地域の人々の健康増進に寄与する

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愛媛医療生活協同組合 愛媛生協病院病院長 有田 孝司

 昨年4月に新病院棟が完成し、広くて見晴らしの良い病室を備えた愛媛生協病院。診療部分だけでなく、既存棟をリニューアルし、松山市初のメディカルフィットネスを作るなど、地域の健康を増進する取り組みを始めた。

1975 大阪府立市岡高校卒 1985 国立愛媛大学卒 愛媛医療生活協同組合就職、新居浜協立病院にて初期研修 1986 愛媛生協病院 南医療生活協同組合南生協病院にて小児科研修 みなみ子ども診療所アレルギー外来担当 1988 国立小児病院アレルギー科 愛媛生協病院小児科医長 2003 同副院長 2004 同院長■日本小児学会小児科専門医 日本アレルギー学会アレルギー専門医(小児科) 日本小児アレルギー学会会員 日本東洋医学学会会員 四国小児アレルギー研究会世話人 松山救急医療懇話会世話人 日本医療マネジメント学会愛媛県支部幹事 愛媛民医連山の会会長

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愛媛医療生活協同組合 愛媛生協病院病院長有田  孝司

 1年間の工期を経て、昨年4月に新病院棟が完成し、その後半年かけて既存棟をリニューアルしました。

 当院は全日本民医連と日本医療福祉生協連合会に加盟していますので、『いつでも、どこでも、安心して』医療を受けられるようにと、差額ベッド料はいただいていません。また、経済的な理由で医療が受けられないことがないように「無料・低額診療事業」にも取り組んでいます。

 医療生協の病院として、地域の人々の命と暮らしと健康を守ることが私たちの使命だと思っています。病気になって病院を利用するだけでなく、病気にならないように健康づくりや健診など、医療生協の組合員や地域の人たちが助け合い、支えあう場を提供する病院を、私たちは目指しています。

 既存棟の1階部分は健康増進ゾーンで、メディカルフィットネス・コミュニティカフェ・組合員ルーム・組織課・在宅ケアステーション・院内保育所・病児保育室・売店、そしてロータリーを挟んで健診センターを配置しました。

 気候の良い時は、健康な皆さんが行き交うゾーンとして機能します。

 「メディカルフィットネスCo│core」は会員制のフィットネスクラブで、医療生協の組合員や職員が利用しています。一般会員と、生活習慣病外来通院中のメディカル会員からなります。利用者の平均年齢は60歳代後半で、他のフィットネスクラブよりも高いのが特徴です。

 生活習慣病を持つ方や足腰が弱い方、ロコモティブシンドロームの方のプログラムも用意しています。

 その隣には、管理栄養士によるバランスの良い日替わり定食を提供する「コミュニティーカフェらぽーる」があります。職員はもちろん、患者さんやお見舞いの方、組合員の皆さんやフィットネス帰りの方たちにご利用いただいています。「タニタ食堂」のような質で評判を得る、付加価値あるカフェに成長させたいと思っています。

 カフェの隣には組合員ルームがあり、組織課がサポートをしています。3人以上の組合員で構成される班を基礎に、生協ブロックにある18の支部を単位として活動しています。組合員が自主的に運営し、血圧測定や尿チェック、リンパ体操・脳いきいき班会など、毎月100回弱の「班会」が開かれています。支部を単位に、保健講座や体操教室、食のインストラクター・運動サポーター・認知症サポーター養成講座など、様々な取組や企画を行なっています。

 既存棟の3階に23床の「ショートステイ陽だまり」を昨年10月に開設しました。比較的医療度の高い高齢者の在宅での療養を支えています。1月下旬にはほぼ満床になりました。

 院内保育所を近隣のマンションから移設するとともに、松山市委託の「病児保育室わたぼうし」を新設しました。定員は4人です。子供を持つ地域のお母さんや職員も働きやすくなったと喜んでくれています。

 松山市は病床過剰地域ですので、新病院棟建設で増床はできませんでした。現在総病床数は80床です。新病院棟に2病棟あり、各病棟40床があります。4床室は個室的多床室で、しかも、開口を大きくとったので、どのベッドに寝ていても外の景色が見えるように配慮しました。個室も室料差額がない病室としては十分な広さです。

 私は大阪市此花区の出身です。小学5年生の時に新聞の家庭欄の記事を読んで、「保父さんもいいな」と思ったのが、将来の夢の出発点でした。

 4人兄弟の末っ子で、父は現業労働者、母は助産師です。7つ上の姉が検査技師で、兄は高校の社会科の教師。すぐ上の姉は大学卒業の年にSLE(全身性エリテマトーデス)を発病し、35年の闘病生活の後、昨年亡くなりました。

 中学・高校では、クラブ活動と生徒会活動に明け暮れ、高校2年生の時には生徒会長を務めました。ほとんど学校の勉強をしていなかったので、数学が全くできず、必然的に私立文系のコースを選択しました。そして、中学校の社会科の先生にでもなって、クラブ活動の顧問をする将来像を漠然と思い描いていました。

 高校の時、たまに実家に戻ってくる検査技師の姉が、帰省するたびに私に「医者になったらどうか」と勧めました。国立の医学部に入れるほどの学力も、私立の医学部に入るお金もなかったので、私はただ、聞き流すだけでした。

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 予定通り浪人が決まり、(市岡高校4年制)その時また姉が、「浪人するのなら医者になったらどうか」と言いました。

 その時「本当に社会科の教師でいいのか。兄貴の真似をしているのではないのか」と思いました。1週間悩んだ末に「医者もいいな」と思い至り、医学部に志望変更しました。数Ⅲも物理Ⅱ・化学Ⅱも選択していなかったので、教科書と参考書を買うところから始めました。3年計画で医学部を目指しましたが、結局4年の浪人生活(ほとんどが宅浪)のあとに、愛媛大学医学部に合格できました。

 医学部の学生の時に、松山に愛媛民医連のセンター病院を建設する計画があり、その呼びかけに応えて、愛媛医療生協に就職しました。

 新居浜での1年間の初期研修の後、名古屋の南生協病院で小児科研修を行ない、国立小児病院アレルギー科での研修を経て、昭和63年の6月に当院の小児科を開設しました。

 院長になって、早いものでもうすぐ10年になります。新病院建設が終わり、一仕事を終えましたが、超高齢化を迎える2025年を見据えた医療・介護の転換の中、当院と法人内の事業所の転換の方向性を見定める仕事をしばらくは行なわなければなりません。

 今度食物アレルギーに関する、専門的なレシピ本を出版する予定です。

 患者さんのお母さんが、アレルゲン除去食の日替わり弁当を写真付き、レシピ付きでまとめているのを見て、是非本として出版したいと思い、知人を通じて出版社に持ち込みました。もうすぐ、実現できそうです。


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