防上の諸問題が沈静化するよう期待したいと思います。

 昨年9月、我々医療人の精神的支柱であった経済学者の宇沢弘文先生が逝去されました。宇沢先生はいわゆる市場原理主義に対し批判的で、人が人間らしく生きるために欠かせない医療や教育、自然や環境といった社会的共通資本は市場競争に委ねず、人々が共同で守る財産であるとし、それらの基盤が確保された上に市場競争があるべきと考えておられました。昨今、営利を最優先したビジネスが遠因と思われる製薬会社の薬効に関する治験データの恣意的解釈や改ざん等が問題となっておりますが、我々には高い倫理観を持った行動が求められていると思います。

 我が国は2025年には人口の3分の1が高齢者となる超高齢社会を迎えます。高齢社会は多死社会でもあり、これから多死社会に向き合う医療のあり方が問われています。昔、めでたい言葉を書いてくれと頼まれた博多聖福寺の仙厓さん(1750〜1837年)が書いた言葉が、「祖父死父死子死孫死」(親死ぬ、子死ぬ、孫死ぬ、めでたやめでたや)です。家族が順番に死んでゆき、しかも家が続いてゆく事はおめでたい事に違いありません。家が続き社会が続くためには、子供が沢山生まれなければなりません。これからは子供を大切にする社会の仕組みを作り上げるために、高齢者は出来る限り自立、自助へ精進し、子育てを支援していくことが必要です。そして、子供達に私たちの未来を託したいと思います。

 本年が明るく活気のある社会を創る年になることを願いますとともに、皆様方にとりましても幸多き年でありますよう心より祈念申し上げます。


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