ヘルマンヘッセ「シッダールタ」 新潮文庫
九州医事新報編集長の超一押し作品。高橋健二訳がすばらしい。
父、母、友人...全ての人からの寵愛を受けるシッダールタは、それらの物から自分の幸福を満たす事は出来ないと悟り、沙門の道を選ぶ。沙門の先達とともに行動をともにするが、多くのことを経験したのち、沙門道では自分は救われないと感じる。
その頃、涅槃に達した仏陀という人がいるという話を聞き、仏陀のところへ赴く。仏陀が悟りに達していることは認めながら、教えの中に一点の不完全さを指摘し、弟子になる道を選ばず、衆生の中へ入っていく。遊女カマーラを知り、事業に従事して成功するが、満足を得られず、川にたどり着く。川から学んだシッダールタは一切をあるがままに愛する境地に到達する。