各区医師会長が語る 創立30周年

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「会員力合わせて」の決意を新たに(城南区)

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福岡市城南区医師会長竹田和夫
◆城南区30 年の移り変わり
医師会会員数71 人→137 人
※人口12 万515 人→13 万28 人

 昭和47(1972)年、福岡市が政令指定都市に昇格し、東、博多、中央、南、西区の5区制となりました。その4年後の昭和51(1976)年には福岡市医師会の中にも各行政区に合わせての5区医師会と勤務医会が発足しました。

 その後、昭和57(1982)年には西区人口の増加により城南、早良、西の3区に分割されました。このため、その2年後の昭和59(1984)年には、やはり市の行政区に合わせて旧西区医師会が西、早良、城南の各医師会に分割されました。

 創立当時の城南区医師会会員数は71人だったとのことです。平成26年の今年、創立30周年を迎えたわけですが、現在は137人になっています。

 この間の会長職は、初代は台惠次郎先生が務められ、その後、順に 岸営美先生、安元桂三郎先生、金谷久司先生、那須康典先生、小河美博先生が務められました。先人のご苦労のおかげで、30周年を迎えることが出来たと感謝の気持ちでいっぱいです。

 この30年で城南区の人口は7%増と、ほとんど増加していません。ちなみに、同じ期間の早良区の人口は23%増。西区に至っては66%増です。城南区の人口がほとんど増えていないということは、高齢化が進んでいるということです。城南区は、福岡市内の各区の中で、高齢化率がもっとも高くなっています。

 といっても人口がほとんど増えていない中で、医師会の会員数は約2倍に増えていることや、福岡大学病院がありたくさんの医師がいること、さらに福大病院が救急もある程度やってくれていること、その他にも救急告示病院があることを考えると、地域の方々の医療環境としては、悪くないのだろうと思います。

 城南区医師会はこれまで親睦を中心として、和気あいあいと活動してきました。小さな区で、増えていると言っても医師会の人数もそう多くはないので、先生方同士の連携は自然に取れているのではないかと思います。

 これからますます高齢化が進んでいきます。また、医学の進歩、情報通信技術や工業技術の進歩もあります。それらに伴い、医療体制が大きく変化していくであろう時代に突入していきます。医師会もいろいろな決断をしながら、未来に向かって頑張っていくしかない時代に入っていきます。これからも、会員力を合わせ、難局を乗り切っていかねば、と決意を新たにするところです。

今までの30年、これからの30年(早良区)

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福岡市早良区医師会長 長澤一成
◆早良区30 年の移り変わり
医師会会員数126人→240人
※人口17万3842人→21万5390人

 早良区医師会は初代竹林直幹先生に始まり、2代相浦昭彦先生、第3代八田善弘先生、第4代森龍平先生(現中央区)、第5代岡田象二郎先生、第6代原口信二先生、第7代北口安芳先生とバトンを繋いできました。

 早良区の人口は、医師会創立の昭和59(1984)年に17万2039人だったものが、平成25年には21万4082人に増加しています。

 早良区医師会発足当時の会員は126人でしたが、現在では240人の規模となっています。地域医療を混乱なく維持して来られた歴代会長の統率力とご尽力には、改めて敬意を感じる所です。

 2025年には、いわゆる団塊の世代と呼ばれる方々がすべて75歳以上となり、高齢化が進みます。

 これに伴い、今後10年にわたり、人口の一極集中化はさらに進むと考えられます。中でも福岡市は、人の集中が予測される筆頭都市のひとつです。人が集中する地域には、当然あらゆるものが集まってきます。

 早良区の最近の特徴として、去年の夏から今年9月にかけて新規開業が非常に増えました。それまでは年2〜3件でしたが、この1年間は10件を超え、来年にかけてさらに増える勢いです。

 この増加が偶然なのか、今後の傾向の始まりなのか、まだ精査できていませんが、今後の新規開設が人口増や需要に見合った増加か、十分注意を払う必要があると思います。

 一方で、仮に現在の医療機関増が、需要に見合ったものだとしても、20年、30年後、高齢者が多く亡くなり、人口が減少していく時代に入ったとき、この増えた医療機関はどうなっていくのでしょうか。今は、この20年をどう乗り切るかが議論の中心となっているようですが、医師会は、超高齢化時代の後を見越して、その策を練る必要があると思います。

 早良区には、訪問診療、在宅医療で「赤ひげ大賞」をもらわれた二ノ坂保喜先生がいらっしゃいます。区医師会の講演会で二ノ坂先生にお話しいただいたり、また最近は在宅医療、緩和ケアを中心とした診療をする機関が新たに仲間に加わったりするなど、当区の地域包括ケアに向けた動きも活発になってきています。

