乳がんへの思いは強いです

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社会保険 久留米第一病院 病院長 田中 眞紀

1980 久留米大学卒、第一外科入局。1990 社会保険久留米第一病院外科健診部長1997 久留米大学医学部第一外科講師 2000 社会保険久留米第一病院外科部長 2006 久留米大学医学科外科学講座准教授2011 久留米大学客員教授(医学部医学科) 2012 社会保険久留米第一病院病院長。現在に至る。
■日本乳癌学会乳腺専門医 日本外科学会専門医・指導医 日本消化器外科認定医 麻酔科標榜医 日本乳癌検診学会理事・検診マンモグラフィ読影医 日本乳癌学会評議員 日本臨床腫瘍学会暫定指導医

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社会保険 久留米第一病院 病院長 田中 眞紀

 昨年4月に院長に就任した。「久留米にこの病院があり、ここに来れば私がいることを、一人でも多くの乳がん患者さんに知ってもらうために、いろんな場所にでかけ、学会でも率先して発表してきたんです」という。その思いについて聞いた。

―乳がん患者のために走り回っている印象があります。

 私より歳の多い世代に乳がん専門の医師が、全国にも少なかったということがありますね。

 私は医師として、こつこつ続けられて力を発揮できるものは何だろうと、原点に戻って考えた時に、女性のための外科医になろう、当時まだマイナーだった乳腺をやろうと、そう最初に決めたんです。

 そのような経緯があってずっと続けているので、乳腺の患者さんに対する思いは、私よりもずっとあとから乳腺をやるようになった先生よりは深いかもしれません。

 それでいろんな場面も見てきて、いくら忙しくても声をかけてもらうとありがたく思って、休日でも講演に出かけて行くので、走り回っているように見えるんでしょうね。

―女性としての思いも強いでしょうね。

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2014年4月に「久留米総合病院」に名称が変わることを知らせる垂れ幕。

 同じ女性としてどう勇気づけてあげられるかをよく考えます。「こんなことくらいでへこたれてどうするの! 治療法はたくさんあるんだから、もっと前向きに生きなさい! 世界中の女性が乳がんと戦っているのよ!

 早く社会復帰して人の役に立ちなさい!」と内心で思ったりもします。本人の前では言いませんけど、患者会で言うことはありますね。

 生きるというのは、息をすることだけじゃなくて、誰かの役に立っていること、それが糧だと思うんですよ。みんな心のどこかでそれは分かっていると思います。

―病院入口に、病院が新しく建つ垂れ幕がありました。

 今年の秋に鍬入れがあり、来年末かその翌年の春に完成する予定です。場所は当院となりの駐車場、医師会館があったところです。ここもそのまま残ります。

―ご出身はどちらですか。

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写真上は手術中の田中院長。下は検査部の皆さん。

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 生まれたのは久留米ですが、中高は北九州市戸畑の明治学園です。父が向こうで開業していたものですから。でも両親ともに筑後の人間です。夫は今、社会保険田川病院の院長をしています。

 私が小さいころ、父は大阪の鉄道病院で胸部外科医だったのですが、宿舎が兵庫県の芦屋にあって、台風の中を片道1時間半かかる病院まで行ったんですよ。その姿を見て、お医者さんってこんな暴風雨の時も人のために出かけるんだと、小学生ながらに感動したんです。それはすごいインパクトでした。

 私の進路について親は医者になれとひと言も言いませんでしたが、ごく自然に医者になりました。だから、結婚や出産、子育てもありましたが、辞めるという選択肢はまったくなかったですね。それくらい医者という仕事は覚悟が問われると思ってきましたから。

―医師を目指している若い人に伝えたいことは。

 特に女性の医学生に言いたいのは、医師になる過程で味わった熱い思いを忘れないでほしい。時代は大きく変わりましたが、真心を持って患者さんと接すれば、その情熱はかならず相手に伝わります。

―最近「賢い患者になりましょう」とよく言います。

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新病院建設を目前に、職員のやる気は高まっているという。

 治療について迷うのは仕方ないにしても、早期で治るのに進行がんだと勝手に思い込んでしまう人や、その逆に、すごく深刻な事態であるにもかかわらず、とても軽く考える人がいます。それは困りますね。ネットで調べて医師の言葉をふさぐような患者さんも治療の妨げになることがあります。医師の説明に素直に耳を傾け、分からないことはちゃんと質問して、勝手な解釈をしないことでしょうか。

―院長になってみて。

 これまで述べましたようにずっと走ってきたので、院長になって特別に何かあるわけではありませんし、職員の雰囲気にも変わりはありません。院長の仕事は後継者を作ることです。そこはしっかりやりたいですね。
(聞き手=川本)


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