▼福岡市西区小戸にある聖峰会マリン病院の患者向け季刊誌「まりん」36号に「認知症予防は運動が一番」というコーナーがあり、そこに面白い話が載っていた
▼―先日、85歳のご婦人が水泳を始めました。どうしてかと尋ねると、「水泳を習って、三途の川を泳いで渡る」という勇ましいお答え。それを聞いたお嫁さんが、水泳のコーチのところに行き、「先生、ターンだけは絶対に教えないでくださいね」とお願いしたとか―
▼婦人と嫁の関係が見えるようで苦笑させられる。癌の次は認知症の予防が話題になりそうだ
▼認知症になるとはどういう状態かを、本号で国立病院機構菊池病院の髙松淳一院長が話している
▼高松院長によると、認知症の人に対する私たちの見方にも課題がありそうだ。「本人は自分なりの感じ方、分かり方によって生きており、それほど苦にしているようには見えない、周りの人々も認知症の人を糾すだけでなく、対話により想いを馳せてほしい」
▼認知症に限らず、親子や職場、友人関係にも通じる言葉だ。どんな場所にも学びはある。