飛耳鳥目 うまく逝く

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 名古屋に暮らす独身の友人が亡くなった。自分でタクシーに乗って救急病院に行き、2時間後には帰らぬ人となった。40代だった。死因は糖尿病から来る心筋梗塞だった。

 前日の夜は煙草を好きなだけ吸い、ウィスキーとビールも心行くまで飲んで、ネットゲームを少し楽しんだ。後片付けのため彼の住まいを訪れた家族からそれを聞いた。

 亡くなったのは4月26日で、訃報を聞いたのが5月2日。楽しいはずのゴールデンウィークを、私と妻はふるさと山口県の実家で肩を落とし、ため息をついて過ごした。

数日後には涙が流れ、嗚咽(おえつ)している私の背中を、妻も泣きながら撫でさすった。

 1か月近くが経過して、彼は自分の死をうまくやり終えたように思う。身内をだれも臨終に立ち会わせず、その時間、彼を知る人たちはめいめい勝手に自分のしあわせに浸り、笑い、口元から飽食をこぼれさせていた。

 彼の名は桑原正裕と言い、私に会いに博多に来たことがある。宿を取ってほしいと言う彼の条件は「煙草が吸えること」。それで私は博多サンヒルズホテルに喫煙室を予約した。福芳亭のとんこつラーメンに舌鼓を打っていた姿を思い出しながら、彼のしあわせは、これでよかったのだと自分に言い聞かせている。(川本)


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