多様化するデイケアの期待に応える

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変わるデイケアの在り方

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あいさつする西村良二大会長

9/20~22 福岡国際会議場で

日本デイケア学会の第17回年次大会福岡大会が、9月20日から22日までの3日間、福岡国際会議場で開かれた。

最初に西村良二大会長(=福岡大学医学部精神医学教室教授)が、「福岡では第3回目以来、16年ぶりの開催となる。先週は大きな台風に見舞われて心配していたが、さいわい天候に恵まれた。

多様化するデイケアへの期待に応えるために、方向性や将来性を論じ、実りのある学会にしたい」とあいさつ。

続く大会長講演で「思春期のデイケアの試み―神経症圏内の子どもたちを中心に」の題で、「思春期の子供で考えねばならないのは、背後にある人格形成の問題。思春期への対応には必ず人格の発達が伴うが、本来の健康な形成プロセスが障害されると、さまざまな病態が起ってくる。治療には、大人への人格の再編成を忘れてはならない。そして、同世代の仲間や集団との関わり合いは、思春期の本能活動に対する防衛にも役立つ。子供たちは、仲間、集団の中で自分の中の葛藤の解決学を学び、社会で生きるためのスキルを身につける」と語った。

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一般演題の発表者風景と、発表を聞く出席者

初日には多くの一般演題があり、プログラム実践⑤(福間病院の黒川絹子座長)では、医師、精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士らによるグループミーティングの取組みなどが報告された。

上野寺心身クリニックの発表者によると、患者はスタッフよりも、同じ立場に立つ人の意見を素直に受け入れる傾向があることから、患者の率直な気持ちを話せる場として、今後も継続したいとのことだった。

また総合診療センターひながデイケア青い鳥の職員は、統合失調症患者向けのグループ認知行動療法の実施結果について、「スタッフ自身が、話しても伝わらないというあきらめにも似た無力感から脱却する機会を得て、余裕のある視点で患者を看ることができるようになった」と話した。

病院デイケアは地域の重要な資源

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ランチョンセミナーで講演する西脇病院の西脇健三郎院長

ランチョンセミナーで西脇健三郎院長が講演

日本デイケア学会2日目のランチョンセミナーで、西脇病院(=長崎県長崎市)の西脇健三郎理事長=院長は、デイケアに取り組む病院と地域の関係を「病院デイケアは地域の重要な社会資源」だとして、治療から就労支援まで行なっている経験を発表した。

同院は長崎県の民間病院でもっとも早く精神科デイケアを開始したリーダー的存在。

西脇院長は「平成元年に精神科デイケアを開始してから、多様化した期待の応えるため、いろんなことをやってきた。昭和32年の開院当時と最近の患者500人を調べてみる と、昔は統合失調症が半分、進行麻痺もあった。最近は長期入院や社会的入院の患者は少なく、不眠で気軽に病院にかかる人が増えた」などと話し、平成7年からアルコール依存症患者のデイケアも開始したと述べた。

西脇氏は講演を15分で終え、残った50分を、同院で訪問を担当している看護師や、復職担当の精神保健福祉士、作業療法士、コンシェルジュ(総合世話係)、コントロールマネジャーにマイクを持たせて、実際の取組みを報告させ、それぞれに解説を加えた。


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