九州ホスピタルショウ開催

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第10回に3120人来場

 11月5日と6日の2日間、福岡市博多区の福岡国際会議場で第10回九州ホスピタルショウが開催された。主催は㈳日本経営協会、共催は九州医療機器団体連合会。主催者発表によると、来場者は2日間で延べ3,120人だった。

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安井久喬・九州ホスピタルショウワーキング委員長

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小原隆・岡山旭東病院情報システム課長

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久留米大学病院医療情報センタ―の下川忠弘係長

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医療機関向けの情報漏えい対策ソフトも出展された

 九州ホスピタルショウワーキング委員会の安井久喬委員長は開会挨拶で「毎年11月を楽しみにしている。今年も非常に良い講演者が集まった。今回めでたく第10回を迎えることができたが、今後もこの催しが栄えることで、医療が見直され前身していくことを期待している」と述べた。

 37社の企業出展があったほか、併設されるふくおか福祉機器展に4社が出展した。㈱ディー・オー・エスでは、医療機関向けの情報漏えい対策ソフトを出展し、松山と埼玉の病院での導入事例を示した。現在九州での導入は少ないが、ベネッセコーポレーションの大規模顧客情報流出問題以降、関心を持つ病院が増えているという。

 会場では看護や医業経営など多くのセミナーが開催された。病院IT化セミナーでは、岡山旭東病院(岡山市中区)情報システム課の小原隆課長と、久留米大学病院医療情報センター情報企画支援部門の下川忠弘係長が登壇した。小原課長は中小病院の電子カルテの導入事例を発表。導入時に電子カルテシステムのソフト構成に悩んだ経験や、3年間紙カルテと並行運用した経験を話した。導入後は、メーカーに依存しすぎないことと、セキュリティのためのモラル教育の重要性を語った。下川係長は「医療情報システムを導入する時、業務フローを予期せぬ形で変化させることがある。新たなフローを急速に適用することは従前の業務を阻害し、安全性を犠牲にする可能性もある。医療情報システムを現場の業務に組み込む場合は、配慮が必要だ」と述べた。長期にわたる診療記録を参照しやすい仕組みや、宮崎大学とデータを相互にバックアップしていることなどが紹介された。

●粒子線治療について

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安井久喬・九州ホスピタルショウワーキング委員長

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小原隆・岡山旭東病院情報システム課長

 第10回の記念講演として、佐賀国際重粒子線がん治療財団の十時忠秀理事長と、メディポリスがん粒子線治療センターの菱川良夫センター長が登壇し、重粒子線治療と陽子線治療についてそれぞれ語った。

 十時理事長は佐賀大学の麻酔科教授だった時の経験から、骨肉腫の患者が四肢を切り落とし疼痛や幻肢痛に悩まされたことや、頭頸部の骨肉腫で顔が変わった患者が治ったにもかかわらず自殺した話をした。重粒子線治療では、これらの腫瘍を切らずに治療することが可能であると述べ「重粒子線が万能の治療法だとは思わないが、必要性がある」と発言した。

 財団が運営するサガハイマット(鳥栖市)は、佐賀県だけでなく、九州全体のプロジェクトとして進められ、福岡県からは6億円の支援を受けているという。支援の際、小川洋福岡県知事は「医療に県境はない」と発言したといい、事実サガハイマット利用者の54%は福岡県民。サガハイマットは新幹線停車駅である新鳥栖駅の前にあり、山口、広島からの患者も多い。

 当初サガハイマットは陽子線治療の施設として計画された。十時理事長は「医師として破壊力の強い重粒子線を治療に用いるのは怖い気持ちがあった。しかし、経済界に新しいことをやろうと後押しされた。陽子線では治しづらいがんもあるので、今では良かったと思う」と述べた。またサガハイマットが今年10月にグッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)を受賞したことも報告された。

 菱川センター長はX線やガンマ線を用いた光子線治療と、粒子線治療の違いを解説し、また陽子線治療が眼の腫瘍の治療から始まったと歴史を解説した。菱川センター長は陽子線と重粒子線の両方の治療施設を持つ兵庫県立粒子線治療センターの初代院長。その時の経験から「機械が重要だと考えていたが、それが発達すると人が重要なことが良く分かった。治療計画をきちんと立てることのできる医師や、多職種の連携がなければ、難易度の高い治療はできない」と述べた。

 現在センター長を務めるメディポリスがん粒子線治療センターは観光地である指宿市にあり、元グリーンピアの敷地。「リゾート地での陽子線治療だ。これまで中国人11人、ロシア人1人の治療も行なった。JCI認証(国際的な医療機能評価)を取得し、今後は海外からの患者も増やす予定」と、抱負を述べた。


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