てんかん患者のための制度

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

愛知県蒲郡市 小池 俊也

 てんかん患者の皆さん、自立支援制度を知っていますか?

 医師に「てんかん」と診断された時点で、患者には自立支援制度という補償制度が受けられます。

 この制度は一定の条件がありますが、各都道府県が公費で患者さんに対して、てんかんに関わる通院医療費を9割負担してくれるという制度です。

 ただ、この制度を受けるには当然ながらこの制度を知り、申請する必要があります。

 しかし残念ながら、こういった補償制度について医師から教えられないことも多々あるようです。

 知り合いから教えられたのですが、医師を含め、医療従事者は、病気の病名や症状、治療についてはプロですが、補償などの福祉制度についてはあまり詳しくない方もいるようです。

 しかし我々患者は、病気になれば補償制度も医師が教えてくれるものだと勘違いしがちで、教えられなければ制度は無いものと思いがちです。それに、脳血管などの病気によって発症した症候性てんかんの方は元々の脳血管障害の病気で補償制度を探すことが多いので、元の病気での補償制度が無い場合はあきらめてしまいます。

 そこで、素人ではありますが自分なりに申請の条件や流れについて調べてみました。

 まず、この制度の対象者はてんかん以外にも、統合失調症、躁うつ病、うつ病などの気分障害、認知症などの脳機能障害、薬物による中毒、依存症などの薬物関連障害、ほかにも精神障害などの患者さん、一部発達障害の方も対象になるようですので、もしかして、と思う方は病院の相談所や役所の福祉課でケースワーカーという方々に相談するといいと思います。

 この制度は各市、区役所の福祉課で交付申請をした後、受給者証が交付されるまでに1ヵ月半から2ヶ月ほど時間を要します。この間にかかった通院費などは申請により戻ってくることもあるようなので、福祉課に問い合わせてみてください。

 申請するにあたり、患者さんは常に通院している病院の受診科で診断書( 精神通院) を記してもらいます。そして健康保険証、診断書、印鑑、世帯全員の前年の市民税課税額証明書( これについては省略できる場合があります) を持ち、市区役所の福祉課に申請すれば簡単に申請することができます。

 もう一つはその治療薬を受け取る薬局の指定です。これは福祉課の方から説明があると思うので説明に従ってください。

 この補償制度は通院医療費ですから入院費や手術費には適用されません。

 有効期限は1年です。更新手続きは有効期限の3ヵ月前からできます。また障害者手帳と同時に申請を行なうこともできます。自治体によっては残りの1割も負担してくれる精神障害者医療制度もあるようですから、役所に問い合わせみるといいと思います。

 医療費は自分と家族の生活にも関わる大事な事柄の一つなので、自分の病気の原因、理解、治療と共にその福祉制度についても正しく知ることは重要だと思います。

 最後にこの投稿を読まれた医師、医療スタッフの方々にお願いがあります。待ち合い場所の壁に「〇〇の病気の方は〇〇の福祉制度が受けられる可能性があります。詳しくは病院の相談所、福祉課の方にお問い合わせください」のように、簡単でいいので貼ってもらえ

 診察を待つ患者、ご家族の方が無意識のうちに掲示物を読んでいるとても有効な場所ですから、一人でも多くの方に制度の情報を知ってもらいたいと思います。

 私は父親の跡を継いで自動車の板金修理の仕事をしています。ネットで知った九州医事新報に、制度について書いたら掲載してくれるかと問い合せたら、健常者のほうが圧倒的にたくさんの事件やトラブルを引き起こしているのに、てんかんの患者であるというだけでその予備軍であるような報道はフェアではない。内容はこちらで裏を取るので思い切って書いてみたらどうかと言われ、市役所の担当者とも相談して、3ヵ月くらいかかって書き上げました。パソコンがなくスマホで投稿するのは大変でしたが、大きな一歩を踏み出せたような気持ちです。

投稿を読んだ福岡の行政関係者のコメント

19-1.jpg

 いわゆる障害者自立支援法に基づく医療費制度(自立支援医療制度)には、3種類あります。1=育成医療―障害児(身体障害児)に対し行われる生活の能力を得るために必要な医療、2=更生医療―身体障害者に対しその更生のために必要な医療、3=精神通院医療―精神障害者に対し、本人が病院又は診療所へ入院することなく行われる精神障害者の医療。

 投稿者は3番目の制度を医師が知らない場合があると指摘されているわけですが、最近では、障害者(児)には、身体障害者、知的障害者、精神障害者のほかに発達障害者も加えられていると思います。医療制度については、精神科病院やクリニックの医師は熟知していると思います。ただし、てんかんの患者さんを診察したことのない医療機関は知らないこともあり得るかもしれません。

 患者さんは自立支援医療者受給者証の交付を、役場を通じて各都道府県の精神保健福祉センターに申請することになります。同一病名では複数の医療機関に通院することは認められていませんので、紛失しないように医療機関が保管してくれることもあります。有効期限が失効しないように、その医療機関が本人からに委任を受けて代理で申請してくれることもあります。

 私の部下は統合失調症で判断力に欠けるところがありますので、私が本人の代わりに更新手続きをするため診断書を書いてくれるよう頼みにいきましたが、すでに手続きをしてくれていました。

 役場も住民(利用者)向けに福祉制度の手引きや冊子を作成していますので、ご本人や家族、支援者が窓口に尋ねられたら、きちんと教えてくれると思います。


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州初の地下鉄駅直結タワー|Brillia Tower西新 来場予約受付中

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【今月の1冊, 今月の一冊】
イメージ:今月の1冊 - 88. AI vs. 教科書が読めない 子どもたち

Twitter


ページ上部へ戻る