施設整備事業計画

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コンセプトは、救急・高度医療と災害時に機能する病院
広島赤十字・原爆病院 院長 石田 照佳

ヘリポートの整備と手術室、ICU、HCU、救急病床を集約 無菌室も増床し、60 床へ

1976 九州大学卒 九州大学医学部第二外科研修医 1977 佐賀県立病院好生館外科研修医 1978 九州大学附属病院病理部医員 1981 麻生セメント株式会社飯塚病院外科医師 1985 国立病院九州がんセンター呼吸器外科医師 1986 九州大学第二外科助手 1988 同大学第二外科講師 1991 同大学第二外科助教授1994 テキサス大学シモンズ癌研究所文部省在外研究員 広島赤十字・原爆病院第二外科部長 1997 同院第一外科部長 2003 同院副院長 2012 同院院長

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学生時代はマンドリンクラブから、経済学部の先輩が作ったギタークラブに移籍。今ではプロも輩出している。当時ギタークラブに医学部生は少なかった。福岡県済生会福岡病院の松田和久手術部顧問などが所属していた。

 日本赤十字社広島県支部は明治21年7月10日、全国初の支部として広島市に設置された。日清・日露の戦争では、赤十字の救護班が宇品港に運び込まれた戦傷者を手当てしたという。本年は支部設置から125周年に当たり、7月3日、記念大会が広島市中区の広島国際会議場で行なわれた。日本赤十字社名誉副総裁である高円宮妃久子さまも出席されている。今回はその準備で多忙な中の広島赤十字・原爆病院、石田院長を取材してきた。病院の前身である日本赤十字社広島支部病院は、昭和14年に開院している。職員で作る野球部は強く、日赤グループの野球大会に出場し、中四国大会で優勝した。だが、院内に野球の上手い医師は少ないらしい。

 正面の本館も20年くらい経っていますし、病院の建て替えを計画しています。平成27年度中に新棟を建て、それから本館を改築します。現在は工事をするために、300台を収容できる5階建て6層の立体駐車場を建設中です。また今年1月から2台目のリニアック棟を今作っています。

 主なコンセプトは、救急・高度医療・癌治療。そして災害時に機能する病院。

 新棟の1階はほぼ救急センターにしますので、今の約7倍の広さ。今までは放射線科に行かないとCTが撮れませんでしたが、1台ここにも設置します。本当は三次救命センターにしたいのですが、運用費と人員が足りないので、二次救急の砦としてがっちりやるということで。

 今リニアック棟を作っていると言いましたが、内視鏡センターと検診センターもかなり広く作りこんで、内視鏡画像診断、放射線診断を充実させます。病理の人も2名確保していますし、癌で言えば、あとは「外科が切れば良い」というだけにしたいですね。

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平成27 年度竣工予定。病室の個室率は40.2%。医療看護支援ピクトグラムの導入や、外来診察室の増室・拡張、視認性の高いサインデザインなども計画されている。講堂・会議室・研修室の増設により、職員の教育・スキルアップをはかり、人材の集まりやすい病院を目指す。

 災害拠点病院にはヘリポートが必要です。以前は向かいの広大跡地にヘリポートを作っていたのですが、今は中国四国ブロックセンターという、血液の基幹センターを作りましたので、当院にはありません。それで建て替えの時にヘリポートを作ります。日赤には、災害が起こったら災害拠点病院として機能してきた活動実績があります。当院にも着陸する場所がないと。

 ヘリポートと1階の救急車搬送口は、非常用発電機回路を有する大型エレベーターで、3階の手術室と直結します。手術室は6室から10室に増室し、救急病床も14床から20床に拡充。手術室、ICU、HCU、救急病床を集約整備します。

 他にも災害時に医療を継続できる施設づくりとして、免震構造の採用のほか、1階に処置スペースの確保、雨に濡れないトリアージスペース、増床が可能な4床室などを設けます。また、特別高圧受電を本線と予備線の二重化にしたり、72時間発電可能なオイルタンク、72時間対応の受水槽など、インフラの確保も行います。

 私は副院長の時から建築委員会の委員長でした。なので、新病院には外科の意向がだいぶ入っています。

 もっとも、血液内科は当院の看板ですから、最も充実させています。新棟の2階は全部血液内科のようなものです。当院の血液癌の治療は全国でもトップクラス。現在無菌室は54床。血液内科の病棟が130床。今も入院の4分の1が血液疾患の患者さんです。さらに当院の小児科も通常の小児科ではなくて、白血病を主に診ています。小児科の無菌室は現在6床です。

