福岡は本当に国際都市なのか

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語り手:行政書士 青崎逸郎 福岡県行政書士会 / 国際渉外部長(入国管理局申請取次行政書士)

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【PROFILE】
昭和48年鹿児島県生まれ。九州大学法学部法律学科卒。平成19年福岡市博多区御供所町に行政書士青崎法務事務所を設立、現在に至る。

法人の設立や遺言、相続、任意後見、各種契約や定款の作成業務などを行なう行政書士の仕事の中に、入国管理局申請取次という業務がある。福岡県行政書士会国際渉外部長として、県内に居住する外国人事情に詳しい青崎逸郎行政書士に、福岡県は本当に国際化しているのか、外国人とどうつきあえばいいのか、専門家の立場で自由に語ってもらった。

行政書士の仕事の1つに外国人の在留手続きの書類作成と提出代行というのがあるんです。申請取次行政書士という試験を受けて行う仕事で、会員の責任者をやっていますが、福岡が国際都市かどうかと問われると、もう国際都市になっているんですね。

留学生の数は東京に次いで全国で2番目。今年大阪を抜いたそうです。

もともと福岡は日本の玄関口で、平安時代から朝鮮半島や上海から船で福岡に来るルートがありました。ほかにも沖縄から鹿児島を経て入国するルート、そして長崎。蝦夷地もありました。

また孫文は福岡に留学していましたし、インドの独立軍を作ったチャンドラ・ボースも福岡にいた時期があります。

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ネパール人に日本のマナーや法律を教える青崎行政書士。(写真提供=福岡ネパール友好協会)

行政書士会で月に1回、外国人向けの無料法律相談を行なっていますが、そこを訪れる人の国籍は幅広く、世界中のいろんな国の人たちが福岡に住み始めています。その理由をたずねてみると、やはり住みやすいからだそうです。日本のあちこちに行ってみたけど福岡が一番いいという声は聞きますね。町が清潔で、コンパクトな割にはいろんなものがあり、昔から外国人が闊歩していた土地柄ですから、他の都市に比べると外国人へのアレルギーが少ないんだろうと思いますね。お年寄りの中には孫文などを引き合いにして、一緒に歴史を作ってきたというプライドのある方もいます。

食べ物もおいしいんだと思いますよ。日本人でもおいしいですからね。

でも外国人が大量に押し寄せてくれば日本人のアイデンティティが失われるのではないかということに対して、私自身は不安です。うまく馴染んでくれればいいんですけど、文化も風習も言葉も違う人たちが住み着いて、じゃあ日本のルールをきちんと守ってくれるかというと、それは期待できない話になってくるわけですね。日本に本当に馴染むには三世代かかるとも言われていますから。

彼らに本音と建前の使い分けは通用しないので、私は本当の気持ちを言うようにしています。「本当は外国人に来てほしくないんだ」と。「あなたたちが日本のルールを守らないなら、我々だけで暮らしていれば平和な町なんだ」。

すると彼らは、「日本は国際化しなければいけないから我々が必要だ」と必ず言います。インド系が多いんですが(笑)。中国系はへらへら笑い、韓国の人たちは怒りますけど(笑)。

そう言われて、「いや、こっちは鎖国でも構わないんだ」と本音をぶつけると、むこうは日本人に警戒心を持つんです。それによって、自分たちは嫌われているかもしれない、日本から追い出されるかもしれないと意識するわけですよ。そこで初めて、日本のルールに従おうとか、この場はどうしたらいいかと尋ねてくるようになるんですね。

生活に宗教を持ち込まないのが日本人のいいところですが、外国人は持ち込みます。でも私の感覚では、宗教を信仰している人の方がルールに従おうとする意識があるようです。イスラム教徒がそうで、一個人として接すると、縛られているためにすごく善良です。彼らから宗教を取ったら危ないと思いますね(笑)。

日本は島国ですから、他人との軋轢が生ずると逃げ場がないので、本音と建前のような独特の関わり方が生まれてきた。長く暮らせば外国人でもそれに気がつき始めますが、それまでは建前を本音だと思うわけです。

単なる旅行者ならもてなし(建前)だけでいいですが、住み着くつもりの外国人に同じことをすると、居心地のいい国だと勘違いして必ずつけ上がり、最終的に我々の生活に問題を生じさせます。そうならないために、まず目線を彼らと同じ高さまで落とし、いっしょに食事をしたり酒を飲んだり、地域行事にも誘って、日本人と同じ生活レベルまで外国人を落とさなければいけない。

そうやって地域のルールを酒でも飲みながら教えればいいのではないかと思います。孤立したままにしておくと、彼らの子供を学校に行かせないというようなことも起こりかねません。そこは地域の国際力が試されるところですが、福岡の人ならうまくやれるでしょう。

(聞き手、川本)

■行政書士青崎法務事務所=福岡県福岡市博多区御供所町1丁目18リビング博多ビル4C
TEL:092-400-3503
FAX:092-400-3504


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