患者の権利オンブズマン(福岡、北九州、筑豊相談室) 2013年度の苦情相談108件

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 科目別にみると内科27、小児科1、外科10、脳外科10、整形外科10、美容整形科2、産科1、婦人科1、眼科8、耳鼻科3、泌尿器2、皮膚科1、精神科8、歯科12、緩和ケア2、その他10(脳外科は脳神経外科を含む)の合計108件。

 相談者と該当施設、内容、オンブズマンの助言は次の通り(数回に分けて掲載)。

●個室の差額ベッド代を返金してほしい

患者80歳代男性=国立病院(福岡)

〈概要〉夫は肺がん末期と診断された。大部屋入院を希望し了解を得た上で転院した。主治医からの病状説明中に、5通の書類に看護師から署名するよう言われ、内容を理解しないまま署名した。空き病床がないと個室に入るよう言われ、個室料金は払えないと言ったが対応してもらえなかった。退院時に差額ベッド代3日分を支払った。後日、返金を求めたが、特別室入室申請書に署名があると拒否された。返金してほしい。

アドバイス:(記録検討支援実施)相手方との話し合いを勧めた。

●入院中腹痛に対応してもらえなかった

患者70歳代女性=大学病院(福岡)

〈概要〉パーキンソン病で通院中の病院から紹介され大学病院に入院した。夜間に腹痛があり泌尿器科の病気だと思ったが、主治医は他院処方の便秘薬が原因と言った。尿量検査のみで薬を服用しても痛みが続いた。退院後、他院で処方してもらった薬で腹痛はなくなった。腹痛に対応してもらえなかったことについて、病院長に手紙を出したが返事はなかった。謝罪をしてほしい。

アドバイス:治療に専念することを勧めた。

●再申請した労災を認めて欲しい

患者50歳代男性=その他(不明)

〈概要〉仕事場で転倒した2日後に頚椎損傷が分かった。半年間入院した病院を退院し、リハビリ開始後に麻痺が憎悪し、他院で手術を受けた。症状固定後、下肢2級と障害認定された。労災申請し不支給決定とされたため、再調査を申請し受理された。相談した弁護士から当会を紹介された。今後どうすればよいか聞きたい。

アドバイス:法的手続きに関する情報を提供した。

●高気圧酸素治療が遅れ、右耳が聞こえなくなった

患者70歳代女性=医科診療所(福岡)

〈概要〉6年前、右耳に突風が吹くような異常を感じ受診。医師に精神的なものと言われ点滴を受けた。12日後、紹介された大学病院受診。入院して高気圧酸素療法を受けた。突発性難聴だと思うが、右耳が聞こえなくなった。すぐに紹介してくれなかった医師の責任を問いたいと考え、弁護士にカルテコピーを預け、5年以上経つが連絡がない。

アドバイス:弁護士にカルテコピーの返却を求め、再面談することを勧めた。

●右母指ばね指の再手術をしてもらいたい

患者60歳代男性=民間病院(福岡)

〈概要〉右手ばね指のため腱鞘切開術を受けた。10か月経っても痛みがあり、指の付け根が動かず、重たいものが持てないので仕事ができない。再手術を希望して大学病院を受診したが、資料がないからと、手術を受けた病院の受診を勧められた。その病院でもできないと言われた。何故できないのかオンブズマンに聞いてもらいたい。

アドバイス:相手方に話を聞くことを勧めた。

●未破裂脳動脈瘤の手術後に寝たきり状態になった

患者60歳代女性=医科診療所(福岡)

〈概要〉(2回目)カルテコピーを入手した。術前は、未破裂動脈瘤の文献を示して、破裂の危険性を強調するのみで、手術以外の治療法の説明は全くなかった。手術直後は、手術は成功したと言われた。妻が動けなくなった原因については、時間が薬と言う説明だけだった。手術ミスがあったと思う。裁判したい。

アドバイス:(記録検討支援実施)医療事故相談窓口を紹介した。

●話を聞きたいので、同行支援してほしい

患者30歳代男性=医科診療所(福岡)

〈概要〉15年前、対人恐怖症と診断された。その後、転院を繰り返していた。不眠があり、受診したが時間がなく、薬の処方だけを受けた。翌日医師に電話すると「君の話は長いんだよ。しつこい」などと言われた。医師の発言の意味を知りたいが、医師が怒って話ができない。冷静に話を聞きたいので、同行支援をしてほしい。