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現在の病院。市電が目前を通る好立地。エノラ・ゲイが投下した原子爆弾リトルボーイの爆心地から南に1・5㎞。被曝のため、当時地下室のレントゲンフィルムはすべて感光したという。壊滅的な被害を受けながらも、赤十字の旗を掲げて救護活動を行なった。

 新病院では病床数自体は1割減らしますが、無菌室は増やし、60床になります。血液腫瘍治療センターも拡充整備し、45床を55床。抗癌剤で足がふらふらしてしまう方が多いので、専用エレベーターも作ります。

 赤十字のマークである赤い十文字は、勝手に他の病院がつけてはいけなと、法律で決まっています。日本赤十字社及びその関連施設がつける。しかしもし、一たび戦争がはじまったならば、病院はどこでも県知事の許可でつけて良いことになっています。「赤十字をつけていれば爆弾が落とされない」という国際赤十字の規約があるからです。

 赤十字社創設で有名なアンリ・デュナンは医者ではありません。戦争を見て、敵味方関係なく負傷した人を助けないといけないという、赤十字思想を広めた人。赤十字は戦争救護で始まったんですよ。

 出身は、福岡県大牟田市です。高校は鹿児島県のラ・サール高校、大学は九州大学で、近所に下宿しました。日本医師会の横倉会長の病院に、母が入院したことがあります。広島県医師会の会長が横倉会長を呼ばれた時に、大牟田出身ですと挨拶しました。

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原子爆弾で破壊された病院の外壁の一部は、今も被爆窓枠モニュメントとして残されている。施設整備事業計画に伴い、6月1日から2日かけて、このモニュメントが病院正面から向かいにある日本赤十字社広島県支部の敷地内に移設された。移動工事に際しては大型クレーンを使い、6月2日、広島市道駅前吉島線の一区画が閉鎖された。(6月18日撮影)

 中学校では飲み屋の娘がたくさん同期生でしたから、大学生の頃は帰省して良く飲みに行っていました。同級生が看板娘になっていて。だから学生時代、中洲ではあまり飲んでいません。大牟田には今も、盆正月は帰ります。母は亡くなりましたが、姉がいるので。

 広島に親戚はいないですね。この病院の外科は、もともと初代から九大の二外科から輩出しているんです。教室から「行って頑張ってこい」ということで、18年前に来ました。医者になってからの半分は広島市に住んでいます。当院は外科の他も、九大の第一内科や皮膚科など、だいたい九大出身の先生が院長をしていましたが、私の前任者は広大でした。当院では九大出身の医師が少なくなり、もう弱小勢力になってきています。どうしても遠いですからね。今では広大出身者が増えてきました。地元の大学としっかり密着することは重要で、今日も広大に行ってきました。広大の協力がないと、医師の確保が困難になりました。

 もう博多に帰っても、同級生以外の知り合いは殆んどいなくなりました。他は仕事上知っている人がいるだけで、院長会議で会う程度です。九大病院関連病院院長会議というのがあるんですよ。ここは広島大学の関連病院でもあり、九大の関連病院でもあります。医者が両方から来ているから、広大病院関連の会議にも出ています。

 日赤の本社は、日赤の病院同士で医者の融通をしなさいと言いますが、大学との関係もあって、それはなかなか難しい。とはいえ、院長会議でずっと一緒だから仲良くはなります。福岡日赤の寺坂禮治院長は九大第一外科出身で、本来あまり接点はないのですが、今では仲良しです。副院長の平方秀樹副院長は同級生ですよ。

 広島県はC型肝炎が多く、当院では肝癌の手術が盛んです。教室の後輩たちが熱心に診ています。

 私の専門は肺癌ですが、九大二外科では助教授をさせていただきました。助教授の時は、福岡県済生会福岡総合病院の岡留健一郎院長(全国済生会病院長会会長)や、福岡市民病院の竹中賢治院長と一緒の部屋にいました。

 今も手術はしますが、院長になってからは月に1回ほどしか呼んでくれなくなりました。

 九大二外科の教室歌は古賀政男の作曲です。昭和10年に作歌と書いてありますね。九大に限らず教室歌を持っている教室は少なからずありますが、我々は有名人が作った曲ですし、少し自慢です。みんなで集まって宴会などをした後に、〆で歌ってお開きにします。


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