侵襲とストレス少ない手術を心がけて

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久留米大学医療センター副院長 樋口富士男教授

職業人として、同業者に認められることほど誇りに思えることはない。記者はそう考えている。「医師間で信頼されている医師」も、医師の中では一つの栄誉なのではないだろうか。今回取材した久留米大学医療センター副院長の樋口教授は、ベストドクターズ社が2年連続で認めた整形外科の名医だ。昨年の証書は額装がまだ済んでいないということで、一昨年の証書を見せてもらった。

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▼昭和50年久留米大学医学部を卒業し、同年久留米大学医学部整形外科学教室入局
▼昭和55年西ドイツボン大学へ留学
▼昭和61年久留米大学医学部付属病院整形外科医局長
▼平成10年久留米大学医学部整形外科学助教授
▼平成11年久留米大学医療センター整形外科科長
▼平成15年久留米大学医学部整形外科学教授
▼平成20年久留米大学医療センター副院長を経て、今年4月から院長。

―趣味を教えてください。

テニスを週1回やっています。大学のころからの趣味ですが、当時はまだ冬にできない時代だったんですよ、地面に霜が降りてね。それで冬期はスキーで西医体の大会に出場し、八方尾根の大会に出て足を折った。それで整形外科に興味を持ったのかも知れないね(笑)。囲碁も好きですが、時間のかかる遊びだし、今はする相手がいないですね。

―海外に好きな場所はありますか。

一番印象的な風景はパルミラかな。シリアにある砂漠で、学会でオランダに行くついでに見たんです。60度くらいの暑さの砂漠の真ん中にオアシスがあって、お墓がある。3世紀にローマ軍が攻めてきた際、美しい女王がここで兵を率いて戦い、敗れてローマまで金の鎖に繋がれて連行されたという歴史があってすごく面白くて興味を引かれました。

―お酒はお好きですか?

好きですね。その時飲みたいやつを何でも飲みます。飲みに行く時は歓送迎会が多く、学会の帰りとかは滅多に行きません。夜が早いですからね。

若い時はもっと飲んでいましたが、自分の体の能力をほどほどに知っているので、健康に気をつけているんです。だんだん飲めなくなってくるから、君(=記者のこと)も飲めるうちに飲んどきなさい。ただ、飲み過ぎんように(笑)。

ところで、医療や医学のことについては何も訊かないんですか(笑)。

―先生の専門についてお聞かせください。

専門は関節外科です。今は人工股関節の手術がメインで、研究も教育もやりますが、ここは診療をやる医療センターなので、現場の医師ということになります。2012年は11月末までに297件の手術をしました。久留米大学医療センターだけでなく、八女の川﨑病院などでもやっています。無菌室を必要とする手術だからどこの病院でもできるという手術ではないんです。あと、ある程度訓練できたコ・メディカルが必要ですが、こちらから連れていくわけではないし、そういう意味でもどこでもできるというわけじゃありません。

股関節に限らず、整形外科としての手術はたくさんやっています。学位のテーマが股関節だったので、自然その分野に詳しくなった感じでしょうか。その股関節の手術もたくさんしてきましたが、最終的には人工関節が増えてきました。

―先生が人工関節に興味を持たれたということでしょうか。

私が興味をもったというよりも患者さんの満足度が高いという需要の問題です。股関節は昔から女性の患者さんが多いのですが、今は外で働く女性も多いから、以前より早い退院が望まれ、この手術が望まれます。また人工関節が発達してきた、という理由もあります。いま韓国のチョンナム大学から若い先生が2人勉強に来ています。この分野で韓国は本来すごく進んでいるのですが、私たちは出血量を少なくする工夫をしていたので、彼らは「もし、自分の家族にするならこの手術がしたい」といって勉強しに来たんです。こういうのは私たちの研究の特長かも知れないですね。

これは単に低侵襲というだけでなく、速く、外科医のストレスが少ない。そして「輸血拒否」の人たちに手術をすることもできます。彼らは無輸血の手術でないと受け入れないから、出血量が少ない手術しか受けられないんです。だからこの手術は、そういう人たちにもやってあげられる。こちらとしても出来る手術はしてあげたいですよ、医者ですからね。
(聞き手と写真=平増)


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