コメディカルが頑張る病院です

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社会医療法人里仁会 副理事長 & 興生総合病院 院長
藤原 恒太郎

1989 旭川医科大学卒 岡山大学医学部第一外科入局 興生総合病院外科 1993 岡山大学大学院医学研究科修了 心臓病センター榊原病院 1997 興生総合病院心臓血管外科 2004 里仁会副理事長 興生総合病院副院長 2006 同院長■日本外科学会専門医 ■日本循環器学会専門医 ■日本胸部外科学会認定医 ■日本医師会認定産業医

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藤原院長(右)と、弟の賢次郎事業本部長をヘリポートで撮影。後方には工場群や瀬戸内海が見える。「院長として、今は弟に助けられています」とのこと。

―産業医ですね。

 三原市は工場が多いので、労働衛生について知ることは地域のためになるだろうと、産業医の資格を取りました。市医師会の先生方を見ても、産業医の割合は高いように感じます。企業から健康診断の依頼を受けることもありますが、当院に産業医が多いわけではありません。

 帰ってきたころは循環器内科の医師がいなかったので、心臓血管外科の私が見ていました。私が入局した岡山大学の第一外科は、内科的な知識も大事にする考え方で、総合医を育てる気風があります。当院には愛媛大学の第二外科からもたくさん来ていただいていますが、こちらも同じような傾向があるようです。内科の手が足りない緊急時は、外科医が代わりに診ることもあります。

 平成15年に、新見市で開業している友人の遠藤先生に誘われ、ICLS(日本救急医学会)の救急蘇生講習を受けました。それから当院でも年に3回救急蘇生の講習会を行なうようになりました。近隣の病院からも受講したいスタッフが来ます。病院の近くに市医師会立の看護学校がありますが、頼まれてないのに「教えさせてほしい」と行きました。今では講義として組んでいただいています。

―出身は。

 愛媛県伯方島の出身です。父である理事長が診療所を開業しており、小学校まで住んでいました。現在は今治市ですが、当時は越智郡伯方町でした。

 橋も架からない島に数軒しかない診療所で、24時間診療をする理事長を見て育ちましたが、医師が特別大変だとは考えませんでした。仕事にはそれぞれに困難があると思いますから、今も医師が特別きついとは思いません。三人兄弟で、姉も弟も医師になりました。姉が病理で、弟は脳外科の医師です。私だけが理事長と同じ医局ですが、理事長は消化器外科が専門です。

 当院は昭和48年に開院した当初から、365日24時間救急患者を受け入れる方針です。職員のモチベーションになっていると思います。開院当時の三原市は救急医療の分野で遅れていたようです。同年25床から60床に増床し、現在は323床です。救急医療を重視したことが、病院を大きくした要因の一つだと考えています。

 横にも上にも増築を重ねて病院を大きくしてきましたが、開院当時の部分が老朽化しており、建て替えが必要になりました。それで平成21年に現在の場所へ新築移転しました。

―市の中心部に移転しましたね。

 土地を取得したころは中心部ではなかったのですが、次第に栄えてきました。

 以前はテニスコートなど、里仁会の福利厚生施設があった場所です。設計に関しては、私の考えも多く取り入れてもらっています。白を基調にした外装・内装も私の要望です。暗い病院にはしたくなかったので、窓の面積を多くしました。2階の広いリハビリテーション室も、ガラス張りで明るくなっています。室内が明るいと、気持ちも明るくなりやすいですから。廊下の突き当たりは、出来る限りガラスにするように依頼しました。

 エスカレータは、1階から3階まで直線的に上がれるようにしています。そのために柱の位置を工夫しましたが、少しだけ勾配がきつくなってしまいました。

 廊下など患者さんの通路は、出来る限り広くするようにしています。案内図は分かりやすいように、こってもらいました。

 人員の問題でICUやHCUの加算は取れませんが、見合う十分な設備と広いスペースも作っています。より救急医療を充実させるために、看護師や医師を確保することが今後の課題です。

―ヘリポートが外観の特徴です。

 双発中型ヘリコプターの離着陸が可能なヘリポートです。原則夜間の使用はしませんが、緊急時に受け入れるための照明設備は備えています。ドクターヘリを月に2、3件ほど受け入れています。県内で飛んでいるのは年間400件程度ですから、それなりに来る方かも知れません。島嶼部からの搬送事例が多いです。三原は海の町ですが、海難事故の患者はまだ受け入れていません。しかし有事に備え、海上保安庁や消防と訓練を行なっています。

 受け入れだけでなく、患者さんを送る場合もあります。疾患や先方の受け入れ態勢よって搬送先を変えます。広島市と岡山市の中間にあることが、この場合は利点です。使用頻度が高いわけではありませんが、三原周辺地域の医療には貢献できていると思います。

―その他病院の特長は。

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 ケアミックス型で、回復期リハビリテーションが1病棟38床があり、救急医療を支えています。リハビリテーションは365日やっていて、リハビリスタッフは今年法人全体で100人を超えました。療養型病棟もあり、良くなるまで同じ病院で診ることができます。

 歯科も標榜しています。術前の口腔チェックができますから、歯科があることは良いことです。また術後の肺炎の予防などができ、安心です。

 初期研修医を毎年2人ずつ受け入れています。奨学金を出していることもあり、毎年希望者がいます。研修医が来るのと来ないのでは院内の士気が違いますから、今後も来てもらえるように工夫をします。しかし地元の人が多いわけでもなく、定着率が低いのが現状です。今後は残ってくれるような工夫も必要ですね。

 また、コメディカルが良く頑張っている病院です。医師が多いわけではないので、本当に助かります。市内の夜間救急は半分ぐらい受け入れていますから、医師2人看護師2人に加えて、放射線技師、臨床検査技師、薬剤師各1人が当直する体制にしました。医師以外にも活躍してもらいますから、職員みんなが働きやすい環境を作ろうと心掛けています。

 平成24年からDPC対象病院です。理事長はあまり関心がなかったのですが、私と弟で推し進めました。弟は頼りになるので、つい仕事を多く任せてしまい、苦労をかけています。


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