すこやか健康事業団が若い癌研究者21人に助成金
福岡県すこやか健康事業団（原信之会長）の主催で平成24年度がん研究助成金贈呈式が、昨年12月13日福岡市中央区の西鉄グランドホテルで行なわれた。
福岡県すこやか健康事業団（原信之会長）の主催で平成24年度がん研究助成金贈呈式が、昨年12月13日福岡市中央区の西鉄グランドホテルで行なわれた。
福岡県内と韓国で癌を研究する40歳未満の研究者個人に送られる賞で、受賞者には研究助成金が贈られる。今年で47回目をむかえ、これまでの受賞は514件を数えるという。
今回の研究助成金申請は35件あり、受賞は優秀賞４件、入賞8件、奨励賞が9件の計21件。
来賓を代表して九州大学の前原喜彦教授は、新任助手だった昭和61年にこの助成金をもらったと話し「誇らしく思い、研究を続けるうえで励みになった」と述べた。審査委員長の桑野信彦九州大学特任教授は受賞者への期待を語り、「専門分野の異なる多くの人々が互いに知恵を出し合い、討論し合い、協力すれば大きな力になる」と述べた。
優秀賞の４人もそれぞれ講演を行なった。
九州大学の仲田興平助教はオートファジーの抑制により膵癌の浸潤が抑制できたと発表し、カトリック大学校（＝韓国）のイ・ウンギョン化学教室専任講師はマイクロＲＮＡと癌の関係について講演した。播本憲史九州大学助教は、オートファジーの抑制が肝再生を妨げるとの報告を行なった。福岡大学の白須直人講師はCEA 陽性癌細胞に結合するIRDye700DX を結合させたヒト抗CEA 抗体を作成し、これを近赤外線で励起させることによりCEA 陽性癌細胞を特異的に殺傷できると述べた。
閉会の辞で井手義雄理事長は、人工多能性幹細胞について触れ「そろそろ50回。ノーベル賞のようにメダルを授与しても良いと思うが、すぐに用意できるのはチョコレートのメダルぐらいだ」と場を和ませた。
- 【優秀賞】
- 仲田興平＝九州大学腫瘍外科助教
- イ・ウンギョン＝カトリック大学校化学教室専任講師
- 播本憲史＝九州大学消化器・総合外科助教
- 白須直人＝福岡大学生化学教室講師
- 【入賞】
- 馬場崇＝九州大学分子生命科学系部門助教
- 前畠裕司＝同病態機能内科学医員
- 東公一＝久留米大学呼吸器神経膠原病部門講師
- 石原玲子＝久留米大学高分子化学研究部門研究員
- 村上雄一＝聖マリア病院聖マリア健康科学研究所開設準備室研究員
- 山田孝明＝九州大学薬剤部薬剤師
- 石井健士＝福岡歯科大学先端科学研究センター助教
- 久保達彦＝産業医科大学公衆衛生学講師。
- 【奨励賞】
- 松枝智子＝久留米大学がんワクチン分子部門助教
- ジョン・ウンギョン＝ソウル聖母病院医科大学腫瘍学部臨床助教授
- 秦暢宏＝九州大学脳神経外科助教
- 伊藤修平＝福岡東医療センター外科医師
- 内藤雅康＝福岡大学消化器外科学講座助手
- 平川洋一郎＝九州大学環境医学分野学術研究員
- 森泰寿＝産業医科大学第一外科助教
- 高橋宏昌＝福岡大学歯科口腔外科学講師
- 小野美咲＝中村学園大学栄養科学科助手。
- 【審査委員】
- 桑野信彦委員長＝九州大学大学院がん分子生物学研究室特任教授
- 岡村健＝九州がんセンター院長
- 嘉村敏治＝久留米大学産科婦人科学講座教授
- 島弘志＝聖マリア病院院長
- 白水和雄＝久留米大学外科学講座教授
- 古野純典＝九州大学予防医学分野教授
- 前原喜彦＝同消化器・総合外科教授
- 興梠征典＝産業医科大学医学研究科科長
- 黒木政秀＝福岡大学生化学教室教授
- 中西洋一＝九州大学呼吸器内科学教授
- 田村和夫＝福岡大学腫瘍・血液・感染症内科学教授
- 内藤誠二＝九州大学泌尿器科学分野教授。
