新病院は災害を考慮

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中津で世界水準の医療を研究する専門医集団を形成  社会医療法人玄真堂 理事長 川嶌眞人

1963 県立中津北高等学校卒業 1969 東京医科歯科大学医学部卒業 1969 東京医科歯科大学難治疾患研究所専攻生 1970 虎ノ門病院整形外科専修医 1972 九州労災病院整形外科医員 1979 九州労災病院整形外科副部長 1981 川嶌整形外科医院院長 1983川嶌整形外科病院院長 1986 医療法人玄真堂 理事長 2011 特定医療法人玄真堂 理事長 2012 社会医療法人玄真堂 理事長

 川嶌理事長は、医学史に通じている。中津医学校の校長だった大江雲澤の医訓「医は仁ならざるの術、勤めて仁を為さんと欲す」を発見し有名にした事実だけを見ても大変な業績だし、2008年には小浜市が主催する第7回「杉田玄白賞」も受賞している。しかし整形外科医の本業をおろそかにしている訳ではない。川嶌式局所持続洗浄療法は骨髄炎の治療法として、米国や中国の教科書にも採用されているし、11月からは日本高気圧環境・潜水医学会の代表理事に就任した。2012年には日本整形外科学会功労賞を受賞している。

 下の写真は理事長と、現病院にある高気圧治療装置。このタンクは新病院へ体制を移した後、展示用にする予定。

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中津で世界水準の医療を研究する専門医集団を形成  社会医療法人玄真堂 理事長 川嶌眞人

―音楽が趣味だとか。

 聴くことも好きですが、演奏も好きです。フルートをはじめいろいろな笛を練習しています。中津の歴史を紐解くと、江戸時代に廃れていた一節截(ひとよぎり)という笛を前野良沢が吹き、中津の医師たちの間で流行させました。私がその現物を4本発見したのですが、実物は重文に指定されましたので、今はそのレプリカを作って吹いています。尺八より細く短く、前4穴で後穴が1。歌口はペルーのケーナという楽器に似ていて、難しい。

 良沢は伯父に「人のしないことをやれ」と教育され、当時見向きもされなかった蘭学を青木昆陽に学びました。私は中津に生まれ、それを幼い頃から聞いていましたから、今、特徴ある医療を行なえているのだと思います。患者さんは日本全国から来ます。私の母は日本で2番目の女性歯科医ですから、やはり人のしないことをやった人です。母の影響もあります。

―高気圧酸素治療も特徴ある医療の一つですね。

 主にガス壊疽、壊疽性筋膜炎、化膿性骨髄炎など感染症の他、脊髄神経疾患、潜水病などの治療に用います。

 もともとは天児民和九州大学名誉教授が九州労災病院に赴任後、整形外科と高圧医療についての研究に注目されました。私も九州労災病院に勤め、その研究に従事していたのですが、母の面倒をみるために中津に帰ってきて19床の整形外科医院を開業しました。そのうち数年して、高気圧治療装置を贈られましたので、私は開業医をしながらこの研究を続けることになったのです。現在、法人内にタンクは3つあり、1基は現病院、1基は今度移転予定の新病院の1階に。残る1基は整形外科クリニックにあります。

 クリニックにも入院患者はいますが、基本病院は救急と入院患者を、クリニックでは一般外来を診ています。病院とクリニックを分けることで、外来患者と入院患者が極力会わない工夫です。クリニックに診察室は12室ありますが、新病院の外来は、リウマチや骨粗鬆症、骨髄炎など専門外来を6室で診るだけです。

―新病院について聞かせてください。

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11月に完成した新病院。四角い建物は冷たく感じると、なるべくカーブの多いデザインを理事長が要望したそうだ。窓も大きく、開放的なデザイン

  急性期と亜急性期を診る病院です。現病院は一部を壊した後に改装し、法人内の、老健や在宅介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、サ高住などの拡張に利用します。

 新しい病院は5階建てで、災害を考慮し、1階は鉄骨鉄筋コンクリートで造ります。2階以上は鉄骨造です。中津の歴史を調べてみると、最悪の場合地面から3mくらいの高さの津波がくる可能性があります。なので当初は2階から上を病棟にしようと考えていましたが3階以上になり、2階には手術室や医局、図書室やカンファレンスルームが入ることになりました。医局は個室にせず、広い部屋で顔を見せ合えるようにしています。1階は一般外来や救急のほか、リウマチの化学療法専門の部屋などを作っています。

 手術室は完全無菌室で3室。整形外科の専門家が揃った病院ですから、その全ての専門領域に対応出来る最新設備を備えており、脳神経外科の手術も可能です。また内視鏡の映像を、手術場の管理室や医局などで観ることの出来る仕組みも備えています。院内には玄真堂ホールと名付けた、300人を収容出来るホールを作りましたが、ここで観ることも可能です。大学の研修病院ですから、若い人に見せることが出来ます。

 ホールは地域の医師会に開放したり、学会を開催したりしたいですね。音楽会を開いたりということも考えています。

 最新機器の揃った検査室も備えています。

 新病院の特徴の一つは、省エネを徹底的にやったことです。クリニックで利用している地熱は利用出来ませんでしたが、ソーラーパネルと天然ガス利用の設備を備えています。

 病室は個室と2人部屋を多くしました。需要はあるので、4人部屋も少しあります。病床数に増減はなく、93床です。各階ごとにリハビリが出来るようにします。他に売店や庭園も充実させ、患者さんが過ごしやすい環境にも気を配りました。

 最終的には来年4月12 日に竣工式をします。そ の時、玄真堂ホールで国際シンポジウムを開催し、国内外から著名な医師をお招きする予定です。国際潜水・高気圧環境医学会理事長でデューク大学名誉教授のピーター・ベネット氏をはじめとする国際セミナーを開催します。


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