優しさを現実にする病棟をめざして

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公立学校共済組合 九州中央病院病院長 飯田 三雄

山口県下関市出身 1971 九州大学卒 1978 九州大学医学部 助手1981 松山赤十字病院消化器科部長 1983 九州大学医学部附属病院助手 1988 九州大学医学部附属病院講師 1993 川崎医科大学消化器内科教授 2001 九州大学大学院医学研究院教授 2010 現職

 公立学校共済組合九州中央病院は現在、3期に分けて計画している病院開発計画の第2期工事中で、全個室の新病棟を建設中だ。公的医療施設では全国でまだあまり例がない。10年先のニーズを見据えた決断で来年1月16日に竣工。2月末に移転。3月1日に本格稼働する。全ての事業が完了するのは平成28年度の予定。

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Q.新病棟建設のいきさつを聞かせてください。

 現在の病棟が昭和56年建築なので、もう30年経ちます。

 古い基準で建てた医療施設ですから大部屋主体でトイレも良くなく、院内感染症も起こりやすいという問題がありました。

 全室個室化は入院患者さんの要望から生まれた計画で、実際に最近では個室のニーズが高いのです。金額も民間の入院保険でおさまる設定にします。

 公的病院では全室個室の病棟はまだ少ないですが、今から10年先には常識になります。当院がモデルケースになればいいと考えています。

Q.看護体制はどうなりますか。

 7対1看護330床の許可病床は変更なしです。

 1階部分が外来患者の待合室、売店、イートインコーナーなどの共用部分、2階が入院患者のラウンジ、図書コーナー、リハビリ、コインランドリーなどの共用部分、3階から8階までが入院病棟。2階から先は入院患者のみカードチェックで入れ、一般、外来患者は上がれないようにセキュリティを強化します。

 3階から8階までの病床部分の看護体制はワンフロアに左右2か所のスタッフステーションを設け、それぞれが専用の見守り体制で、緊急時に対応しやすくなります。

 当院では電子化カルテを6年前から導入していますが、これを発展させて無線LANで通信可能な専用タブレットを看護師が常時携帯し、患者情報を即時に更新して医療スタッフ全員で情報をリアルタイムで共有します。

Q.新病棟のコンセプトである「患者にやさしい。職員にやさしい」とは。

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外来棟、ICU棟、今回建設中の入院棟に加え、既存病棟解体後に栄養管理棟、透析・健診棟を建設し、将来的に5棟を接続する計画である。全個室の病棟で、地域住民へ質の高い医療を提供する。

 患者さんにとっては、もっと快適に、われわれ職員はもっと働きやすく、創りかえるということです。当院は急性期を担う病院として、病室の設計もベッドを手前に配置できるようにして緊急時の処置を容易にするとともに、その結果、奥に配置されることになるトイレの壁をアクリルにして採光と景観を極力犠牲にしない設計にしました。

 現在の厨房も栄養管理棟として新たに生まれ変わります。調理スタッフの休憩所を専用化し、トイレも衛生面から、医療スタッフとは別にします。

 10年後に後期高齢者になるのは、人生を謳歌する団塊の世代です。

 入院療養に関し必要最低限の設備である無料の個室と、インテリアの重厚感、広さ、大型壁掛けテレビなどで差をつけた有料の個室、さらに特別室を5室用意して選択肢を広げています。

 病棟2階の入院患者専用フロアには、ラウンジ、図書室、医療秘書によるコンシェルジュカウンターを設置します。

Q.透析と人間ドッグの施設として腎センター・健康管理センター棟については。

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患者一人ひとりの「個」を尊重する、従来の病院にはない、居心地の良い医療空間となっている。将来の患者ニーズを先取りする室内は、日常の見慣れた生活空間に近い、病室らしくない落ち着いたデザインだ。

 1階が公立学校共済組合員の人間ドックのための健康管理センターで、一般外来と完全に分けます。

 2階が腎センターで、外来透析、入院透析、包括的な腎疾患全般のケアを行ないます。

 3階がメンタルヘルス情報管理室になり、ここで休職中の教職員の職場復帰相談と支援、アンケートのデータ入力と分析をします。教職員の精神疾患による休職者数は深刻化しています。文部科学省の外郭団体である当院が、今回の新病棟建設でモデルケースとしても稼働します。

 また、医局、部長室、研修医室、指導医とのカンファレンス用の会議室、ミーティングルームも同じ3階にアメニティの向上と働きやすさを目的に刷新します。

 患者にとっては快適さ、職員にとっては働きやすさを実現した病棟が誕生します。


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