アドバイス:相手との話し合いを勧めた。

●再発後、適切な治療をしてほしかった

患者40歳代女性=民間病院(福岡)

〈概要〉1年4か月前、悪性リンパ腫と診断され治療を受けた。転院して臍帯血移植を受け、自宅療養していた。1年後再発し、骨髄移植を受けたが状態悪化。2か月後、抗がん剤などの治療を受けたが急変し、医師から腫瘍細胞崩壊症候群と言われた。多臓器不全となりICUへ移ったが、死亡した。再発した後、適切な治療をしてほしかった。補償請求したい。

アドバイス:医療事故相談窓口を紹介した。

●頚部にできた脂肪の塊を摘出後、痺れが続いている

患者60歳代女性=民間病院(福岡)

〈概要〉(2回目)炎症性粉瘤の手術を受け、術後9か月経過したが、左頬の痺れが続いている。紹介されたペインクリニックでは内服薬の処方を受け、週2〜3回の通院を勧められた。1年経過しても症状が続く場合は、無料での治療を継続して欲しい、他院での治療費も負担して欲しい。カルテ開示請求したら理由を聞かれた。開示は困難と思いカルテ入手していない。

アドバイス:カルテ開示請求を勧めた。

●咽頭麻酔ゼリーの誤嚥により、肺炎になったのではないか

患者90歳代男性=民間病院(福岡)

〈概要〉父は5年前転倒し頭部を打撲、脳挫傷の診断で入院した。1か月後、家族の同意なく嚥下検査を行った。造影検査を希望していたのに内視鏡検査を行った。9日後、朝食摂取後に嘔吐した。その後、誤嚥性肺炎で死亡した。嚥下内視鏡検査時の咽頭麻酔ゼリーが気管から肺に入り肺炎になったのではないか。責任を問いたい。カルテコピーには、検査日以降の医師記録がない。

アドバイス:(記録検討支援実施)医療事故相談窓口を紹介した。

●適切な病院を紹介しなかった

患者50歳代女性=医科診療所(福岡)

〈概要〉(3回目)医療事故相談窓口に相談したが、調査を断られた。調停を申し立て、4回目の調停で不成立に終った。訴訟するかどうか迷っている。勝訴の見込みや裁判の費用について聞きたい。

アドバイス:法的手続きに関する情報を提供した。

●5年前のトラブルを理由に診療を拒否された

患者70歳代男性=民間病院(福岡)

〈概要〉夫は白内障と診断され入院手術を勧められた。妻が入院予定の病院で、夫の白内障の手術をして欲しいと相談したところ、医事課職員から夫は全て拒否すると言われた。5年前入院した際、飲酒したい、帰りたいと暴れて事故退院したことが理由だといわれた。その際、アルコール依存症の入院治療を勧められたが、夫の意志で治療しなかった。夫の要介護度も進んでおり、診察もせず治療を拒否されたことに納得できない。

アドバイス:相手方との話し合いを勧めた。

●説明もなく、乳頭マッサージをされ、トラウマになった

患者30歳代女性=公立病院(大分)

〈概要〉妊娠高血圧症候群のため入院。出産予定日の20日前、陣痛促進剤点滴開始。助産師が何の説明もしないで乳頭マッサージを始めた。その間、胸をはだけた状態なのに第三者の視線に配慮しなかった。看護カルテを入手し話し合いをした。医師や助産師は謝ったが納得がいかない。トラウマになり子どもに母乳をやることができず、診療内科通院中。再度説明を求めたい。

アドバイス:治療に専念することを勧めた。

●死亡に至る経過を知りたい

患者90歳代男性=民間病院(福岡)

〈概要〉父は食べられず痩せていた。ぐったりしていたので救急搬送した。ブドウ糖の点滴で元気になったと聞いたが、静脈内注射した右鎖骨あたりが出血していた。翌日昏睡状態となり死亡。カルテ開示請求したが、弁護士に依頼しないと開示できないと断られた。死因は静脈内注射と関係があるのではないか。死亡に至る経過を知りたい。カルテの保存期間が迫っている。

アドバイス:(記録検討支援実施)早急なカルテ開示請求を勧めた。


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