院長就任後、3年で人工透析棟を新設

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医療法人結和会 松山西病院 理事長・院長 俊野 昭彦

1990 愛媛大学医学部卒 1990 愛媛大学医学部泌尿器科入局 1991 市立宇和島病院泌尿器科医員 1993 石川病院泌尿器科医員 1994University of Wisconsin 移植外科留学 1995 愛媛大学医学部泌尿器科医員 愛媛県立北宇和病院泌尿器科医長 2003 愛媛大学医学部泌尿器科講師 2007 愛媛県立新居浜病院泌尿器科部長■所属学会=日本泌尿器科学会 日本透析医学会 日本移植学会 日本癌治療学会 American UrologicalAssociation(AUA)

 平成21年に院長に就任し、医療法人名を結和会と改名した。「笑顔あふれる病院」を目指すことで着実に評判を上げていき、24年夏には人工透析棟を新設。院長就任の際に行なった改革について聞いた。

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俊野昭彦院長(写真右)と、兄の俊野正彦常務理事の兄弟二人三脚で病院を運営している。

 いままで私は泌尿器科の勤務医として働いていたので、当院の院長を拝命するまで病院経営のことを考えたことはありませんでした。

 しかし、院長を引き継いだからには、地域の評判を上げて安定的な運営をしていかなくてはなりません。当初は、患者数が減りつつある状況でしたので、職員の教育と、優秀な職員を集めることに注力しました。そこで「人と人のつながりを大切にする」という理念を掲げました。患者と職員の和を結んで病院を盛り上げていこうという意味で、法人名を結和会に変更しました。

 院長になってまず行なったことは、病院理念を、「笑顔のあふれる病院」としたことです。

 第一に職員を笑顔にして、それから患者を笑顔にする。私は自分が幸せでないと人を幸せにすることはできないという考えを持っています。ですから、職員みんながモチベーションを高めて、自信を持って働ける環境があってこそ、患者に十分な医療を提供できると考えています。

 そこで職員教育に力を入れ、さらに働きやすい環境を整えていきました。小さな子供のいる職員が預け先がなくて困っていたら、保育士付きの育児ルームを用意することもあります。

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これまで人工透析室だった本館スペースを、ホールに改装。ここで講演会や全体朝礼が行われる。本館はスタッフの休憩場所ほか、図書室、育児室などスタッフのフォロー体制も充実している。

 患者さんは紹介で来られることが多いので、当院に任せれば大丈夫だという太鼓判をいただかなくてはなりません。

 人と人のつながりを大切にするのは、いままで私があらゆる組織の中でレクリエーションを担当してきたことに起因します。職場は楽しくなければいけないと思いますし、働きやすい職場の雰囲気をつくるのは私たちの役目であるとも思うのです。

 着任後は積極的に会食や会合、お花見会などを企画し、職員が集まってざっくばらんに話せる機会を設けています。職員誰もが、院長に対して臆せず意見を言うことができる環境はできつつあり、院内が活性化しているのを感じています。気を付けていることは、伸びるものの芽を摘まないことです。どんな意見もしっかりと聞きますし、逆に否定しなければならないときには、なぜダメなのかという理由を誠実に説明します。そうすることで、前向きな会話が成立するのです。

 病院の業務については、当院の長い歴史の中で、得意分野としていた人工透析を伸ばそうと考えました。着任当時の人工透析は29床でした。これをもっと伸ばすためには、新しい人工透析棟が必要だと感じました。そのためには、クリニックでも中核病院でもない、当院ならではの立ち位置を明確にする必要があります。

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緑あふれる人工透析棟のエントランス

 そう考えた時、当院は、松山における透析医療での地域貢献をしていく必要があることがわかってきました。今まで公立病院に勤めていたこともあり、中核病院では長期入院患者の受け入れ先を求めていたことを知っていました。また、入院設備を持たないクリニックも、今までは入院が必要とされる患者を中核病院に送る傾向にありました。そこで、中核病院との間に当院が入ることで、透析患者さんのお役に立てるのではないかと思ったのです。

 今は橋渡し役であることが、当院の持ち味です。私が松山市出身で愛媛大学出身であることが幸いしました。もともと県内に人脈があったので、うまく連携を図ることができたと思います。現在は人工透析棟を新設し、55床に増床することができました。

 ハイパーサーミア(癌の温熱治療)という治療を行なっていますが、まだまだ認知度が低い状況です。しかし優秀な技師がいますので、先代の院長から引き継いで私も普及に力を入れています。

 まずは他の病院での認知度を高めること。そのために、ハイパーサーミアの治療経験が豊富な医師を招聘し、エビデンスのともなった医療をこころがけ、癌治療の主治医との連携を保つようにしています。

 私が泌尿器科を選んだのは、医局のざっくばらんな雰囲気が気に入ったからです。人と人のつながりを大事にする性分ですね。

 その後、腎移植に携わることになりましたが、この経験は院長を務めるにあたり役立っていると思います。泌尿器科にいたころとは違い、腎移植は体全体をこまやかに診ていかなくてはなりません。また、患者から職員までみんなに細かな配慮ができるのが院長です。

 もっとも、経営を任せている常務理事が実の兄ということもあり、とても安心して運営させていただいています。(聞き手と写真=山下)


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