福岡県医師会 会長 松田峻一良
新年明けましておめでとうございます。健やかに2015年の新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は、度重なる台風の襲来や天候不順により、特に夏季は日照時間が少なく農産物をはじめ様々な分野で影響が出ました。同じ時期に、デング熱の感染や西アフリカをはじめとするエボラ出血熱の急速な感染拡大等の危機的な情報に触れ、現在福岡県における必要な体制構築への支援を進めております。
また、発生してからでは遅い災害時への対応として、相互支援に関する協定を7月に九州各県医師会と締結し、被災地県医師会からの情報の伝達が不可能な場合でも各県医師会の判断で独自に支援活動を行える体制を構築しました。
さて、国内総生産(GDP)の7月〜9月期の速報値が年率換算でマイナス1・6%と2四半期連続のマイナス成長により、安倍首相は、消費税率10%への引き上げを2017年4月まで延期する方針を表明しました。
この度の衆議院選挙では、与党の自民・公明両党が全議席の3分の2以上を確保して圧勝し、現在、医療における控除対
象外消費税問題の取り扱いを含めた2015年度税制改正大綱の議論が年末の取り纏めに向けて急ピッチで行われております。
2015年度当初予算案も年明け早々にまとめられる予定ですが、消費増税先送りによる財源不足をどうするのかは明確にはされておりません。
社会保障の充実は国民との約束です。今回の増税見送りの影響が社会保障に及ばないように財源措置と充実を求めることが急務となります。
地域医療構想につきましては、医療介護総合確保推進法により、二次医療圏ごとの将来必要な医療機能を含めて策定することになっておりますが、今後の人口の推移や医療の需要と必要な医療資源はそれぞれの地域で異なります。これまでのように、国が全国画一の医療提供体制を示すのではなく、各地域で行政と医師会が主体となり、地域の実情を反映した、地域医療提供体制を構築していくことが県民のためにも重要となってまいります。
福岡県医師会診療情報ネットワーク(とびうめネット)につきましても来年度から県下全ての医師会における運用を目指してまいります。
社会構造の変化と激動する医療界を目の当りにし、継続しながら改革を迫られる現状に是々非々として対応していかなければならないと感じております。
本年も引続き、地域医療の充実に向けて努めてまいりますので、ご協力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。