「人生にはダフることが必要です」

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社会医療法人青洲会理事長 河野輝昭

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【Profile】
1973 長崎大学医学部を卒業し長崎大学脳神経外科研修医
1980 米国ロッシュ研究所研究員
1982 長崎大学脳神経外科助手
1984 同講師
1988 国立循環器センター脳血管外科医長
1990 長崎大学脳神経外科講師
1992 福岡徳洲会病院脳神経外科部長
2000 同病院院長
2006 福岡青洲会病院脳神経センター長
2009 青洲会病院院長
2011 医療法人青洲会理事長に就任、現在に至る。山口県萩市出身。
■日本脳神経学会認定脳神経外科専門医・評議員
■日本脳卒中学会認定脳卒中専門医・評議員
■国際神経化学会メンバー

ちょうど一年前の3月20日号で本紙は、ロボットスーツHALについて取材した。その時訪れたのが、福岡県糟屋郡にある福岡青洲会病院だった。

長崎、福岡、熊本の3県で医療を提供している青洲会グループは、福岡での救急医療や長崎での離島僻地医療が評価され、平成23年に社会医療法人の認定を受けた。社会医療法人になりたくてやってきたことではないので、理事長は「ご褒美」と表現しているらしい。

―ここはロボットスーツHALを導入されていますね。

医療器具は年々進歩し、有用なロボットも開発されていますが、本当に大事なのは、それを扱う医療者たちです。優れた器具があれば良質な医療が提供できるというわけではなく、理学療法士がいなければHALも役に立ちません。大事なのは総合力です。だからコ・メディカルの人数は揃えています。

医療用ロボットと言えばダ・ヴィンチがよく話題にのぼりますが、近年では日本も手術用ロボットを開発していると耳にします。今後ロボットの発展で医療はもっと充実するでしょうが、良い職員は絶対に必要です。

―青洲会との関わりは。

創設者は故上野義博さん。京都の宮津出身で、長崎大学では2つ先輩でした。卒業は一緒でしたけど。

上野さんは、池友会が下関や小文字病院で救急をやり始めた時に研修に行ったり、甲状腺で有名な別府の野口病院に行ったり、川崎の石心会幸病院でも修行された方でした。私たちが学生のころのポリクリでは、五十音順で班編成が行われていまして、上野さんが「う」で、私が「か」ですから、そのとき同じ班で仲良くなったんです。その縁があってか、平成18年に青洲会に参りましたが、最初は福岡青洲会病院の脳神経センター長でした。

̶お聞きしたところでは「三顧の礼をもって迎えられた」とのことですが。

私は「流しの公務員」と呼ばれていて、長崎大学で脳神経外科の講師をしたり、国立循環器センターにいたりしました。その後、平成4年に福岡の民間病院に出てきましたが、平成6年頃上野さんと食事をし、うちに来ないかと誘われましたが、早く移り過ぎるのは当時の勤め先に失礼だと思ってやんわり断りました。でも当時から手術には何回も来ていました。

そういう縁があって青洲会に来ることになったのですが、上野さんは翌春には胃癌で亡くなられたんです。元々特定医療法人ですので、世襲制とか親族が財産として承継することは決まっていませんので、当時常務理事の金澤さんが2代目の理事長になって、3代目として私が就任した次第です。もともと理事長になりたくて来たわけではなかったのですが。

うちのグループは長崎県と福岡県にまたがって医療・介護事業を行っていますが、今後はもっと「福岡の足りないことを長崎が補い、長崎の足りないことを福岡が補う」という相互補完に取り組みたいですね。特に介護に関しては長崎で培ったものがあるので、それを福岡にフィードバックさせ、長崎でも救急を発展させたい。もちろんそれぞれの地域には開業医の先生方もおられるから、病院でなければできないことに特化していきたいですね。

―宮津出身の方がなぜ糟屋郡に病院を。

作ったのではなく青洲会で買ったんです。上野さんはそんな人でした。青洲会にはそういう気概と理念がある。医療の過疎地を助ける気持ちが強いんです。

昭和59年に長崎で採算の難しい病院を買ったことから青洲会は始まりますが、上野さんにとっては第2のふるさと長崎県での医療過疎を見過ごせなかったんでしょう。特に平戸地区を。長野の佐久総合病院を見学して、地域医療を勉強されたようです。

―長崎大学出身の先生が多いですね。

私も上野さんも長崎大学だし、長崎から始まった法人ということからでしょうかね。

私は長崎大脳外科の1期生ですし、福岡青洲会病院の脳外科医はみんな私の後輩ですが、院長は防衛医科大学だし、自治医大や九大もいる。だから学閥みたいなものは一切ありません。医局が最大派閥だと誇りたいところですが、実際は看護部が最大派閥ですし、医者の人数では束になっても相手になりません。福岡青洲会病院は400人くらい働いていますが、看護部だけで過半数います。コ・メディカルも大事です。

―青洲会の名前の由来は。

華岡青洲からいただいたようです。華岡青洲は麻酔や乳癌治療のイメージが強いですが、紀州の山の中、無医村に近いような場所で医療を提供していたそうです。それでも弟子は多かったし、現代も医聖として名を残しています。上野さんも地域に根ざした医療を目指していたから「どんな僻地でも、優れた腕があれば関係がないんだ」という、強い思いがあったようです。しかも勝手に青洲会を名乗ったわけではなく、自ら紀州の実家を訪ね、札幌在住の華岡青洲の子孫を探し出して使用許可をいただいたらしい。その時、いただいたのがこの華岡青洲の本と聞いています。(写真参照)

理事長の趣味は。

ゴルフ。下手なのにゴルフ。ゴルフは人生(笑)。人生にはダフリが必要です。ダフリを経験しないと人間はダメ。ダフることを知らない人は多いですが、すべてうまくいったら、人生はつまらないですよ(笑)。


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