坊っちゃん列車
松山市駅から発着している観光列車「坊っちゃん列車」に乗った。伊予鉄道の開業間もない明治21年から67年間に渡って活躍した蒸気機関車をモデルに、2001年から伊予鉄道が松山市内の軌道で復元運行している。
夏目漱石の小説「坊っちゃん」の中に「マッチ箱のような汽車」として登場しており、四国・松山の中学校に赴任する主人公が乗ったことから、坊っちゃん列車と呼ばれるようになったという。
道後温泉駅に着くと方向転換するために、車掌、駅員が回転位置まで列車を手動でけん引、回転させる。その作業を見る幸運にめぐまれた。
明治27年築で三層楼の美麗な建築が宮崎駿のアニメ「千と千尋の神隠し」の油屋のモデルになったともいわれている道後温泉本館に行った。
せっかくだからと財布のひもも緩み、入浴料が2番目に高い、霊の湯二階室プランを選択した。浴室は運よく貸し切り状態で、思う存分、温泉を堪能できた。入浴後、広間で休憩していると又神殿(ゆうしんでん)という明治32年に皇室が道後に来た際に宿泊、入浴された場所と、坊っちゃんの間の見学をすすめられ、行ってみた。又神殿の隅々まで優雅な造りに目を奪われた後、坊っちゃんの間へ、当時、漱石が湯上りにくつろいだ部屋を再現したもので、室内には漱石が松山中学校赴任時代に職員一同と撮影した写真、マドンナのモデルとなった女性の写真、漱石の胸像などが飾られており、昔読んだ小説の世界観がよみがえってきた。