がんと診断され 勤務継続は半減 無職は倍増

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アンケート結果から見えてきたもの

 10月5日にがん患者と相談者のための就労セミナーを開いたのは、福岡がん患者団体ネットワーク「がん・バッテン・元気隊」とNPO法人ハッピーマンマ。九州がんセンターが共催した。

 事前に患者会が集めたアンケートに92人から回答が寄せられ、公表された。それについて元気隊会長の波多江伸子さんは「福岡県の患者が、誰にも相談せずに、自分から仕事を辞めているという状況がみえた。 自由記述からも、労働者としての権利意識はあまりなく、迷惑をかけるからと職場に気兼ねして、さっさと辞める人が多いようだ。

就労セミナーを通して分かったことは、がんと診断されたからといって、すぐに仕事を辞める必要はない。 企業も病気を理由に退職勧告や解雇はできないので、ソーシャルワーカーや社会保険労務士、職場の上司などにまず相談してほしい。また、治療と仕事は両立できる旨、診断した医師から患者へ伝えてもらったら、たいへん効果があるだろう」と話している。

 92人のアンケート回答は次の通り。

【性別】
男19人、女71人、無回答2人。

【がんと診断された時の年齢】
10~19歳2人、20~29歳7人、30~39歳3人、40~49歳21人、50~59歳39人、60~69歳17人、無回答3人

【診断後経過した年数】
2年未満13人、2~4年13人、4~6年17人、6~8年19人、8年以上27人、無回答3人。

【診断時に扶養家族がいたか】
有り40人、無し47人、無回答5人。

【現在の通院頻度】
月に1回程度25人、3か月に1回程度19人、半年に1回程度21人、年1回程度13人、通院していない5人、その他6人、無回答3人。

【最終学歴】
中学校2人、高校31人、短大・専門学校30人、大学・大学院26人、無回答3人。

【初めてがんと診断された時の病名】
胃がん8人、消化管間質腫瘍8人、大腸がん3人、食道がん1人、白血病1人、悪性リンパ腫3人、口腔咽頭がん1人、甲状腺がん3人、肺がん4人、肝臓がん2人、乳がん45人、子宮体部がん3人、子宮頚部がん1人、皮膚がん1人、その他4人、無回答3人。

【診断時の病期】
ステージ0=4人、ステージ1=26人、ステージ2=23人、ステージ3=15人、ステージ4=10人、わからない=6人、無回答8人。

【その後再発(転移)があると診断されたか】
はい30人、いいえ58人、無回答4人。

【がんの診断時と現在の就労】
自営業(診断時4人↓現在4人)、正社員(診断時36人↓現在18人)派遣社員/契約社員(7人↓3人)、パート/アルバイト(16人↓16人)、無職・専業主婦を含む(18人↓38人)、学生2人↓0人)、その他(5人↓8人)、無回答(4人↓5人)

【診断後、検査や治療で働き方に変化はあったか】
退職して再就職した9人、退職して再就職していない11人、同じ職場の違う部署に異動した5人、同じ職場の同じ部署に勤務した32人、その他5人、無回答7人。

【退職・異動はどのような経緯で決まったか】
自分から希望した16人、会社側から指示され従った5人、その他3人、無回答2人。

【再就職した雇用主はあなたの治療歴を知っているか】
知っている9人、知らない1人。

【無職への質問=将来は働きたいか】
はい13人、いいえ21人、その他1人、無回答10人。

【診断時と現在で自分の収入・世帯収入に変化があったか】
自分の収入=増えた6人、変わらない35人、減った40人、無回答11人。世帯収入=増えた7人、変わらない37人、減った37人、無回答11人。

【就労について誰かに相談したことは】
ある29人、ない54人、無回答9人。

【その時の相談相手は】
上司17人、同僚12人、人事労務担当者7人、職場の医療者2人、主治医11人、看護師5人、ソーシャルワーカー1人、患者会9人、家族14人、友人13人、その他5人。

【相談したことがないと答えた人の理由】
相談するほど困っていなかった24人、相談するという発想がなかった13人、相談相手がいなかった3人、相談の助言に期待できなかった3人、何を相談したらいいかわからなかった5人、相談する気力がなかった3人、がんだと知られたくなかった5人、相談する時間がなかった2人、その他6人。

 自由記述では「通院のため、仕事が忙しい時も休みをとらざるを得ないので申し訳ない気持ちになる。抗がん剤の副作用で会議途中に席を立つことが多く、不審がられる。風邪をひいても出勤する人が多く、免疫の少ないがん患者には気が気ではない。通院に有給を使いはたすので、必要な時に休みが取れない」、「働きたい気持ちはあっても、手術の後遺症や体力の低下、薬の副作用のため、診断前ののように働ける自信がなかった。気持ちを前向きに保つことがとても難しかった」、「面接で病気のことを話題にすると、その場が凍りつく。結果、不採用となることばかりだった。今は『もう治ったんでしょ』と言われ、通院や服薬の時に、『またどこか悪いの?』と言われる」、「病気を理由に企業側が配置の転換を求めたり、暗に退職をうながす動きに悩んでいる友人の話を聞いたことがあり、世の中のひずみを見せられたようでつらかった。自分にそのようなことはなかったが、仕事を追われる人がいる現状がもっと明るみに出る世の中になってほしい」、「がん患者に理解のある企業を増やすためにPR活動が必要」など、がん患者にしか分からない悩みが数多く綴られていた。


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