救急医療発祥の地です

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川崎医科大学附属病院 院長 園尾 博司

1972 山口大学医学部卒業 同年徳島大学第二外科入局 1983 同外科講師 1984 川崎医科大学内分泌外科講師 1996 川崎医科大学乳腺甲状腺外科教授 2003 同学長補佐 (兼務) 2007 川崎医科大学附属病院がんセンター長(兼務) 2012 同副院長(兼務) 2013 同院長(名誉教授)
■学会活動 2005 第13 回日本乳癌学会学術総会会長 2006 ~ 2009 日本乳癌学会理事長 2011 第21 回日本乳癌検診学会学術総会会長、1997 ~現在、同学会理事 2012 ~日本乳房オンコプラスティックサージャリ―学会理事長 2013 ~日本乳癌学会名誉会員
■表彰 岡山県知事表彰(乳癌検診活動に貢献) 山陽新聞松岡良明賞受賞(乳癌撲滅に貢献) 山口大学医学部霜仁会賞受賞(社会活動部門賞) 山陽新聞賞(学術功労)

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学生時代はオーケストラに所属していた園尾院長。チェロを演奏していて、コンサートマスターも担当していたとのこと。

 川崎医科大学は昭和52年に日本で初めて救急医学教室を開設し、ドクターヘリも平成13年に日本で最初に導入しました。 いわば救急医療発祥の地です。救急搬送は年間4千台、ドクターヘリは、年間約400回稼働し、昨年、導入から5千回無事故出動を達成しました。 救急科を中心に初期から三次救急まで受け入れています。大学病院で初期救急を受け入れている病院は少なく、特長の一つです。

 病院の理念の中に「医療は患者さんのためにある」、「24時間いつでも診療を行なう」とあります。

 困った人がいたら何とか応えたいという創設者・川﨑祐宣先生の思いを引き継ぎ、医療者は大きな使命感を持って業務に励んでいます。

 大学の理念は「人間をつくる」、「体をつくる」、「医学をきわめる」の3つです。その中でもこれからは、「人間をつくる」が更に求められます。 志の高い医師育成により、本学の卒業生は良き臨床医として全国で活躍しています。

 当院には450名の医師が在籍していますが、医師だけでは医療は行なえません。看護師、コメディカル、事務職員など病院の職員全体が一致団結することで初めて医療 が円滑に行なえます。

 平成20年に地域がん診療連携拠点病院に指定されました。35の診療科があって、各科にがん診療のエキスパートが在籍し最先端治療を行なっています。

 がんは死因のトップです。高齢化社会にともない、今後も患者さんは増えていきます。また脳卒中、心臓病も増加が予想されます。

 高齢者はいろいろな病気を抱え、治療後も支援が必要な人が数多くいます。

 当大学のリハビリテーション医学講座は日本で最初に創設された伝統ある教室です。高齢化社会においてはリハビリの重要性は非常に高く、今後 も数多くの優秀な医師を輩出していかなければならないと感じています。

 脳卒中科は当院と九州大学病院にしかありません。

 脳卒中は緊急疾患で、発症後できるかぎり早期に治療を開始すると、予後が良好になります。

 当院の脳卒中科では、早期のt-PA 静注療法ですばらしい成績をあげています。当院では患者さんのために、1年365日、1日24時間いつでも対応することを開設以来、 病院の理念にしています。

 院長になる前は乳腺甲状腺外科を専門としていました。がんの中でも乳癌はとても息の長い病気です。手術後も10年くらいは経過観察が必要です。現在、専門病院に患者さ んが集中しすぎているという問題があります

 今後は、地域の医師と勉強会を立ち上げ、顔の見える関係を築き、経過観察や薬の処方を地域の病院で分担してもらう取り組みが必要です。また、 クリニカルパスを使って治療内容を標準化し、在院日数を短縮して地域の病院と役割分担することが国民医療費の削減にもつながります。

 昭和62年から乳房温存手術が日本でも行なわれ始めましたが、当時は患者さんの乳房を残すべきかどうかの判断はそれぞれの病院でまちまちで患 者さんの不安につながっていました。しかし今から10年前に日本乳癌学会が乳癌のガイドラインを作成し、その後、専門医制度ができたことで、日本全国で標準的な治療を 行なうことが可能になりました。

 日本の乳癌検診受診率は欧米と比較して低いのが現状です。今後、行政が中心となって更に力を入れて啓発活動をしていかなければ受診率は平行線をたどるばかりです。

 仕事が忙しくて行けないなど社会的背景も要因かもしれないので、受診すると特典がつくような取り組みも必要かもしれません。

 長く乳癌の治療をしてきましたが、治療後も2から3割の人は再発します。受診時に進行している場合は、一生懸命きつい治療をしても再発する率が高くなります。 再発すると5年生存率は5割くらいです。薬がよく効いて運よく長生きする人はいますが、残念ながら最終的にはほとんどの人が亡くなってしまうのが 現状です。しかも再発治療には長期にわたり高額な治療費がかかります。再発しないためには早期発見が重要ですから、ぜひ検診に行ってもらいた いですね。

 私は徳島県の大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)がある町の出身です。田舎なので周囲に医者になった人もいませんでした。

 中学生の時、とてもお世話になった先生がいましたが、高校生の時に病気で亡くなってしまいました。

 お見舞いに行っていた時、いつも「大切な先生の病気を治してほしい」と思っていました。医師の道を最初に意識したのはそのころでしょうか。

 高校に入ると何かの本を読んだのをきっかけに「がんを治したい」と思うようになり、医学部に入ることを決めました。

 人生のターニングポイントにおいて、常に先輩や同僚、後輩に恵まれてきたと感じています。

 田舎の町で育ち、幼いころからいろいろな人の温かさに接する環境にいたことで、自然に人と人とのふれ合いを大切にす る心が養われたように思います。


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