後方連携病院としての役割を担う

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医療法人天真会南髙井病院  院長  西尾 俊治

=4月から医療療養型病床を増床=

西尾俊治(にしお しゅんじ) 1972 愛知県立旭丘高校卒 1979 愛媛大学卒 1980 愛媛大学医学部助手 1981 松山市民病院勤務 1986 医学博士取得 1988 英国マンチェスター大学に留学 1989 愛媛大学医学部泌尿器科学教室講師 1998 同助教授 2002 同大学医学部附属病院低侵襲手術センター副センター長併任 2004 南松山病院院長 2006 済生会今治病院副院長 2007 南髙井病院副院長 2011 同院長

日本泌尿器科学会指導医 日本尿路結石症学会理事

 桜の花が咲く庭に、犬と白い鳥が飼われていた。犬は元盲導犬だそうで、病院が保護したもの。普段はおとなしいが、院長の顔を見ると元気を出す。

 白い鳥は白孔雀で、珍しい鳥だという。病院の裏手には、車いすでも楽しめる舗装された遊歩道があり、ここには孔雀が飼われた小屋もある。

 院前には紀州犬も飼われている。庭の手入れや動物の飼育だけを担当する職員も数人いるとのこと。長岡悟前会長(故人)は獣医志望だったそうで、絶滅寸前だった野間馬を繁殖させ、今治市に寄贈した。以前は病院の前が馬場で、白馬などを飼っていたが、そこには現在、サ高住を建設中。

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院長室には電子ピアノがあり、この日はショパンの別れの曲を1小節だけ披露してもらった。

 当院は353床で、6病棟があります。以前はすべて介護療養病棟でしたが、平成20年に3病棟180床を、医療療養病棟にしました。また平成23年からは1病棟60床を、障害者施設等一般病棟にしています。実績もあり、必要な看護師が確保できたので、今年4月からまた1病棟60床を医療療養病棟に転換しました。これだけ医療療養型病床がある病院は珍しいと思います。残る1病棟も、今後は転換を目指しています。

 療養病床は介護保険から支払われますから、あまり収益には結びつきません。今後は経営状態を向上させることにもなると思います。超急性期を終えた直後で介護の必要もある患者さんは大勢いますから、後方病院として今後一層地域のお役に立てることになります。私もそうでしたが、急性期の病院にいると後方病院の存在価値に気付きづらいものです。しかし最近は必要だと認めてもらえたようです。紹介元の58%は病院で、病棟は常に満床状態です。

 現在は常勤で120人の看護師・准看護師がいて、パートタイマーの人もいます。

 愛媛県内で看護師募集のTVCMを流していて、人気なんですよ。ブラックユーモアが効いたCMで、地上波とケーブルTVで流れています。製作会社は賞をもらったそうで、現在は時間帯を決めずに放送しています。ウェブサイトで公開しているので、是非視聴してください。当初は医師法や病院法などの関連法規に違反するのではないかと思い調べましたが、大丈夫だったようです。「みなみちゃん」という被り物は、以前から院内の行事などで当院の女性スタッフが被っていました。CMでは女優さんが被って演技しています。

 看護師確保のためには知名度を上げることと、工夫が必要です。キャッチフレーズは「ひと月1時間でも働きませんか」です。若くても夜勤が嫌な人もいれば、たくさん稼ぎたい人もいると思います。多様な働き方を提供できるようにしています。

 名古屋生まれで、両親も兄も名古屋にいます。愛媛の方言は話せませんが、名古屋の言葉も話せなくなってしまいました。

 愛媛大学医学部の1期生で、しばらくは同窓会の会長をしていました。愛媛大学医学部は半年遅れで秋に開校したので、5年半で卒業しています。現役で受けた人は当然いなくて、倍率は36倍だったと記憶しています。全国の浪人が受験しましたから、1期生の出身地はさまざまです。そして卒後県内に残った人が多いのも特徴でしょうか。

 教授や私の指導医は、阪大の出身者でした。指導医が腎臓結石の研究をしていたので、私も結石のメカニズムを研究して学位を取りました。

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 愛媛大学泌尿器科で助教授をしていた当時、大学病院や急性期病院はもっと医療制度を分かったうえで行動すべきだと考えており、外科系医師の地域連携担当でした。厚生省官僚を交えた勉強会などで事務長と知り合い、当院で講演したこともあります。そうした活動があって、大学を辞めた後に迎えられました。副院長として勉強させてもらい、3年前から院長です。事務員が優秀なので、経営よりも医療面の充実に心が配れます。

 当院には消化器外科医もいるし、麻酔科医も3人いますが、手術は一切しません。ロボット手術の研究をしたりと、手術が得意なので来るつもりがなかったのですが、職員の人の良さに魅かれました。来る前は、「この病院で私に役割があるのかな」と懐疑的でした。でも来てみたら呼ばれることだらけです。前立腺癌の患者さんも来ますから、私の専門領域が活きることも多くあります。

 院長の私も診療をしないわけにはいきませんが、急性期の病院ほどバタバタしていません。専門だけを診ていた時とは違い、広い範囲を勉強しなければいけませんが、小さな子供のいる女性医師にも働きやすい環境だと思います。今常勤医は11名で、非常勤の先生もいますから、人員には少し余裕があります。

 以前より余裕ができたので、夫婦で年に1回パリ旅行に行くようになりました。その時描いた水彩画を絵はがきにして、病院内の売店で販売しています。趣味で描いた絵ですから、売上金は全額ピンクリボンに寄付しています。


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