今や国民病と呼ばれるがん。遺伝によるがんは5㌫程度と少なく、むしろ、喫煙、食生活及び生活習慣病が原因であることが多いので、これらに気をつけて発がんリスクを下げる必要がある。しかし、生活習慣の改善に心がけても、がんにかかるリスクはゼロにはできない。そこで、がん検診が重要となる。
医学の進歩で、現在がんは約50㌫の人が治る。特に初期の段階で発見・治療すれば非常に高い確率で治癒する。したがって、がんを初期段階で見つける「がん検診」は、がんの死亡率を下げるのにとても有効だ。
ここ佐賀県は、がんの死亡率が全国平均からみて、全体的に高い。特に、肝がんの死亡率は、平成11年から12年連続で全国ワースト1位という不名誉な記録をもつ。人口10万人あたりの死亡率は、全国平均が25・9人であるのに対して、佐賀県は41・1と大幅に上回る。
肝がんの原因は9割が肝炎ウイルスによるもの。実際、佐賀県のC型肝炎の感染率は、全国平均の倍以上である。
肝炎ウイルスによる慢性肝炎は、放置すると肝硬変や肝がんになる可能性があるが、きちんと検査・治療することで肝がんを防止する効果的な方法となる。
検査は、血液検査をして肝炎ウイルスをチェックし、陽性だった場合には精密検査へと移行する。その結果、慢性肝炎と診断された時にはインターフェロン治療などを行なうことになる。
佐賀県では、肝炎対策として治療費助成制度が充実しており、本来なら月に8万円ぐらい治療費がかかるところ、本制度を使えば自己負担額が1月あたり1万円または2万円までおさえられる。さらに、県と佐賀大学が協調し、より多くの人に肝炎ウイルス検査を受けてもらうため、平成24年1月に肝疾患センターが立ち上げられた。
これらの先進的な肝炎対策により、県民の肝がん死亡率が低下することが期待される。
ナースが聞いた「死ぬ前に語られる後悔」TOP5
オーストラリアの看護師によると、死の間際に患者が語る後悔は同じものが多く、トップ5は次のようになるという。(インターネットより)
- 「自分自身に忠実に生きればよかった」
- 「あんなに一生懸命働かなくてもよかった」
- 「もっと自分の気持ちを表わす勇気を持てばよかった」
- 「友人関係を続けていればよかった」
- 「自分をもっと幸せにしてあげればよかった」
自分の未来を見ることは無理だが、行き着く先を体験した人を知れば、自分の未来も見当がつく。
右の5つは、ありふれたものばかりである。これを読んだ人の多くは身につまされるが、やはりこの5つに向かって突き進むだろう。そしていつの日か、溜め息とともに、肩を落とし、涙を浮かべて、このどれかを口にする。その意味では、読者の未来はここに書かれていると同時に、それを回避できるチャンスも与えてくれている。
ドイツの作家ヘルマン・ヘッセは、人は死ぬと、神から「あなたは、あなたになれましたか?」と問われると、示唆に富んだ言葉を残している。(川)