土着なきグローバル化で日本の文化は消える

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めざそう「瑞穂の国の資本主義」

福岡市早良区の早良市民センターで3月2日、九州大学比較社会文化研究院所属の施光恒准教授が「さらばグローバリズム―『瑞穂の国の資本主義』を目指そう」と題して講演を行なった。主催はNPO夢・大アジア(代表=石井英俊)。

講演要旨は次の通り。

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施 光恒(せ・てるひさ) 昭和46年福岡市生まれ、慶応大学法学部卒。英シェフィールド大学、慶応大博士課程を経て、九州大学大学院比較社会文化研究院准教授。法学博士。専攻は政治哲学、政治理論、人権論。

TPP賛成第一の理由は「貿易自由化は世界の流れ」という具合に、現在ボーダレス化、グローバル化が国内で求められる風潮がある。

TPPはほとんどの大手マスコミが賛成するなど、国境線を取り払うことを進歩だと考えている人が多い。しかしこれは、負の側面や危険性を検討せずに議論されている。デフレ下での自由貿易政策の推進は逆効果であり、先進国に必要なものは協調的保護主義だ。貿易立国だと思われがちだが、世銀統計では日本の貿易依存度は極めて低く(2008年は183か国中178位、2009年は178か国中175位で、日本の下は中央アフリカ共和国、米国、ブラジル)、TPPは事実誤認に基づく議論がなされている。

福祉には「豊かな者が自己利益の一部を返上し、貧しい者を援助する」という構造があるが、その為には連帯意識や社会制度への愛着が必要であり、これらを現代の我が国で支えているのは国民意識のみである。ゆえにTPP、あるいは「東アジア共同体」などのボーダレス化を目指す政策の行きつく先は、福祉の大幅削減であろう。

「進歩」や「近代化」は、土着を脱し普遍へと至る一方通行的発展だと誤解されがちだが、逆に外来の知を土着の枠組みに位置づけていくことが重要だ。多くの人々が、できる限り平等に、格差なく外来の知を得ることで、社会には大きな活力が生じる。インドでは専門教育が英語で行われるため、学問の創造性が生じない。土着の言葉で学問を学べる環境は、国民全体の文化レベルを上げることになる。庶民が賢い国であることが、国力につながる。今後も、外来の先進の知には大いに学ぶべきだが、それを一般的日本人の共有物とすべき。教育を日本語で行なうことは重要であろう。

ほかにも「物作りに秀でている」「秩序形成能力が非常に高い」などの美点を日本人は持っているが、ボーダレス化やグローバル化(米国化)を目指す近年の各種の「改革」・「開国」は、その基盤を壊す含意がある。

貿易依存度が低いということは、内需大国であるということだ。日本には外国発祥のものが多いのに、なぜ経済的自立性が高いのか。それは外国から学んだことを自分たちの文化にする、「翻訳」や「土着化」の上手さだ。経済的自立性が高ければ外国経済の影響を受けにくく、政府が取りうる経済政策、福祉政策の選択肢が多い。今後も国内需要を喚起すべきで、金融は緩和され、賃金は引き上げられるべき。世界経済の影響で不安定化することや、諸外国との対立を招く外需依存をわざわざ作り出す必要はない。

文化による多元的秩序形成の可能性や大切さを世界に訴えるべき。文化で秩序を作ろうとしているチベット、ウィグル、モンゴル、台湾、東南アジア諸国などを支援し、中国の連邦化を提案してはどうだろう。
(取材と写真=平増)


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