研究開始から20年 医薬品承認めざす
久留米大学は11日、久留米大学医学部附属医療センター(久留米市国分町)内にがんワクチンセンターを開所した。センター長は伊東恭悟教授。副センター長は野口正典教授と由谷茂准教授。
開所式は11日、がんワクチンセンターの患者待合室で開かれ、伊東がんワクチンセンター長、神代正道久留米大学理事長、永田見生久留米大学学長、樋口富士男医療センター病院長が、テープカットをし開所を祝った。
同センター設立で久留米大学関連施設に点在していた専門施設が統合され、専門スタッフも集約された。久留米大学は、がんワクチンの医薬品承認を目指しており、今後は迅速で高質な臨床試験が可能になると期待している。
久留米大学が、がんワクチンの基礎研究を始めたのは1994年のこと。98年に国内初の臨床試験を開始した。2011年より膠芽腫での第Ⅲ相医師主導治験を開始したほか、今年より前立腺癌の第Ⅲ相企業治験を開始。膀胱癌、肺癌、肝癌を対象とする第Ⅱ相臨床研究なども実施している。
同センターは医師7名、看護師9名、臨床試験支援スタッフ11名、研究スタッフ10名で運用される。診察室は5部屋、研究室は17部屋あり、入院施設はなく外来だけ。
診療対象は消化器癌、泌尿器癌、呼吸器癌など癌全般を扱う。ただし脳腫瘍、乳癌および婦人科癌に関しては、久留米大学旭町キャンパス内の久留米大学病院で診療を実施する。