社会復帰ささえるリハビリテーションを

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医療法人社団堀尾会理事長・総院長堀尾 愼彌

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【Profile】
1957 熊本大学医学部卒 1958 同整形外科学教室入局
1962 熊本大学文部教官(整形外科学)
1967 熊本労災病院理学療法科部長
1974 熊本理学診療科病院病院長
1977 熊本託麻台病院を開設し2008 まで理事長兼院長
1986-2006 アメックス熊本㈱代表取締役
1988-2002 産業医科大学非常勤講師
1989-2006 日本リハビリテーション病院・施設協会理事
1990-2007 熊本県老人保健施設協議会会長
1997-2007( 社) 全国老人保健施設協会理事
1999-2006 全国在宅介護支援センター協議会副会長
■現在、熊本県医療法人協会副会長、熊本県地域・包括・在宅介護支援センター協議会会長、熊本県地域リハビリテーション推進協議会委員、全国ケアマネジメント学会理事、医療法人社団堀尾会理事長兼総院長
1999( 社) 全国老人保健施設協会会長表彰
2003 老人保健事業で厚生労働大臣表彰
2004 障害者雇用事業で厚生労働大臣表彰
2005 日本臨床整形外科医会地域医療功労賞受賞

昭和52年竣工の堀尾会熊本託麻台病院は、エントランスに段差がなく、足の不自由な患者に優しい。リハビリテーション専門医ならではの配慮だ。靴を脱ぐことが普通だった当時の設計思想から考えれば新しいもので、他にも工夫がつまった病院である。とはいえ、法規が代わり、療法が進歩し、社会環境も変わった。それで時代にそぐわない部分も出てきた。だから今春、病院を移転するそうだ。

―この盾は何ですか。

これは8年前に初めてエージシュートした時の記念で、友人たちが作ってくれたのです。ゴルフが趣味でしてね。

―今おいくつですか。

傘寿(80歳)です。だからエージシュートがしやすくなってきました。去年は11回達成し、通算20回になります。でも診療も手術もやっています。頭も幸い、まだ呆けてはおりませんからね(笑)。だから今でもケーシースタイルで通しています。私は整形外科出身のリハビリテーション医で、20年間熊本の老人保健施設協議会の会長をやっていたんですが、老健は2つ持っておるんです。堀尾会のコスモピア熊本は県内第一号の介護老人保健施設なんですよ。

老健というのは高齢者にリハビリを提供して、在宅復帰をはかっていく施設です。そして在宅に帰したあとのリハビリを受け持つ目的があります。

肝心なのは、ただ手が動く、足が動くというふうにすることではなく、社会復帰や自立を支えること。それが、本当の意味でのリハビリだと考えています。そのためには優れた介護職員が必要になりますが、今は介護福祉士になろうという人が少なくなっています。それだけ労多くして処遇が低いわけです。ですから、もっと立場や処遇が良くならなければならないと考えています。

介護福祉士が不遇ではケアの先行きが不安ですよね。全国に80万人ほどいますが、その倍くらいの人数が必要です。少子高齢化の時代で、ニーズも高いわけですし、何とかしたいと常々考えているんです。

―堀尾会の成り立ちは。

熊本労災病院で10年ほどリハビリテーション医をやっていましたが、当時は労災保険対象者にしかリハビリが出来なかったんです。一般の患者さんは自費でも出来なかった。昭和48年に、やっと受けられるようになるわけです。それで昭和52年に、リハビリテーション専門の病院として熊本託麻台病院を建てました。労災病院でのマネジメントの経験を活かしてね。

当時病院を作るには医療法人化する必要があったので堀尾会を作り、出資者を募ったわけですが、これには友達に助けられました。もう亡くなりましたが、友人の薬剤師、坂田多聞は熊本県一の税金を納めておったし、むろん彼だけではなく、多くの良い友人に恵まれたことは確かです。

医療金融公庫(現福祉医療機構)などから借り入れをしましたが、当時の金利はオイルショックで8.5%と高かった。でもきちんとしたリハビリを提供したので患者さんは来てくれて、2年後には医療金融公庫のモデル病院になりました。リハビリテーションの施設は、山の中にある療養所的な考えの施設も多いのですが、在宅に戻すことが大事なわけですから、フォローアップしやすい都市型方法を選んだことが良かったんですね。

―新しい病院を建てられるそうですね。

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はい。3月中旬に竣工引き渡し、5月1日に移転オープンを予定しております。当時は広い廊下を作ったつもりでしたが、35年も経つと狭くなってきました。また、回復期リハビリテーション病棟は4人部屋以下でないといけないという法規が出来ましたので、今ある6人部屋を4人部屋で使うのは経営的にも苦しくなります。それに建ぺい率や容積率の関係で、今の病院はもう建て増しが出来ないんです。行政的にベット数は増やせず142床のままですが、個室も増え、広くなる分、より良いリハビリテーションが提供できるようになります。特に、うちは老人や脳卒中、成人ばかりではなく、小児リハビリテーションにも力を入れていますので、そのための部屋を作ることと、病棟と同一フロアに訓練室を持っていることが特長でしょうか。

6階建ての病院ですが、1階は外来の訓練室と小児の訓練室。そして3階から5階までの各階に、それぞれ訓練室を設け、また屋上でも訓練が出来るようになります。患者さんを訓練室まで連れていく手間と人員を減らせるのも、良いことですね。


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