世界最高水準の放射線治療が九州に
トゥルービームの大きな特徴は、放射線の形状を整え、がんの周囲だけを破壊すること。リーフと呼ばれる照射部分は、通常5㎜でも「非常に細かい」と表現されるが、今回導入されたものは2・5㎜で、健常な組織をほとんど破壊せずに治療が可能。胸の上に置いた器具を赤外線で感知し、息を吐いたタイミングなどに合わせて照射できる。動体追跡の機能はなく、断続的に照射し治療する。
また、放射線治療では出力が低いと放射線量が少なく、治療時間が長くなるが、今回導入した装置では、通常の使用でも極めて高い放射線量で照射可能で、定位放射治療や強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度な治療を、通常の5分の1程度の時間で可能にする。また患者にあわせて、5種類のX線エネルギーを選ぶことができ、治療効果やQOLの向上に寄与するという。
放射装置に付属して、放射線治療用の64列CTを設置しており、呼吸位相に合わせた画像作成機能や、腔内照射の線源確認の際に金属で乱反射しない機能などを備えている。2方向から撮影することで、照射のズレを極めて軽減させる。