 今後の課題は、地域包括ケアに向けての医療機関同士の連携ですね。24時間体制を外来診療所も要求されるようになってきました。でも、少ない人数の医師で運営している診療所が単独でそれを実現するのは難しいことです。お互いが連携し合っていく必要があると思います。

【寄稿】西区 福岡市西区医師会長 岩尾憲夫

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福岡市西区医師会長 岩尾憲夫
◆西区30 年の移り変わり
医師会会員数75 人→191 人
※人口12 万781 人→20 万2804 人

 昭和47(1972)年に福岡市は政令指定都市なりました。福岡市医師会は同51(1976)年4月に区制に変わり、城西部が中央、南、西区の3つに分かれ旧西区医師会が誕生しました。

 昭和50 年頃、開業内科医が最も困っていたことは、寝たきり老人の入院を引き受けてくれる病院が極めて少なかったことで、寝たきり老人を抱える家庭では家庭崩壊の危機を孕(はら)んでおりました。当時の宗会長と松口情報委員長が佐世保の白十字病院に出向き、高い評価をして西区進出を歓迎するという結論を出しましたが、白十字病院の建設が遅れる間に、和仁会病院が西区に初めて進出し、その後、老人病院の建設ラッシュとなりました。また竹林会長は、会員の融和のため演芸会や、船上パーティーなどを盛んに催され大いに盛り上がっておりました。

 その後、旧西区医師会は地域の広大さと人口急増のため、城南、早良、西の3区に分区することを決め、処理に2年間をかけて同59(1984)年4月に3区医師会に分かれました。同58(1983)年11 月にお別れ演芸会が開催され、参加者500 名の大盛会だったと記録されています。昭和51 年の会員数は221 名、分区前の59 年1月は286 名でした。

 新西区医師会の初代会長に迎菊郎先生が選出され、創立総会が昭和59 年4月西新福寿飯店で開催されました。当初の会員数は75名と分区前の4分の1になりました。創立10 周年祝賀会は平成6(1994)年10 月2代目会長道永顕先生の下で博多東急ホテルで催され会員数は117 名でした。3代目の会長は緒方佳晃先生が2期、4代目は鳥越隆三先生が2期、それぞれお務めになりました。創立20 周年は平成16(2004)年10 月、5代目会長の高森邦明先生の下、西鉄グランドホテルで開催され会員数は147 名でした。

 昭和58 年3月に地下鉄空港線の室見駅と姪浜駅間が開通して西区の飛躍が始まりました。爾来、地下鉄3号線の橋本駅への開通、九大の移転、都市高速環状線の開通、周船寺周辺の都市整備事業など地域のインフラ整備が進み、福岡市で最も人口が増える地域となりました。比例して医療機関も増え、会員数は現在191名となっています。

 西区医師会には隣組が9組ありますが、それぞれ活発に活動しており、親睦旅行や飲み会も盛んで会員同士の仲間意識がとても強い医師会です。このつながりの強さが、課題である地域包括ケアシステムの構築や在宅医療の推進に繋がるものと期待しております。

 創立30 周年祝賀会は今年7月26 日に西鉄グランドホテルで開催され、記念講演では長野県の諏訪中央病院名誉院長、鎌田實先生に「"がんばらない" けど、"あきらめない" 命を支える在宅医療」の演題で特別講演をしていただきました。若くして院長になられ、赤字病院を黒字に建て直し、地域での健康づくり運動、住民とともにつくる医療を実践し、長野県の脳卒中を激減させました。さらには在宅医療の先鞭をつけ、デイケアを日本で最初に始め、患者さん・家族に寄り添う在宅医療をチームで発展させています。

 さまざまなエピソードを交え楽しいお話をお聞かせいただきました。最近は「病気や障害があっても、旅をあきらめない」としてバリアフリーツアーを企画・実行し、要介護5の寝たきりの方々もボランティアの方々に支えられながら旅に出ています。また東日本の被災地支援に力を注ぎ、先生の発案の「千人風呂」は地元の方に喜ばれるとともに、交流の場ともなり、支援活動が終了した後もしばらく続いたそうです。最後に会員の先生方に「在宅医療を臆せず気軽に実施して下さい」とのメッセージをいただきました。

 江頭啓介福岡市医師会長、松田峻一良福岡県医師会長より祝辞もいただき、来賓紹介の後、緒方佳晃元会長に思い出話と乾杯の発声をいただきました。地元デュオ「ハル」のラテンの音楽の演奏を聴きながら、大いに飲んで、食べて、語らい、楽しんでいただけたと思います。

 皆様のおかげで西区医師会は無事30 周年を迎えることができました。支えていただいた方々に心より感謝を申し上げるとともに、今後の発展を目指したいと思います。

※1984 年と2014 年のそれぞれ10月1日現在。福岡市統計による


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