満員の会場に息をのむ肉声と迫真の実演。
小さな子供を抱いてメモをとる母親も...
福岡市医師会と福岡市救急病院協会が共催した市民公開講座「目からウロコの救急医療」が9月29日、福岡市中央区渡辺通の電気ビルみらいホールで開催され、定員460人の会場をほぼ埋め尽くす市民が集まった=写真。
前半は、福岡市医師会の高岸智也常任理事が、福岡市の救急医療体制について説明し、続いて北九州市立八幡病院の市川光太郎院長が、子供にどんな変化があれば救急車を呼ぶべきかを説明した。
さらに日医総研客員研究員の三村和郎医師が、「大人の予防」と題して、救急の前に予防に目を向け、定期的な健康診断をしてほしいと述べた。
福岡赤十字病院救急科の皆川雄郷医師は、「当院には年間で5千回以上、の救急搬送があり、そのうち重症の患者はおよそ1割。急いで病院に来てほしい場合は3つあり、1つは心臓が止まっている時、2つ目は胸の痛い人で、急性心筋梗塞の疑いがある。3つ目が脳梗塞や脳出血。箸が持てない、ろれつが回らないなど、身体の様子が普段と違う時は、救急車を呼ぶサイン」と話した。
後半は福岡市消防局救急科の職員が、119番のかけ方や、救急車が到着するまでの間に周辺の人がどんな対応をすればいいかを、会場前列にいた女性をステージに上げ、実演を交えて説明した。
また、高齢の夫が椅子に座ったまま意識を失い、妻が119番通報した時の、救急科職員とのがやり取りが流され、会場は水を打ったように静まった。昨年と同様に緊迫感があり、前半の3医師の講演を生々しく思い出した人もいたようだった。