公益社団法人日本オストミー協会は、オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)が安心して暮らせる社会を目指す、オストメイトによるオストメイトのための障害者団体です。
事業の目的
当協会はオストメイトの生活の質的向上と社会復帰を図るために事業を展開しており、事業としては都道府県から「オストメイト社会適応訓練事業」の委託を受け、医師の医療講演会、ET/WOCナースによるオストミー講習会・補装具展示会などを実施し、協会でも独自に相談会・体験交流会・研修旅行、電話相談・相談支援活動などを実施しています。
改善されつつある環境
オストメイトを取り巻く環境は、ストーマ装具の改良や、ストーマ造設手術の進歩とストーマケアに習熟した看護師の増加により、術後の状態は著しく改善され、オストメイトの社会復帰を支える国の福祉制度も当協会の要望により進展しつつあります。
多様なニーズと不安
しかしながら、身体機能の変化による精神的なダメージや日常生活上の悩み・不安、排泄処理への対応などのほか、夫婦関係・対人関係・職場での対処などの面でも問題を抱えており、多様な生活ニーズがあります。若年層では就学・就労・恋愛・結婚・妊娠・出産などで大きなハンディキャップがあり、苦悩しています。
理解されない実態
オストメイトの実態については、地方行政はじめ地域社会において正しい理解が進んでいるとは言い難く、このことがオストメイト福祉増進のアピールが浸透しない要因になっています。このため、当協会ではあらゆる機会をとらえてオストメイトの社会的認知拡大を図っていますが、その象徴といえるものに、公共的施設にオストメイト対応トイレの設置を要望する運動があります。
社会的認知の拡大を
この運動は平成11年頃から進めていますが、最近はオストメイト対応の設備を備えた公共的施設の身障者トイレや多機能トイレが多く見られるようになりました。また、病院においても通院・入院の際に、オストメイトが便利にトイレを使用できるよう配慮されることを願っています。
このようなアピールの積み重ねにより、今後さらにオストメイトの社会的認知が拡大していくことを願っています。
オストメイトは依然として増加の傾向にあり、当協会の果たすべき使命はますます重要になるとの認識を新たにし、今後とも事業活動の充実をはかります。当協会への理解と協力をお願いします。