看護師はいのちと生活の両方をみる

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福岡県看護協会 神坂登世子会長に聞く

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趣味は音楽と読書。「本当は、華道、詩吟が趣味なのですが、仕事に専心してきたこともあって、全くできていません。自分自身のワークライフバランスは、再考しないといけないですね」。(4月3日撮影)

5月12日は看護の日

会員数3万5千人を有する福岡県看護協会。4月1日から公益社団法人となった。「私の仕事はソフト面の充実」とかねがね口にしている神坂登世子会長に、看護職全般について、個人の想いも含めて自由に語っていただいた。

―看護師になろうと決心したきっかけは?―

もともと小学校の先生になりたかったんですよ。

野口英世と同じ誕生日であることや、シュヴァイツァー博士の伝記を読んで、幼いころから医療に興味はありました。初めての救命はカブトムシ。看護師になることを家族全員が応援してくれたことも大きかったですね。

―看護協会会長としていちばん言いたいことは―

目の前にいる患者に何が必要か、これを見極めるのが看護師の役割です。

それにはあらゆる面で看護能力を高めなければならず、そのために教育の充実が必要です。

私たちの新人時代と比べると、教科は増えているのに実習時間は3分の1。そのため、知識は多いが実践が弱いです。このような事情をいかに現場がふまえて新人育成するか。22年の卒後研修制度によって離職率が減少しましたが、これを継続していく必要があります。

むろん新人看護師に限らず、看護に関わる全員に教育の底上げが必要です。医学はもちろん看護の知識も日進月歩です。必要な知識を持たずに患者を看ることはあってはなりません。命を扱う以上、知らなかったではすまされないのです。

でも一番大切なのは、患者その人に関心をもつことです。いわば「こころまで看る」のです。患者のそばに24時間いるのは看護師だけですから。

―看護協会の役割りは大きいですね―

たとえば私たちは全国で唯一、福岡県の委託を受けて教務主任の養成講習会を行なっています。日本看護協会の実施する認定看護管理者について、サードレベルの教育課程を有するのも九州では福岡県だけですし、多様なキャリアラダーも構築しています。県看護協会では前会長がハード面の確保を達成され、私はソフトの充実を図ってきました。つまり、教育、成人看護学会、看護サミットの開催などです。でもこれは、数多くの方の助けがあったからです。当協会は今年度4月1日付で公益社団法人になったので、もっといろんなことができるでしょう。

―神坂会長個人としての想いはいかがでしょう―

会長に就いて以降、常に目標を高く掲げてきました。あとはワークライフバランスでしょうか。 現代では、働く女性のおよそ20人に1人が看護職といわれています。その労働環境が良くなれば、他の職業にも必ず波及します。女医、臨床検査技師、栄養士など、働く女性たちの環境が改善していくはずです。現在は「子供を産みましたから仕事を辞めます」という時代ではありません。子育てをしながら、または親の介護をしながらでも働ける環境づくりにチャレンジしたいと考えています。私自身、認定看護管理者の2期生として育てられてきた者です。恩返しとして教えられたことを還元したいとの思いから現職に就いたともいえます。

―看護時代の思い出は―

看護する姿勢を見て驚かされた看護師がいます。

普通なら、亡くなった方についてはいかに手際よくきれいに処置するかに関心がいってしまいますが、この看護師は生前と同様、「今から横を向きましょうね、きれいになりましたね」などとていねいに声かけをしながら体を拭いていたのです。これには驚かされました。もちろんすべての看護師がこうあるべき、というわけではないですが...

―これから看護職をめざしたい人に伝えたいことは何でしょう―

看護師に求められるやさしさは、患者の要望を盲目的に聞くのではなく、看護や治療の上で、時にはきびしく接することもしなければなりません。

新人看護職の研修の最後でも伝えることですが、「志を高くもって、夢を追いかけろ」と伝えたいですね。昨今、夢のない時代などといわれていますが、目標すら高く設定できない人が大きく成長できるはずがありません。

もう1つ若い方に伝えたいのは「3つのC」です。これは県看護協会の活動理念として掲げているもので、「チャンスがあればチャレンジしてクリエイト(創造)しなさい」という意味です。

チャンスを逃すことは、自分自身が成長するきっかけを失うことです。若い看護師たちには、恐れずに、とにかく前向きな姿勢を示してもらいたいと思います。

聞き手(内)、写真(那)


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